俺ガイル ss 邪魔。 【俺ガイルSS】小町「トリックオアトリートだよ、お兄ちゃん!」

八幡「罵倒されてその上通報されるとか……」 雪乃「あら、あなたの性癖からすればご褒美じゃない」【俺ガイルss/アニメss】

俺ガイル ss 邪魔

俺は比企谷八幡。 総武高校2年……だったのは、もう10年も昔の話だ。 ……いや、今言いたいのはそう言うことじゃなくて。 結婚して5年目、正直罪悪感がヤバい。 毎朝くたびれた顔をして出勤し、そして毎晩さらに、くたびれたを通り越して死にそうな顔をして帰ってくる妻を見ていると、それに比べて俺は一体何をしているのかという気持ちになる。 雪乃の力になってあげれない自分が、嫌になってくる。 俺は俺なりに、せめて雪乃がすぐ休めるようにと色々と気をつかっているつもりなのだが、それでも今のところ、雪乃の体調の維持が精一杯だ。 最近は、あれほど雪乃が愛して止まなかったパンさんもこの家から忽然と姿を消している。 体力の回復に精一杯で精神の安らぎにまで割いている時間がないのだろう。 もはや、無力感を通り越して俺が雪乃を追い詰めているのではないかと思うまである。 第一章 やはり比企谷八幡は変われない 「……ふぁ」 朝5時。 冬場は寒く、出来ればこのままベッドから出たくはないが、そんなことは言っていられない。 主夫の朝は早いのだ。 「今日は月曜日……燃えるゴミの日だな。 」 安直なセリフに聞こえるかもしれないが、実はこうやって逐一声に出して物事を確認すると言うのは、家事をするに当たってとても大切なことである。 下手をすると、 「あれ、俺って次、何をするんだっだっけ……」 となって、また確認する羽目になり、二度手間、つまり時間の無駄になる。 俺は無駄なことは絶対にしたくないタイプだからな。 例えば日曜の朝にそんなことしてみろ。 プリキュアが見れなくなる。 ……まあ、最近はそのために30分も時間を使うのが申し訳なくなってきて、見る機会も少なくなってきているんだけど。 雪乃は日曜だろーとなんだろーと連日出勤である。 どうやら、労働基準法というのは労働者のみに適用されるものであって、使用者にとってはどれだけ働こうが関係のないものらしい。 それが本当にそうなのかは知らないが。 まあ、それはともかくとして。 「……ああ、八幡、おはよう。 早いのね……」 「……ん、ああ、おはよう」 雪乃が起きてきた。 現在時刻午前5時42分。 ちょうど朝ごはんが出来上がったタイミングだ。 「……それで、今日は何時くらいに帰ってこれそうなんだ?」 「えっと……10時くらいかしら」 ……どうやら今日は帰ってこれないようだな。 目線が泳いでるぜ、バレバレだ。 「わかった、じゃ、そうする」 「ええ、何て言うか、その……ありがとう、私のために」 ……最近こいつは、全く毒舌を吐かなくなった。 高校時代には、あんなに、息をするように吐いていた毒舌を。 原因はやはり、仕事だろう。 おかげで、日々の会話が味気ない。 感謝の言葉しか並べられていない会話なんか、はっきり言ってうんざりするだけだ。 それでも俺は、 「いや……まあ、仕事、頑張れよ」 こんな答えしか返してやることができない。 気のきいた言葉なんて、返してやることができないのだ。 今日は結婚記念日だというのに…… 青春時代、それこそ10年前には、女って、何でそんなに記念日を気にするんだろうな、と思っていたものだが、今となると、その気持ちがよーく理解できる。 要は、口実だ。 大切な人と一緒にいるための口実。 本来女性が立っている方が多いポジションに立ってみて、それが理解できた。 ……俺が女性的になった訳じゃないよ?うっふんとか言わないよ? 「八幡、シャワーを浴びてくるわ」 「わかった」 雑談ばっかりでストーリーが全然進んでいない間も、どうやら雪乃は、しっかりと出勤の準備を進めていたようだった。 それから一時間後。 シャワーを終えた雪乃は、用意されていた朝ごはんを食べ、化粧を済ませて、今正に出勤しようとしていた。 俺は玄関先に見送りに行く。 「……できるだけ、早く帰ってくるから」 そう言って浮かべる笑顔でさえ、俺たちがあれほど嫌った嘘や欺瞞で繕われているように感じる。 今の雪乃は。 もはやあの頃の雪乃ではない。 「わかった」 しかしそれは、俺にも言えることなのかもしれなかった。 本当は分かってなどいないのに。 仕事になんかいって欲しくないのに。 つい、「いつもの流れで」言ってしまう。 それが惰性であると知っていても。 「……いってきます」 「いってらっしゃい」 ……違う、そうじゃない。 俺は何も変わってなんかいない。 相も変わらず、俺はそれ以外の選択肢を持てないでいるのだ。 10年前のように。 第二章 しかし材木座義輝は暴走する。 その日の午後、俺の携帯にとある人物からの着信があった。 材木座義輝。 10年前、よく奉仕部に依頼をしてきた、常連のうちの1人だ。 今は確か…… 出版社を起こしたんだっけ? とりあえず電話に出る。 「もしもし」 「ふはははは!我だ!八幡!」 プツッ。 ……プルルル。 「もしもし」 「あ、もしもし八幡?我」 「おう、材木座か」 「あー、今時間大丈夫?」 「ん、良いぞ」 ……一回電話を切ってから出る。 これ材木座と話すときの常識。 一回目で出ちゃうと、終始あのテンションだから疲れる。 「それで、何の用だ?」 「えっと、仕事だ」 「またか……」 「なっ!ちゃんと報酬は払っておるではないか!無礼な!」 「はいはい……」 材木座は、月1のペースで俺に仕事を依頼してくる。 なんてことはない、ただのモニタリングだ。 材木座のところで発刊した本を読んで、どんな年代の、またどんな性別の人に売れそうかを教える。 ……それだけで、何と不労所得が月20000円! Youtuberもビックリだ。 まあ、あいつがそれで助かるってんなら、断る理由もない。 現に、本屋で「あ、これ読んだやつだ」という本を見つけたこともある。 売れたかどうかは知らん。 「……で、今回のは何だ?」 「実はな、今回の原稿は、何と我が直々に書き上げたのだ!」 「……ほう」 こいつ、実はあの2年間で並々ならぬ文章力を身につけ、大学のサークルで見事電撃大賞を受賞、一時期プロのラノベ作家でもあったのだ。 そんなあいつが新作を出すとは。 高校時代とは違ってワクワクするぜ。 「原稿は既に送ってある。 では八幡!また会おう!」 「ああ、材木座、待て」 「何だ?八幡、我が友よ」 ……そういえば、こいつも一応、社長、なんだよな。 「……聞きたいことがある」 「わかった、手を貸そう」 ただし、 と、材木座は付け加えた。 「我はまだ昼食を取っておらん。 場所はこちらが指定する。 よいな?」 「ああ、構わない」 「であればよし!今から向かうぞ、八幡よ!」 ピッ。 「わははは!おい秘書よ!我はちょっくらサイゼリヤに行ってくるぞ!」 ……あ、あいつ、間違って通話ボタン押しやがったな…… どうやら材木座の携帯はハンズフリー状態のまま放置されているらしく、周囲の喧騒がけたたましく聞こえてくる。 相変わらずうるさい職場だ。 ま、社長があれだからな…… そうして、俺が電話を切ろうとした時だった。 「もしもし、勝手にお電話変わりました。 秘書の戸塚と申します。 ……えへへ、八幡、久しぶりだね」 お、戸塚だ! やった! 「おう。 大丈夫か、職場に毒されてないか?戸塚」 「あはは、とっても楽しいよ!あ、そうだ!そういえば、今度結衣が遊びに行きたいって言ってたから、来週あたり、またお邪魔させてもらうねー!」 「わかった、待ってるぜ!」 「……と、そうだ、もうひとつ。 ねえ八幡、材木座くん、八幡と話せると、すっごく喜ぶんだよ!だからさ、えっと、お仕事じゃないときにも、良かったらお話してあげてね!」 「戸塚の頼みだからな、わかった」 「ふふ、八幡らしいや。 じゃあ、集合場所はサイゼリヤっぽいから、遅れないようにねー!」 そう言って、戸塚は電話を切った。 来週戸塚が家にくる…… やった! これはパーティーだな! 久しぶりに由比ヶ浜とも話ができるから、雪乃も喜ぶだろう。 雪乃が居ればだけど…… …… ダメだ。 早く材木座の所に行こう。 俺は、急いでサイゼリヤに向かった。 第三章 そして比企谷八幡は思い出す。 急いで準備を整え、二十分後。 サイゼに着いたはいいものの、結構混んでんな…… 辺りを見渡して、とりあえず体格のいいやつを探す。 すると、 「 おーい、八幡!」 そこにはこちらに向かって手を振る天使の姿が! あとついでに材木座! 材木座、ナイス目印だ! 流石の体格だぜ! ひとまず、二人と合流することに成功した。 が、材木座は、 「おっと、漆黒の堕天使が我を呼んでいる!とうっ!」 ……などと言い、まあ、食事の場なので後は伏せる。 気持ち悪いから黙って行けよ…… しかし、材木座が居なくなったことによって、言っちゃ悪いが、最高の状況が生まれたのだ。 俺は今、戸塚と二人っきりである。 目の前に戸塚。 俺の目の前に戸塚。 いやあ、随分と久しぶりだなぁ…… 年甲斐もなく、ついはしゃいでしまいそうである。 ……しかし、今はお互い家族持ち。 それに加え、戸塚の方は一家の大黒柱。 見た目はそんなに変わらないけど、やはりどこか、父親としての威厳が感じられるのだった。 「えへへ……やっほー、八幡」 しかし。 やはり戸塚はとつかわいい。 「ねぇ、八幡はご飯食べた?」 「あ……食べたけど」 「そっかー、八幡主夫だもんね!」 ……今のはポジティブに捉えて良いのだろうか。 「うちの主婦も、もうちょっと頑張ってくれたらなぁ……」 そう言って、冷たい視線を斜め下に向ける戸塚。 どうやら、由比ヶ浜の料理の腕は相変わらずらしい。 ……というか、今、何か見てはいけない物を見てしまったような気がする。 戸塚は、すっかり世の働くお父さんだった…… 「はっちまーん!待たせたな!懐かしの剣豪将軍再臨!」 ……おっと、どうやら材木座が帰ってきちまったらしい。 「むむっ、何だ八幡!その冷たい視線は!もしや新たなる闇の力、アイズ・オブ・アイスか?」 「あー、また始まっちゃったね……」 「おい材木座、戸塚が引いてんだろ、やめろ」 「いいよ、慣れてるから」 材木座、お前いつの間に戸塚とそんな中に…… あれか、単純接触効果か!? ……とか何とか言って、俺達はしばらくの間、久しぶりの再会を祝うようにはしゃいでいたのだった。 しかし、やはりその時は訪れた。 「……ところで八幡、話って何?」 「そうだそうだ、我も気になってたところだ」 「ああ……そうだったな」 とは言っても、本当に忘れていた訳ではない。 むしろ、今までオーバーにはしゃいで、無理やり頭の片隅に追いやっていたようなものだ。 いざ話し始めるとなると、怖くてしょうがない。 しかし同時に、そんな悠長なことを言っていられないのも、また現実だった。 「何でも聞くよ、八幡」 「ああ、遠慮なく話せ」 「……ありがとう」 正直話しづらかったが、俺は、最近雪乃が働きづめで全然休めていないこと、それも、体力、精神力共にもう限界に近いであろうこと、そのせいで、夫婦仲があまり芳しくないことなどを、彼らに打ち明けた。 そして、 「なあ、材木座。 お前も一応、雪乃と同じ社長だろ?今の話を聞いて、何か俺にできることがないか、考えつかなかったか?」 ……だから何だ、と言われそうな質問だが、俺は藁にもすがる思いで材木座に問う。 しかし、ついにその答えが帰ってくることはなかった。 その代わり、 「……ねぇ材木座くん」 「……うむ」 二人は、俺の話が終わるや否や、何かこそこそと話をし始めた。 「な、何かあったのか?」 「いや、ちょっと……ね」 「うむ……」 「何だよ、その曖昧な返事は」 「だって……ねぇ、材木座くん」 「うむ……八幡よ、これは本当に言いづらいことなのではあるが……」 「「変わったね な 、八幡」」 「……っ!!」 がばっと、俺の心が抉られる。 それはつまり、この一連の原因は俺にある、ということなのだろうか。 やはり、俺が悪いのだろうか。 ……いや、そんなこと、分かりきっていたことだ。 俺が悪い。 それはわかっていた。 雪乃はあんなに頑張っているのだから。 ……対して俺は、何もしていないのだから。 「……八幡」 帰り道、不意に戸塚が口を開いた。 「八幡てさ、雪乃さんのどこを好きになったの?」 「……」 「悩むよね。 多分、僕が想像している以上に、八幡は雪乃さんの良いところをいっぱい知ってて、それで、雪乃さんを好きになったんだと思うから」 「……」 「それはわかる……僕も同じ」 「……ああ」 「僕はね、八幡。 葉山くんよりも、八幡よりも」 「……そうか」 「これは別に、そりゃあ結婚したからつまりそういうことだろう、っていう話じゃないんだ。 だから、もし、これで結衣が他の男の人と結婚していても、いやらしい話、それでも僕は結衣と結婚できると思うよ。 それでも結衣は、きっと僕を選んでくれるって、そう確信できる」 「……っ!」 「逆も同じだ。 もし僕が結婚していても、どこかで結衣と知り合うことがあったならば、僕はなりふり構わず、結衣に結婚を申し込むだろう。 そして一緒に子供を作って、幸せな家庭を築いていくんだ……今のように」 そう言って戸塚は、今までに見たこともないような満足げな顔をして…… そしてまた口を閉じた。 「……俺には」 俺には果たして、そんなことが言えるのだろうか。 相手の幸せを奪ってでも、 自分の幸せを投げ棄ててでも、 それでも一緒になりたい、だなんて…… ………………。 10年前、俺は、彼女にしっかりと伝えたはずだ。 自分の言葉で、ハッキリと伝えたはずだ。 ただそれを、今まで10年間、うっかり忘れていただけ。 ああ、そうだ。 そういうことだったのか…… ……瞬間、視界がパッと開けた感覚があった。 横を見ると、戸塚が微笑んでいた。 「……僕の言いたいことは、分かってくれたかな?八幡」 「……ああ、ありがとう、戸塚」 これでようやく、思い出すことができた。 10年前の覚悟を。 俺と彼女の、最初で最大の約束を。 ……そういえば、今日は結婚記念日だ。 あの約束を果たすのには、丁度タイミングがいい。 帰ったら、雪乃と二人で話し合おう。 そう思って、俺は戸塚に礼をいい、今度こそ帰路に着いたのだった。 ……しかし。 その日、やはりいくら待っても雪乃が帰ってくることはなかった。 第四章 しかし雪ノ下雪乃は煩悶する。 ……ふぅ、やっと片がついたわ。 時刻は……午前1時。 ああ、今年もダメだった…… ごめんなさい八幡、あなたも今日が何の日だったか、知らない訳ではないでしょうに…… 今日は……昨日は、私達の結婚記念日。 まあ、世の中には、結婚記念日なんてどうでもいい、なんて言う人達もいるのだけれど、私達にとってこの日は、ある特別な意味合いを持っている日でもある……それを八幡が覚えているのかは分からないけれど、毎年、期待してしまうものがあるのも事実。 つまり、私達にとってこの日は、一年の中で、互いの誕生日に続く3番目の記念日。 そんな大切な日を私は、こうして会社にいながら終えてしまった。 今年で3回目、いい加減八幡も怒っているわよね…… 「……はぁ」 独りでに出てくるため息も、もう何百回聞いたのだろう。 ため息をすると幸せが逃げて行くって言うけど、もしかしたらそれは、あながち迷信ではないのかも知れない…… 「社長、お疲れさまです」 「ええ、お疲れ様。 今日はもう遅いから、上がっていいわよ」 「え……あ……分かりました、失礼します」 「八幡……ごめんなさい」 私は、いつからか人の仕事まで背負いたがるようになっていた。 理由は分かっている。 ただの口実作り。 家に帰らないための、詭弁でしかない言い訳を求めているのだ。 八幡のため、と、自分にそう言い聞かせながら。 多分、今更私が家に帰ったところで、きっと八幡は、私の体を気遣ってすぐに寝るよう勧めてくるだろう。 自分の感情に、必死にブレーキを掛けながら、またムスッとした、しかし優しいあの顔で、不満など一切漏らさずに、私を迎えてくれることだろう。 私は、それを見るのが何より辛い。 ……彼はずっと隠し通せていると思っているのでしょうけど、実は、私はとっくに気づいている。 彼が、私達の間に子供を望んでいることを。 私だって、子供は欲しいと思っているわ。 あの人の子供を産んで、1日でも早く、今よりもさらに幸せな家庭を作りたい…… でも、未だにそれができないでいる。 私の仕事のせいで。 彼は優しいから、いつも私のことを優先してくれる。 朝も、いつも早い時間からご飯を作ってくれているし、帰ってきても、家の中はいつもキレイに整頓されていて、私がすぐに休めるようにベッドの用意までしておいてくれる。 私も、ついその優しさに甘えて、自分の体調の方をとってしまう…… 私のせいで、彼がどれだけ辛い思いをしているか。 私の弱さのせいで、彼がどれだけ心の中で泣いているか。 分からない訳ではないのだけれど、自分ではどうすることもできない。 だから、逃げる。 八幡の優しさを利用して、彼とのコミュニケーションを避ける。 避けつつも、心の中では彼の言葉を待っていたりする。 「……八幡、許して」 今のところそれが、私が言える精一杯の言葉だった。 携帯が鳴った。 ……葉山くん? 一体何の用かしら…… いや、違ったわ。 そういえば、私が彼に連絡を取ったのだった…… ああ、本当ダメね、私。 「もしもし、葉山くん?」 「ああ、雪乃ちゃんかい?」 「ええ、そうよ。 わざわざ連絡してくれてありがとう」 「何だ、覚えていたのか……正直、ちょっと不安だったよ」 そう言って、葉山くんは軽い笑みをこぼした。 彼にまで見抜かれるなんて…… 「まあ、こっちもちょうど今、決心が固まったところだからね。 タイミング的にはバッチリだ」 「今……?」 「まあ、詳しい話はうちでするんだろう?僕はもう少しで着くところだから、そろそろ雪乃ちゃんにも向かって欲しいかなーって」 「わかった、すぐ行くわ」 「待ってる」 ピッ。 …… 本当に、最低な女。 結局、自分のことしか考えてないんだから。 時間通り、私は葉山くんの家に着いていた。 「いらっしゃい、雪乃ちゃん」 「おじゃまします」 リビングに通され、葉山くんは何か飲み物を、と言いキッチンへ、私はそのままソファーに座る。 数分後、葉山くんはワインとグラスを持って戻ってきた。 「あの、私は、アルコールは……」 「ああ、そうなのか。 じゃあ、すまないが僕だけいただくことにするよ……素面じゃ、やっぱり厳しいところがある」 「……構わないわ」 葉山くんは、そう言ってワインをグラスに注ぎ、少しだけ口に含んだ。 「……じゃあ、最後に聞くけど、今からのことを聞いて、決して、雪乃ちゃんは罪悪感を抱かないでくれ。 悪いのは僕だ」 「分かったわ……」 「それと……あとはいいか。 じゃあ、短いが、語らせて貰うとしようか。 大学2年生で、当時の僕は、何も知らないまま家庭をもつことになった。 相手はどこだかのご令嬢。 お見合い結婚。 ほぼ政略結婚みたいなものだった。 それでも僕たちは、最初のころは、とても幸せだったんだ。 子供も作ったし、円満だった。 でも、それを壊したのは僕だ。 僕が彼女を信じきれなかったせいだ。 ……ある日のことだ。 僕はその日、接待でとあるホテルのレストランに行ったんだ。 結構名の知れたところでね、それなりに客もいた。 接待は順調、このままいけば、あと数分で終わりそうな、そんな時。 その客の中に、男を連れた彼女を見つけてしまった。 向こうも僕を見つけたようだった。 動揺した。 見間違いだ、と何度も自分に言い聞かせた。 詭弁でも何でもいいから、とにかく言い訳がほしかった。 とりあえず、そのときは仕事に集中することで何とか乗り切れた。 問題はそのあとだった。 家に帰ると、彼女はやはり気まずそうな顔で僕を迎えてくれた。 どうしたんだ、とか、何で、とか、僕は彼女にそんな質問すら、弁解の余地すら与えてやらなかった。 もしかしたら、僕の誤解かもしれなかったのに。 僕は、そこまで考えてやることすらできなかった。 そして、その後も僕らの間で話し合いは行われることなく、財産も親権も全て彼女に押し付けて、 結局、僕らは離婚した。 話が終わるころには、すでにワインは無くなっていた。 顔が赤い。 相当アルコールが回っているのだろう。 「ええ……ありがとう、葉山くん」 「礼には及ばないよ。 言うなら、それは彼に言ってあげてほしい」 「……どうして?」 「今の僕は、彼のお陰で生きる希望を失わずに済んでいるから。 「……で、僕からのことだけど」 「……はい」 「単純に、信じてやってほしい。 彼の人格を、何から何まで信じてやってほしい。 世の中には二種類の人間がいるが、彼はそれに値する方の人間だ。 雪乃ちゃんが素直になりさえすれば、彼はきっと君の期待通りの答えを返してくれるだろう。 いいか、嘘はつくな。 それでも、私にとってそれは大きなヒントだった。 腹を割って話し合う。 今まで逃げてきたことにピリオドを打つ。 無駄なことは一切なし。 それだけで良かった。 話が終わってから、三分くらい経った後、 「……彩加達の方も、上手くいっているかな」 ふと、彼はそう漏らした。 「戸塚さん?」 「ああ……気にしないでくれ。 それよりほら、こんなに遅くなったんだから、電話の一本でも入れておかなきゃ、あの愛妻家はきっと悶絶し出す頃だと思うよ」 「愛妻家……」 確かに、そうだわ。 葉山くんにもだけれど、私が一番助けられているのは、他でもない彼なんだから。 そう思うと、もういてもたってもいられず、私はすぐさま「我が家」に電話をかけることにした。 「葉山くん、ちょっと失礼するわ」 「ああ、構わない」 プルルル。 午前4時、起床。 ……やはり雪乃は帰って来ていない。 仕方ない、朝食は一人で食べるか…… アイツも忙しいんだろうしな。 そうしてベッドから下りたのだが、部屋の隅に寄せてある洗濯物を見て自分が昨日何をしていたのか、また何をしていないのかを思い出す。 「今のうちにまとめておかなきゃな……」 そう言って、ゴミ袋を取りにキッチンへ向かおうとしたのだが、寝不足のためか、立ちくらみをおこしてベッドに倒れこんでしまった。

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比企谷「社長な妻と主夫な俺」

俺ガイル ss 邪魔

よくある修学旅行ネタ。 だから葉山グループの人々が好きな人は注意。 ぶっちゃけ最後のセリフが書きたかっただけ。 追記 海老名さん悪く書き過ぎちゃった。 これを真に受けて嫌いにならないでね。 もう一つの可能性もあって、それは戸部を騙している罪悪感を少しでも軽くするため、ヒキタニくんが勝手に察して勝手に動いた形にしたかったというもの。 読み返してみたら比企谷君を不満の捌け口にするの無理がありましたね。 これだと三浦が、海老名のちょっかいに葉山と戸部が関わってたの知ることになりますし。 修学旅行で自滅しかかってた阿呆が考えた策なんてこんなものと思って大目に見てください。 一発ネタです。 だから続編はありません。 何人かの人が指摘してくれましたが、最後のわからないですよね。 すみませんでした。 あのグループがどうなろうがどうでもいい……」 海老名「そんなことない!私はあのグループが好き」 八幡「嘘だな、それか…そう勘違いしているだけだ」 「もし好きなら、なぜ今回の件で何もしなかった?なぜ他人に丸投げした?」 海老名「………」 八幡「結局…他人に丸投げできるほどの想いしか無いんだ…あんたには……」 学校 八幡(葉山グループの雰囲気は最悪だった……戸部も落ち込んでたが……告白が成功すると思ってたのか?まあこれもしばらくすれば元に戻るだろう……) 数日後 モブ1「またヒキタニがやらかしたよ。 今度は戸部君の告白の邪魔」 モブ2「最低~」 八幡(どういうことなの……) 戸部「だからヒキタニくん消極的だったんだ。 つうかマジヒキタニくんヒデェから。 俺を見習って一人でやったらどうだ?) 三浦「さっきから黙って……なんか言ったらどうだし!」 八幡「まあなんだ……俺が言いたいことはリア充爆発しろってことだ……いやもう既に修学旅行で自爆したようなもんか……」 終わり.

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八幡「罵倒されてその上通報されるとか……」 雪乃「あら、あなたの性癖からすればご褒美じゃない」【俺ガイルss/アニメss】

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比企谷家 めぐり「比企谷君、フライパンどこ?」 戸塚「八幡! こっちが醤油だよね」 小町「おにいちゃん何か顔緩んでるよ?」 八幡(どうしてこうなった?) 八幡(確か今日は・・・) 朝の学校 戸塚「はちまーん」 八幡「どうした戸塚」 八幡(朝から天使に出会うなんて今日は何か幸せが訪れそうだな。 というかもう訪れてる) 戸塚「今日、八幡の家に行って良い?」 八幡「なん・・・だと?」 戸塚「友達の家に行ってみたくて・・・もちろん、八幡が良ければだけど」 八幡「今日は部活が休みだ。 いいぞ」 八幡(友達の家だよね。 ホモダチの家じゃないよね) 戸塚「本当! やったぁ!」 八幡「じゃあ、何なら泊まってくか?」 戸塚「え! 本当!?」 八幡「それこそ、戸塚が良ければだが」 戸塚「八幡のお母さんとか居るの?」 八幡「いや、それが両親で旅行に行くらしくてな」 八幡(ご都合主義ナイス! 小町と戸塚とか俺もうどうかしちゃう自身あるぜ) 八幡(しかし、ヒロインが男と妹とは・・・) 戸塚「それじゃあ、お泊りセット持って行くね!」 八幡「おう。 それじゃあ、俺が家に帰ったら連絡するわ」 戸塚「やったぁ!」 海老名「お泊りデートとか、とつはち展開キマシタワー」ブシュ 三浦「姫菜、マジ擬態しろし」 八幡(流石にお泊りはとつはち展開あるかもしれない・・・理性の化物が獣になっちゃうかも? まぁ無いけど) 八幡「取り敢えず、何もありませんように」 放課後 八幡「」ダッ 「ヒッキー休みだからって速っ!?」 八幡(残念がらこれは帰りたい欲ではなく愛の力だ) いろは「せんぱーい」 八幡「・・・」ダッ いろは「何で逃げるんですか!?」 八幡「お前がその甘だるい声で頼み事をする時は、ろくな事がない」 いろは「色々ありましてねぇ、生徒会の・・・」 八幡「帰る」 いろは「えぇ!?」 いろは「それはあんまりじゃないですか!」 八幡「俺、何よりも大事な用事があってな」 いろは「先輩の用事なんてたかが知れてますよ!」 八幡「お前、マジで失礼だな」 八幡「今日は天使が家に泊まりに来る日なんだ」 いろは「そうですか。 それじゃあ、行きますよ」 八幡「信じてねぇだろ・・・」 八幡(ひと目でも戸塚を見たら信じるだろうがな) いろは「早く帰りたいなら、仕事を終わらせて下さい」 八幡「はぁ・・・やるしか無いのか」 いろは「はい? 」 八幡(何で生徒会の仕事が俺の義務になっちゃったんだよ) いろは「行きますよ!」タッタッタ 八幡「はぁ・・・」テクテク 生徒会室 めぐり「あ、比企谷君」 いろは「ボランティア連れてきました!」 八幡「さっさと仕事をよこせ」 めぐり「何で今日の比企谷くんは積極的なの?」 八幡「天使と会う為です」 いろは「何か良く解らない妄言を吐いているんですよ」 八幡「簡単に言えば、友達が家に来るからです」 いろは「嘘だぁ」 八幡「お前酷すぎるだろ・・・」 めぐり「友達ぐらい居るかもしれないじゃない」 八幡「めぐり先輩、それフォローになってないです」 いろは「これとこれとこれやって下さい」ドサッ 八幡「多すぎるだろ・・・」 いろは「友達に会いたければやって下さい」 八幡「仕方ねぇな・・・」ズババババ めぐり「速い・・・」 八幡「トツカトツカトツカトツカトツカトツカトツカトツカトツカ」 めぐり「ヒィ・・・『とつか』って誰?」 いろは「テニス部の戸塚先輩ですか?」 八幡「お前、天使の名前を軽々しく・・・」 いろは「先輩、目が怖いです」 八幡「戸塚に近づくなよ。 ビッチが感染る」 いろは「私は菌か何かですか!?」 八幡「俺だって比企谷菌って言われたんだ」 八幡「我慢しろ」 一時間後 八幡「終わった・・・」 いろは「絶対三時間はかかると思ってたのに・・・」 八幡「というか、何で俺とめぐり先輩が仕事してんだ」 めぐり「困った時はお互い様だよ」 いろは「ですよねぇ」 八幡「めぐり先輩騙されてますよ」 八幡「取り敢えず帰ります」 八幡 戸塚が俺を呼んでいる! いろは「急に走り去って行った!?」 めぐり「あれ? これって・・・」 八幡 戸塚 ! 待ってろよ! 八幡(そして、俺は家に帰って直ぐ戸塚に連絡) 八幡(戸塚とのお泊りが開始するはずだったが・・・) 玄関 めぐり「比企谷君忘れ物」ガチャ 八幡「めぐり先輩!?」 小町「おにいちゃんこの人誰!」 戸塚「え!? 八幡めぐり先輩と知り合いなの!」 めぐり「比企谷君、はいこれ」 八幡(めぐり先輩が持っていたのは俺のだった。 いつ忘れたんだ俺・・・?) めぐり「いやぁ、私、間違って比企谷くんのバッグから落ちたもの、持っててね」 小町「めぐり・・・あ! めぐりんパワーの使い手!」 八幡(小町が俺の雑説明を覚えてやがる!) めぐり「めぐりんパワー?」 八幡「何でもないです」キリッ 小町「ちょっと上がってお茶でもどうですか?」 めぐり「今日は親が家に居ないし、お邪魔してもいいかな」 八幡「いいですけど」(何このご都合溢れる展開) 戸塚「それじゃあ、めぐり先輩もゲームします?」 めぐり「あ、? 懐かしいなぁ」 八幡「めぐり先輩もやるんですか?」 めぐり「はるさんは強いよー」 八幡(でしょうね) 八幡(しかし、雪ノ下さんもゲームするんだな) 戸塚「じゃあ僕はピットで」 八幡(戸塚はピットより天使だ) 小町「私はで」 八幡(あざと可愛いやつ選ぶな) めぐり「私はファルコで」 八幡「・・・めぐり先輩、雪ノ下さんからなにか教わりました?」 めぐり「うん。 投げ連」 八幡(俺のウルフと、戸塚と小町は、めぐり先輩の餌食になった) 小町「めぐりさん強いですね」 めぐり「そう?」 戸塚「さっきの連続するの教えてください!」 めぐり「いいよー」 八幡(やべぇ、超癒される・・・)ウトウト 八幡「」グー 戸塚「あっ! 八幡寝てる」 めぐり「本当だ」 小町「二人も客人が来てるのに小町的にポイント低いよ」 戸塚「なんだか僕も眠くなってきちゃった・・・」ウトウト めぐり「」スピー 小町「私も昼寝しちゃおっかな・・・」 八幡「あれ・・・? 俺寝てたのか」 八幡(あの三人の癒やしパワー恐るべし。 天国って案外近いもんだったな) めぐり小町戸塚「」スピー 八幡「三人の寝顔が並んでいるだと・・・!」 八幡(今日は何なんだ。 俺は今日幸せ死するのかよ) 小町「むにゃ・・・今何時?」 八幡「えっと・・・七時!?」 小町「急いで料理作らなきゃ!」 戸塚「・・・ん? 寝ちゃってた」 めぐり「」スピー 八幡「起きて下さい」 めぐり「はっ!」 八幡(そうだ。 それで何故かめぐり先輩もウチで夕食を食べることに・・・) 戸塚「八幡! 聞いてる?」 八幡「あぁ、こっちが醤油だ」 めぐり「比企谷君どうしたの?」 小町「おにいちゃん専業主婦なら料理くらいやってよ」 八幡(エプロン姿の戸塚と小町とめぐり先輩からが出ていると思いました) 八幡「・・・こんな家庭で暮らしたい」 小町「え?」 戸塚「!」 めぐり「・・・」カァァ 八幡「あ! えっと、つい本心が口にだな・・・」 めぐり「まぁでも、何かこの四人って話しやすいよね」 戸塚「確かに。 初めて話した気がしないです」 八幡(それは俺以外全員天使に近い存在だからだよというか約一名天使だけど) 小町「つまり、私が戸塚さんと、おにいちゃんはめぐりさんと結婚すればいいってこと?」 戸塚「こ、小町ちゃん・・・」カァァ 小町「じょ、冗談ですよ。 ですけど・・・戸塚さんの事、ちょっと良いなぁって」 八幡「マジかよ。 戸塚が義弟とか大歓迎なんだけど」 戸塚「僕も小町ちゃんの事可愛いって思うよ」テレッ 小町「えぇ!」カァァ 八幡「天使が家の一員になった・・・」 めぐり「比企谷君・・・本当に実行しちゃう? 小町さんが言ってたその・・・それ」 八幡(いつもならその言葉を疑うだろう。 しかし、俺は癒やされすぎてある意味どうかしていた」 八幡「めぐり先輩さえ良ければ」 十年後 めぐり戸塚小町「行ってきまーす」 八幡「おう。 行ってらっしゃい」 八幡娘「ぱぱ、ジュース」 戸塚息子「はちまん。 おれにも」 八幡(俺は三人の専業主婦として、兄弟夫婦の二世帯住宅を支えている) 八幡(子供も居て超幸せ) 八幡(俺が高校を中退して本格的にめぐり先輩の専業主婦になるって行った時、父と母は驚いていた。 俺がかなり本気で努力をしようとしていた事に。 しかし、俺は癒され、勇気をもらったのだ。 間違いなく、俺の本物はこの家にある) 八幡(たまに酒を飲む平塚先生から聞いた話じゃ、雪ノ下は俺が辞めた後、雪ノ下さんに屈服して奴隷になったらしいし、はビッチが悪化したとか聞くけど、その点ではもしかして・・・) 八幡(俺の青春ラは間違っていたのかも、な) 終 元スレ 八幡「・・・ふう。 癒される・・・」.

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