ギブズ ヘルムホルツ の 式。 ギブズエネルギー

ギブズ・ヘルムホルツの式を使った問題。

ギブズ ヘルムホルツ の 式

熱力学の基本式 結論から言うと、ここで覚えるべき熱力学の基本式は4つです。 それぞれの導出は難しくないので、一度やってみると良いと思います。 ここでは、その中でも内部エネルギーの完全微分の式について導出してみます。 dUは完全微分ですので経路に依存せず、可逆条件のもとで得られたこの式を非可逆的に行われたとしても同じ値が求められるようになります。 内部エネルギーの基本式の意味 上のように求められた内部エネルギーの基本式ですが、この式の性質をみていきましょう。 もちろん、他の圧力や温度といった指標で表すことも可能ですが、式のシンプルさからこの二つ S,V が変数であると考えたほうが都合がよいことになります。 一つ目の式は、体積一定のもとエントロピーと内部エネルギーの比が絶対温度になることを意味し、二つ目の式は、一定エントロピーのもと、体積と内部エネルギーの比は、圧力の符号を逆にしたものに等しいということを意味します。 このように熱力学の基本式は、それぞれの状態量の間の関係性を示すものになります。 感覚的に理解できるものもあれば、予測できなかった式が導かれることもありますので、じっくり観察してみましょう。 発展:マクスウェルの関係式 熱力学の基本式の関係は上に述べたように求められることがわかりましたが、ここからさらに発展した形で表現することができます。 結論から言うと、それはマクスウェルの関係式と呼ばれます。 それではその式の導出についてみていきましょう。 このとき、dfが完全微分ならば次の式が成り立ちます。 このマクスウェルの式も、状態量の間の関係を示すものです。 今回は内部エネルギーの式から求めましたが、エンタルピー、ヘルムホルツエネルギー、ギブズエネルギーのそれぞれにおいて同様のことが考えられるので、他に3つのマクスウェルの関係式が求められます。 まとめ 今回の熱力学の基本式とマクスウェルの関係式は次の表のようにまとめられます。

次の

自由エネルギー

ギブズ ヘルムホルツ の 式

.電池反応(1)() 2.()()() 3.()()()() 4.()()()() 5. 電気化学ポテンシャルと熱力学第三法則(ネルンストの熱定理) 電気化学ポテンシャル(electrochemical potential)について、例えば理化学事典第5版(岩波書店 には 単に化学ポテンシャルということもある。 荷電粒子(たとえばイオン)のギブズ自由エネルギーの部分モル量のことで、グッゲンハイム E. Guggenheim が提案 1929年 した熱力学的示強変数。 Fはファラデー定数。 荷電粒子の運動や反応に対する駆動力は電気化学ポテンシャルの勾配できまる。 と記されている。 ここでは、これをもう少し解りやすく説明します。 このことについても説明します。 1.電池反応 ()ギブズの考察 .電化化学ポテンシャル 別稿で説明したように、 化学ポテンシャルは多成分系で物質量の変化が関わる現象ならどのようなものにでも適用できる概念でした。 普通の化学変化であろうと、電気化学的な変化であろうと何にでも利用できます。 ただし、電気化学的な反応ならば、化学ポテンシャルの中に化学種の電荷に関する状況を用いて記述した方がより便利です。 その為に、そういった状況を反映するように書いた化学ポテンシャルのことを電気化学ポテンシャルと言います。 今までは物質量としては質量mで議論しましたが、ここでは モル数nで考えることにします。 その場合の 熱力学第一・第二法則は となります。 これをさらに、電気化学的な部分とそれ以外の部分に分けて考えて と書くことにします。 別稿で説明した ギブズの自由エネルギーの元々の導入経過を思い出せば、その様にしても良いことが解ります。 故に、 z iFdn iは化学種 iの総電気量を表す。 これを用いると上記の熱力学法則は となる。 [補足説明] ここでの電池反応も、すべて平衡状態での考察であることを忘れないでください。 系は外界と熱や仕事(PdVやEdq)をやり取りしますが、それらを準静的・逆方向に変化させることも可能で、それらの変化を逆転させると電池内部の反応はすべて逆方向の変化が実現されるとしている。 単一相の電解質からなる再充電可能な二次電池では、このことが実現可能ですが、多くの一次電池は二相以上の電解質を持ちそれらの間のイオンの移動は、電池反応が進めば進むほど逆転可能ではなくなります。 だからそれらの電池については、それらが準静的に逆転が可能な(わずかのdqの移動しか生じない)極狭い範囲での議論であることを忘れないでください。 だから、後で1モルの電荷が流れたときの発熱量の計算をしますが、実際に1モル流す訳ではありません。 その温度・圧力において極わずか流したときに発する熱量から1モル分を計算するわけです。 そのとき、もちろん電池内部電流によるジュール熱の発生などの不可逆過程も存在しないとしています。 可逆電池であるからこそ、系内の化学種に対して化学ポテンシャルが(T,P)の関数として定義できて、各(T,P)に対して一意のある値を持つことになる。 電池は一連の相が繋がっているものであって、それぞれの相が独自の化学ポテンシャルを持ち、隣り合う二相の間ごとに平衡が成り立っている。 個々の相の境界(金属電極と溶液の境界もあれば、異なった溶液間の境界もある)はある種のイオン(電子)だけを通過させる膜で仕切られていると考えることができる。 ダニエル電池は下図の模式図で表される。 Mは素焼きの陶器製の隔壁でSO 4 2-イオンのみを通過させる。 そうすると異種金属間の接触電位差が入らないようにできる。 ここでは、正極と負極がきわめて大きな抵抗回路で繋がれていて無限にゆっくりと電流が流れている準静的な状況を考える。 あるいは、後で説明するポテンシオメータの様なものを外界として繋いで電池起電力とほぼ同じ外部逆起電力をかけて、少しずつ電流を流すようにする。 それはちょうど、系の圧力とわずか異なる外部仕事浴を準備して準静的・可逆的にPdV仕事のやり取りをするのと同じです。 そのため常に平衡状態が達成されていて、電池内部では電流によるジュール熱の発生はないものとすることができる。 もちろん電池内部の化学変化は起こるので、そのことに伴う反応熱は生じます。 それはちょうど、等温下で相変化が起こると潜熱が系から出入りするのと同じです。 ここは解りにくい所ですが別稿を参照。 他の境界についても同様です。 ここで 電子に対しては e -と言う記号を用いる。 電池反応に伴う相変化(化学反応)が 温度T一定、圧力P一定で行われるとすると、別稿あるいはで述べたように、各相間において次の関係式が成り立つ。 この二式から、電気化学ポテンシャルの平衡関係を表す が得られる。 価数 z=+2であることを用いると、この式は と表される。 同様にして、他の相の組に対して が得られる。 この平衡過程について、化学ポテンシャルを用いて表した付加条件 が成り立たねばならない。 そして、付加的な平衡条件式も考慮すると が得られる。 (ふつう電位差はVを用いるが体積との混同を避けるためにここではEを用いる。 もちろん、そのとき電池は外界と熱や仕事のやり取りをしている。 そのとき、前式左辺の E・2Fは電池が外部に対して行った仕事をあらわしており、右辺が上記の化学反応過程に伴うギブズの自由エネルギーの減少量を表している。 すなわち となる。 [補足説明] 符号の正負には注意が必要です。 しかし、ここでは、これらの量はすべて電池反応の進行にともなう自由エネルギーの 変化分(<0)とすることにする。 そちらの方が式の意味をを理解しやすい。 また外界とやり取りする仕事Edqは、PdVと同じ様に電池に対してされた仕事を 正とし、電池が外界に対してする仕事を 負とすることにする。 つまり、化学ポテンシャルを普通の意味での化学種の変化と電気的な変化の二つに分けたために、見かけ上、普通の意味の化学種に付随していたギブズの自由エネルギーの変化分が電気的な仕事と成って現れたわけです。 もちろん、この場合には、 温度T=一定、圧力P=一定の元での変化、さらに付け加えると 起電力E=一定の元での変化ですから、電池全体としては外部と熱のやり取りや機械的な仕事のやり取りをしています。 電気的な仕事のやり取りが無くて機械的な仕事のやり取りだけだったら系の本来のギブズの自由エネルギーは変化しません。 正味の仕事とは全仕事から、系の体積変化に関する仕事PdVを差し引いたもので、今は電気的仕事Edqになります。 このとき、電池に対してされた仕事を 正とし、電池が外界に対してする仕事を 負としています。 このとき、温度一定条件(電池が外界とやり取りする熱量はこの条件下におけるもの)における温度が変われば平衡状態にある各々の化学ポテンシャルの値も変わります。 そのためEは温度と共に変化します。 これが、電池が行う仕事に関するギブズ流の説明です。 ただし現代風にアレンジしてあります。 彼の熱力学に関する大論文(第三論文)を自身が要約して説明した論文がありますが、その最後でこの当たりを説明しています。 要約論文のため説明が簡略化されており抽象的で難解ですが、しておきます。 .()(2) 2.()()() 3.()()()() 4.()()()() 5. (2)ヘルムホルツの考察 ヘルムホルツはギブズとは独立に下記の様な考え方で今日ヘルムホルツの自由エネルギーといわれる概念に到達します。 その思考法は、エネルギー保存則の発見・確立に関して偉大な貢献をしたヘルムホルツならではのものです。 我々には前節のギブズの議論よりも物理的な意味が明解で解りやすい。 しておきますので参照されながらお読みください。 いま、温度一定のもとで電池内部に電気量dqが流れる化学変化が起こり、その分だけ電池の状態が変化したとする。 そのとき、コンデンサーの負極板から正極板へ電気量dqが移動する事になるのだが、コンデンサーの静電エネルギー量がE・dqだけ増大する事になる。 [補足説明] この当たりは、コンデンサー極板に働く引力による力学的仕事で議論しても同様な結論を導くことができます。 例えばなどを参照。 UをTとqの関数である電池の全内部エネルギーU(T,q)とすると、 熱力学第一・第二法則から となり、絶対温度Tを積分因子として状態量であるエントロピーSを導入できる。 この当たりの議論は別稿のPdVをEdqに置き換えたものと全く同じですから、そこを参照されたし。 ここで、dSの完全微分性から が成り立ち、さらにdSが完全微分であるための必要十分条件から が成り立つ。 故に最初の式は と表される。 体積一定下であることは偏微分添え字に明記されていないが、元々の最初の熱力学法則を表す式に体積変化に伴う仕事の項を含んでいない事から、定積条件も成り立っている場合であると考えなければならない。 .ヘルムホルツの自由エネルギー ここで、ヘルムホルツは によって、内部エネルギーUやエントロピーSと同様にTとqの関数である F(T,q)なる量を導入する。 なぜこの様な量を導入したのかというと、前述の式が と、表されるからです。 つまり、温度一定の元で生じる電気化学的な過程において関数Fはポテンシャルエネルギーの働きをすると考えることができる。 [補足説明] 力学に於いて、力のポテンシャルは以下の様に定義されていた事を思い出されたし。 Fの定義式の両辺を絶対温度Tで偏微分すると などの関係式が得られる。 これらは、今日よく知られた関係式ですが、特に電気化学において重要な役割を果たす。 これらの考察から明らかなように状態量F(T,q)の全微分係数は以下のように表される。 [補足説明] Edqの代わりにPdVを用いた式は、別稿やですでに説明している。 .U、Sの温度依存性 1.(2)1.の最後で求めた dq=0およぴ体積一定の元での定積熱容量 C vを表す式に、前項の結論を用いると となる。 そのため となり、 q=一定(dq=0)の元では、S および U は温度Tの単調増加関数となることが解る。 .現代的な説明 以上の事柄は、別稿のように議論することもできる。 電池反応のように 体積変化に伴う仕事は無視(V=一定)できて電気的な仕事と反応熱のみが系の記述に関係してくる場合には、 熱力学法則を のように書き換えても良い。 ここでEは、電池の両極の電位差で、dqは電池反応に伴って回路を流れた電気量です。 Edqの前にマイナス符号がついているのは、外に対しての仕事だから内部エネルギーがその分だけ減少するからです。 この様に熱力学法則を書き換えてヘルムホルツの自由エネルギーを と定義する。 そして、そこのグラフを下記のように書き換えると となる。 これらは、 温度T=一定、体積V=一定、そして 起電力E=一定のもとで、電池が外部に対して Edqの仕事をしたときには、電池内部(それは様々な相の集合体である)の系全体としてのヘルムホルツの自由エネルギーの変化分に等しいことを表している。 このとき、PdVの議論におけるPが(T,V)の関数であったようにEdqのEも(T,q)の関数です。 つまりEは系の温度が変われば変化します。 (3)ギブズ流とヘルムホルツ流の違い 別稿に於いて、熱力学第一・第二法則の数式表現 を、さらに一般化して の様に表すことができることを説明しました。 これを用いて外界との一般的な仕事のやり取りと系のエネルギー変化を論じる事ができます。 それがヘルムホルツ流のやり方です。 そのとき、系が多成分の相や化学種から成るときには、上記の拡張表現をギブズの化学ポテンシャルの中に含ませて論じた方が便利な場合があります。 3.(1)の電気化学ポテンシャルを用いた議論はそういったやり方です。 ただし、そこでは結局正負の二極間の電位差と外部を流れる電気量による仕事に還元されてしまったので、多成分系に対応したメリットがあまりありませんでしたが、電池の内部構造に立ち入った議論をするときには役に立ちます。 そのように化学ポテンシャルを用いるやり方なら、多成分が関わる相変化や化学反応に対しても関わるエネルギーの種類に応じて化学ポテンシャルを上手に設定すれば、如何様にでも適用する事ができます。 .()() 2.起電力と反応熱(1)()() 3.()()()() 4.()()()() 5. 2.起電力と反応熱の関係 ()ギブズ・ヘルムホルツの関係式 前章の結論はDaniell電池に限らず一般的な電池において成り立つ。 このとき、別稿で述べたように が成り立つ。 このとき、別稿で述べたように が成り立つ。 ここの議論はヘルムホルツの論文に記されている手順(で説明した)そのものです。 それはまた、ヘルムホルツが論文の最初でエントロピーの完全微分性を用いて求めた式と同じです。 [補足説明] ファントホッフは上記と同じ結論をカルノーサイクルを用いて導いている(1884年)。 このあたりはのでご覧ください。 文献3.でも紹介されています。 すなわち が成り立つように見えて、絶対零度では となるように見えた。 これが熱力学第三法則になるのですが、このことに関するネルンストとプランクの考察は3.(1)〜(3)で説明します。 実際、そのことは観測でも確かめられている。 で導いた式に、前述の反応熱の実測値を代入して電池の起電力を計算してみると となる。 これは起電力の実測値1. 0999voltにかなり近い値となる。 1173とかなり小さいために言えることであって、このことが常に成り立つわけではない。 その当たりはヘルムホルツも。 .カロメルHg電池 ダニエル電池起電力の温度変化は起電力の大きさに比較して小さいが、以下で述べる電池ではかなり事情がことなる。 この電池の各実測値は となる。 この場合、起電力の大きさに対して、その温度変化が大きく影響してくる。 確かに実測値に近い負の反応熱が得られるので、この稿で説明している熱力学的な考察の正しさが実証されていると言える。 .Weston標準電池 1.(1)2.で述べた電池起電力測定用の標準電池として広く利用されたのがWeston電池です。 特に電磁気学の実用単位を定めるとき、として長い間用いられた[現在はジョセフソン効果を用いる原器が用いられている]。 電池反応は と表される。 起電力の温度依存性は以下の様に表される。 .()() 2.()()(3) 3.()()()() 4.()()()() 5. (3)基礎方程式の積分 数学的な関係式を使って、2.(1)節の式を変形すると となる。 多くの場合T 4に比例する。 前式を積分することにより直ちに を得る。 この積分で下限を0とすることによって積分定数を正しく選んだことになる。 そのため となり、元々のEの定義が成り立っていることが解る。 反応熱が温度の関数として測定されていれば、 の積分計算により、起電力とその温度依存性が予言できる。 多くの電池に於いて、 [反応熱測定値を用いて上記計算から求めた起電力]と [実際の起電力測定値]が様々な温度に於いて比較された。 そのとき理論的な予言と実測値はきわめて良い一致を示した。 これは熱力学第二および第三法則の正しさをさらに証明したことになる。 FにおけるSommerfeldの説明ですが、今ひとつ解りにくい。 同じことの説明ですが、にNernstの著書(1918年)が紹介されています。 実際の検証実験については。 をご覧ください。 2にもあります。 .()() 2.()()() 3.第三法則(1)()()() 4.()()()() 5. 3.熱力学第三法則(Nernstの熱定理) この定理は、第一・第二法則のように熱力学に新しい状態量を導入するものではないが、状態量S、F、G、・・・等を数値的に初めて決定し、実用的にするものです。 ()Nernstの熱定理の必要性 エントロピー発見・導入の過程を復習(例えは別稿)されれば解るように、エントロピーは元々その 微分dSによって定義されています。 従って Sには本来積分定数S 0の不定性が必ず存在する。 応用上はほとんどいつもエントロピーの差分のみが問題となるので、そのことは別に困ることではない。 またdU=TdS+PdVで定義される内部エネルギーUについても同様で、その積分定数は不定でした。 しかし内部エネルギーもその差分のみが重要で、その絶対的な値が問題になることは無かった。 そのため絶対温度の異なる状態を扱う場合や化学平衡の条件を立てたりする場合のように、特に状態量 Fや Gが関係する問題において、これらの状態量の有用性が幻想に成ってしまう。 このあたりは、別稿ですでに説明したところです。 こうしてエントロピーの絶対値を求めることが切実な問題となってきた。 このあたりの詳細はの最初の部分を参照されたし。 また、やなども参照されたし。 基本的な問題の場合いつもそうであるように、自然は考える限り最も簡単で数学的に最も満足できる答えを与える。 実際、M. 温度が絶対零度に近づくと供にエントロピーは、相の状態や圧力やその他の変数の値にかかわらず一定値S 0に近づく。 S 0は0に等しいと置くことができ、そのことに拠ってエントロピーはどんな物質についても絶対的に標準化できる。 こうしてエントロピーの積分形 で下限をT=0に一致させS 0=0とすれば、熱力学的ポテンシャルFやGの不定さを取り除くことができる。 以下で、Nernst自身が、どのような手順でこの定理を発見したのか概略を説明する。 .()() 2.()()() 3.()(2)()() 4.()()()() 5. (2)ネルンストの発見 ネルンストは、彼の電気化学の研究に他の誰よりも効果的に熱力学第二法則を使った。 彼の考察の出発点はで説明した体積V=一定の過程における電気化学的な反応の反応熱に関する です。 ネルンストはこれらを第一法則と第二法則を結び付ける基本方程式と呼び、すべての結論をこれに帰したのですが、彼は、この関係式に関係する反応熱と電池の起電力を精力的に測定した。 そして彼は大胆にも次のように述べた。 このことはさらに、いわゆる理想濃厚溶液の挙動でも思い出される。 この点は、私にとっていままで長い間注意を引かれる問題であった。 そこで、ここに極限の法則があるのではないかという推測が胸に迫ってくる。 そうであれば で無ければならない。 ネルンストはこの仮説を提出した後、様々な熱力学的関係式を用いて多くの実験的な検証を行った。 [補足説明1] ネルンストの熱定理を実験的に裏付ける例については、文献2.3.4.7.に幾つか挙げられている。 ここではフェルミの「熱力学」からを引用。 このとき、極低温の灰色スズと白色スズの比熱を別々に求めるのは難しくありません。 それは灰色スズと白色スズの間の転移速度は低温では極めて小さくなるからです。 ムーア「物理化学」からの引用[,および]。 両者が一致すれば熱力学第三法則が実験的に検証されたことになる。 このことについては、別稿、同じく、同じくでも説明していますのでご覧ください。 プランクがこの仮説を提出した1910年当時このことを支持する理論はことが知られていただけであり、このプランクの仮説も大きな飛躍であった。 この仮説を裏付ける幾つかの実験的な事実が解ってきたのは20世紀中頃以降のようです[]。 そのような場合も含めた 第三法則の拡張表現については、参考文献7.のをお読みください。 いずれにしても、これらの例外は量子統計力学的に理解されるべきもので、 第三法則は熱力学のみならず量子統計力学にも基礎を置くものです。 この当たりについて、は興味深いので引用しておきます。 また、アブラハム・パイス「神は老獪にして・・・」もご覧下さい。 [補足説明3] このあたりの詳しい事情はと、この論文を翻訳されたをお読みください。 また、を引用しておきますのでPlanckの解説をお読みください。 さらに、文献3.とに歴史的な発見の過程が解りやすく説明されています。 .()() 2.()()() 3.()()(3)() 4.()()()() 5. (3)Nernstの熱定理から導かれること .熱膨張係数 別稿で説明したように、ギブズの自由エネルギーに関すると定圧熱膨張係数の定義から が成り立つ。 .圧力係数 別稿で説明したように、ヘルムホルツの自由エネルギーに関すると定積圧力係数の定義から が成り立つ。 .熱容量(比熱) 別稿およびで説明したように、定積熱容量と定圧熱容量は と表される。 これらを積分することにより が得られる。 別稿およびの理想気体やファン・デル・ワールス気体の例で見たように、これらの積分に於ける積分定数は、ふつう第一式では体積Vだけの関数が、第二式では圧力Pだけの関数が付け加えられていた。 しかし、十分に小さな温度Tの領域においては、これらの積分定数は極限値S 0が漸近的にVにもPにも依らないとするNernstの熱定理に反する。 そのため、Sの積分表示に於ける下限0の積分値S 0は0になるべきであり、体積や圧力に依存した前記の積分定数はすべて0となるべきである。 なぜなら、そうでなければ下限T=0で積分が発散してしまうからです。 Nernstの指導の下にドイツの国立研究所で広範な測定が行われ、熱容量(特にC p)が絶対零度に近づくと0に近づいていくことが確かめられた。 どのような形で熱容量(比熱)が0に近づくのかは場合による。 弾性体ではT 3に比例することがDebyeによって示され、また電子ガスの場合はTに比例する。 これらのことは理論的(量子統計力学による)にも実験的にも確かめられている。 [補足説明] 理想気体の場合C vもC pも常に一定であるとしたが、理想気体のこの仮定は本来正しくないことになる。 この矛盾は理想気体に対して量子力学的な取り扱いをして初めて解決される。 極低温では、フェルミ・ディラック気体あるいはボーズ・アインシュタイン気体の縮退した状態の取り扱いをしなければならない。 .絶対零度には有限な過程によっては決して到達できず、漸近的に近づけるだけである。 これは1926年にDebyeとGiauqeが提唱し、1933年にGiauqueが実験的に初めて成功した方法です。 図中のH=const. のカーブがそれです。 そのとき、真空中ならば圧力P=0であり、系の物体が固体塩の場合には体積は重要ではない。 この状態曲線は原点0から出て、Tが増えるにつれ磁場によって揃えられていた磁気双極子の配向がますます乱されるために曲線は温度とともに上昇することを示している。 図には消磁された塩の状態曲線H=0も示してある。 この場合は磁気的な配向秩序が全くないため、曲線はH=const. のものより上にある。 この原点Oに近づく曲線の婉曲した特徴的な形は、常時性物質が極めて低温で強磁性体と同じような一種の自発磁化(磁気双極子が一方向に配向する)を持つことに由来している。 いま、初期温度T 1のA点に於いて外部から強力な磁場をかけて磁化された状態Bにする。 この状態で断熱的に消磁するすると、S=一定の水平線に沿って物質(塩)の状態は消磁された曲線H=0上の状態Cへ移る。 図から解るようにT 1よりも遙かに低い温度T 2に達する。 しかしT=0に達することはない。 もしもNernstの熱定理が成り立たず、H=0の曲線がT=0で、0ではない極限値S 0(点線で示した位置)を持っていたならば話は別である。 このとき図のようにH=const. の状態の初期温度T 1を適当に選べば一度の操作で温度T=0が得られてしまう。 すなわちH=0状態のS=S 0の点に達することができるのである。 しかし、Nernstの熱定理が正しい限りその様なことは決して起こらない。 温度T 2のC点に於いてさらに磁化を行い状態Dに遷移させて断熱消磁を行う二段消磁の方法でさらに絶対零度に近づくことはできる。 このあたりの詳細は別稿を参照されたし。 この詳細については別稿を参照されたし。 それらの詳細については、別稿を参照されたし。 これは絶対零度の深い意味に基づくものです。 それだからこそ、どのような物理的操作を繰り返しても絶対零度に到達する事はできないのです。 例えば、ある物質が 一定圧力下で0KからTKまで加熱された場合に次のような変化を行うとする。 この物質のP 0=1気圧、T 0=298. 15Kにおける1モル当たりのエントロピーS(T 0,P 0)は以下の式に依って計算される。 例えば塩化水素HCl(298K,1atm)の計算例については。 ここで、 極低温までの1気圧下での定圧比熱の測定値が必要です。 そのとき実測値の多くは15K程度までしかないが、それ以下の温度はされて求められる。 20K〜298. 3p865〜などをご覧下さい。 次に幾つかの融解熱、蒸発熱、転移熱を示す。 5p910〜などをご覧下さい。 なぜなら別稿で説明したように、上記の変化に伴って生じる物質のエントロピー変化は で表せますが、今はdP=0の元での変化だからです。 上記の方法で求められた幾つかの物質の標準エントロピーを次に示す。 このとき、 単体も化合物も、すべての物質について前記の方法で 別々にエントロピーの絶対値が求められている事に注意してください。 純物質・単体のエントロピー値から計算によって化合物のエントロピー値を求めることはできません。 3p866〜などをご覧下さい。 しかし 内部エネルギーUには [原子・分子の運動エネルギー]と供に [原子・分子間力に伴う位置エネルギー]も含まれています。 そのため エネルギーに関してはその絶対値を定める方法はありません。 だから、内部エネルギーUにTSやPVを引いたり加えたりして定義された量である H、Gについても、内部エネルギーの基準の取り方に依存しますから、状態変化に伴う相対的なエネルギー差しか定めることはできません。 15K)、1atm(=1. 他の任意の圧力や温度におけるエネルギー値は、その状態変化に伴い外界とやり取りする熱や仕事の量(比熱や膨張係数などのデータ)から計算できる。 添え字のfは formation(形成されたもの)の意味です。 その具体的な方法は別稿をご覧下さい。 化合物を形成するときに外界と熱量のやり取りをしているのですから、両者が異なるのは当然です。 そしてTに298. 163kJ/K・molと-0. 099kJ/K・molとなる。 それぞれを298. 詳しくは。 このとき、エントロピーはエネルギーとは全く異なる状態量ですから、反応物と生成物の標準状態でのエントロピー値をでそれぞれ別々に測定して 絶対的な値 を求めておく必要があります。 [] 物質の エントロピー値は必ずS>0の正値ですが、 エネルギー値は正になる場合も負になる場合もあります。 幾つかの物質のを引用しておきますので、ご覧ください。 エントロピー値は 状態に付随した絶対的な値 ですが、エネルギー値は 状態変化に伴う相対的な変化量 です。 そうであっても、で述べた Fや Gに現れていた S 0T+定数という絶対温度の一次式の不定性の不都合は解決されています。 この値が負である事は標準状態では、生成物の方が反応物よりも秩序性がある事を示している。 すなわち、水素1分子と酸素1/2分子が水1分子にまとまり、さらにそれが液体に凝縮(水は標準状態で液体)したから、分子の乱雑度が減ったのである。 もちろんこのとき、化学反応に伴って系は外界と熱や仕事のやり取りをしています。 それらの変化が生じていることを含めた上での反応物と生成物を標準状態で比べたときのエントロピー変化です。 この場合は気体の分子数が減少して乱雑度が減少したことに対応している。 この反応は完全に進行する事はなく平衡状態で止まりますが、完全に変化したとしてのエントロピー変化です。 この場合は気体の分子数が増えて乱雑度が増大したことに対応している。 これは上記の反応が完全に遂行されたと仮定してのエントロピー変化ですが、実際に標準状態でこの反応が実際に生じるかどうかはエントロピー値の変化だけからは解らない。 あとで説明するギブズの自由エネルギーの変化の知識が必要です。 .液体・固体のエントロピー値 別稿で説明したように、上記の変化に伴って生じる物質のエントロピー変化は で表せます。 例えば水の場合、V=1. 一方C p=約75J/Kmolである。 そのため 液体や 固体の場合上記積分の第三項は第二項に比べると重要ではない。 一般に固体や液体のC pの圧力による変化はほとんどないので、任意の温度・圧力におけるエントロピー値は、 によって求めることができる。 .気体のエントロピー値 気体の場合、別稿やで説明した式を用いればよい。 これから明らかなように、一般的に温度が高い状態はエントロピーは大きくなる。 またP>P 0の圧縮された状態ではエントロピーが減少します。 また、 これから、V>V 0の膨張した状態ではエントロピーが増大していることが解る。 今は1モルの物質を考えているのでCpは定圧モル比熱、C vは定積モル比熱です。 これらは一般に温度と圧力(体積)の関数で実測値を用いる必要がある。 この当たりはも参照されたし。 これらのグラフのおよその形はを参照されてください。 下表は、幾つかの物質の標準状態(1atm,298. 15K)に於けるモル熱容量C PとC vの値です。 (温度,圧力)が標準状態に近い場合はこれらの値を用いた理想気体近似で計算できる。 理想気体近似が使えない場合には、以下に述べる実在気体の状態方程式や、C p(T)、C v(T)の実測値を用いて積分を実施する。 そのため 被積分関数のデータが存在する経路に沿って積分すればよい。 [] 一般にC p(T,P 0)の温度依存性は小さく、実験式 などで与えられる。 例えば1atmでのC p(T)の温度依存性は となる。 4p871〜などをご覧下さい。 前記の積分にはこれらの値を適用したC p(T,P 0)を利用すればよい。 [] P(T)は1モルの物質が温度Tで示す圧力ですが、ファン・デル・ワールス気体の場合には と表される。。 実在気体の状態方程式は、一般的に の様な級数で表すことができる。 これらの係数は分子間ポテンシャルエネルギーの形に関係する温度だけの関数で、測定によって求めることができる。 さらにB(T)、C(T)とファン・デル・ワールス係数a、bは以下の関係にある。 まず、1atmにおける定圧モル熱容量C p=27. 28+3. これらの値を用いると となる。 15K)、1atm(=1. その具体的な手順は別稿を参照されたし。 例えば、水の場合は直接燃焼させて、反応前と反応後を標準状態に保ったとき系から出入りする熱量を測定して が得られる。 例えばアンモニアでは、窒素と水素から合成されるアンモニアは可逆反応だから反応熱の直接測定は出来ないが、測定可能な水素とアンモニアの燃焼熱から求まる。 アンモニアは空気中で燃えないが、純粋酸素中では黄色い炎を上げて燃えて窒素と水になる。 それらの反応熱は測定できるから以下のように組み合わせればよい。 15p953〜などをご覧下さい。 計算例の数値が引用文献とは微妙に異なりますが、ご容赦下さい。 その具体的な方法は別稿をご覧下さい。 この場合は吸熱反応となる。 これは上記の反応が完全に変化したと仮定してのエンタルピー変化ですが、標準状態でこの反応が実際に生じるかどうかはエントロピー値の変化だけからは解らない。 あとで説明するギブズの自由エネルギーの変化の知識が必要です。 .標準生成ギブズの自由エネルギー ギブズの自由エネルギーもで説明したように、絶対的な値を求めることはできません。 15K)、1atm(=1. そのときTに298. 9kJ/molですから となる。 09kJ/molですから となる。 15p953〜などをご覧下さい。 この両者の違いにはくれぐれも注意されたし。 とを利用すると、直ちに が求まる。 このギブズの自由エネルギーの変化値から計算される平衡定数は、上記の反応が標準状態では圧倒的に左側に寄っていることを示すのですが、その当たりは別稿で説明します。 これは別稿ですでに説明した。 従って上式を積分すれば任意の温度、圧力で物質1molが持つエンタルピー値が求まる。 このとき、H(T,P)は状態量ですから、4.(1)で説明したエントロピーの積分と同様に、積分経路に依存しない。 そのため被積分関数が実験的に求まっている経路に沿って積分を実施すればよい。 この当たりはも参照されたし。 例えば、一般にC p(T,P 0)の温度依存性は小さいので、で説明した定圧下における実験式が利用できます。 それらの変分をH(T 0,P 0)に加えればH(T,P)が求まる。 温度一定の元で圧力を変化させると、物体に対して仕事が成されるのですが、温度を一定に保つために加えた仕事分のエネルギーが熱として系外に流れ出ており、PVの積も変化しないので、熱や仕事のやり取りが生じても、系の内部エネルギーやエンタルピーは変化しないのです。 [] 固体や 液体の場合、温度が一定であれば、圧力が変わっても内部エネルギーUはほとんど変わらない。 .任意の温度・圧力におけるギブズの自由エネルギー 別稿で説明した様に であるから、4.(1)で求められるエントロピーの温度依存性S(T)や、体積の圧力依存性V(P)を用いて積分操作を実行する。 そのとき、4.(1)で述べたような近似操作が可能なら最大限利用する。 まず第二項のエントロピーSに付いての積分であるが、 となる。 定圧条件下(P 0=一定)で次の積分を実施することにより、て 任意の温度Tのギブズの自由エネルギーG(T,P 0)を求めることができる。 上記の値に加えて 定温条件下(T=一定)の積分をすれぱ、 任意の圧力Pにおけるギブズの自由エネルギーG(T,P)を求めることができる。 厳密な数値を求めるのはかなり面倒ですが、ごく大まかな変化の様子を知るだけならば、で説明したような計算を実行すればよい。 もし、任意温度・圧力に於けるエントロピーとエンタルピーがそれぞれ温度と圧力の関数として解っていれば で求めることもできる。 このようにして良いことは別稿の議論を思い出してください。 この当たりの式の意味が解らなくなったら各相・各化学種について成り立つ 根源的な状態方程式曲面U(S,V)に帰られて、もう一度「」を復習されてください。 任意の圧力下での温度依存性を求めるには体積膨張率や等温圧縮率のデータが必要で計算が面倒になる。 そのためここでは 圧力一定=1atmの条件下での温度依存性のみを論じる。 例として 1atmの下でのアンモニア生成について、これらの温度依存性を求めてみる。 .反応エントロピーの温度依存性 アンモニア生成の化学変化における反応物と生成物の各1molが標準状態(P 0=1atm,T 0=298. 15K)で持つエントロピー値はから読み取れる。 それらの値と、およびで説明した関係式を用いると、(T,P 0)=(TK,1atm)に於ける各物質のエントロピー値は で与えられる。 これらのS(T,P 0)は、すべて 定圧条件下で 温度Tとともに増加します。 これらの値から、P 0=1atm,TKにおいてアンモニア1molが生成するときの化学反応のエントロピー変化は となる。 これは一般的に と表される。 前記の結論において、T=T 0=298. 温度変化の様子をグラフ表示すると以下のようになる。 .反応エンタルピーの温度依存性 アンモニア生成の化学変化に於いて反応物、生成物の標準状態(P 0=1atm,T 0=298. 15K)に於けるエンタルピーはで与えられている。 それらの値とおよびで説明した関係式を用いると、P 0=1atm,TKに於ける各物質のエンタルピー値は となる。 これらのH(T,P 0)は、すべて 定圧条件下で 温度とともに増加します。 これらの値から、P 0=1atm,TKに於けるアンモニアの生成熱は となる。 このとき、最後の式にT=T 0=298. これは一般的に と表される。 前記の結論において、T=T 0=298. 温度変化の様子をグラフ表示すると以下のようになる。 .反応ギブズの自由エネルギーの温度依存性 1atmの下でのアンモニア生成におけるギブズの自由エネルギー変化の温度依存性は、で注意したように によって計算できる。 このとき、最後の式にT=T 0=298. 温度変化の様子をグラフ表示すると以下のようになる。 ただし、そのときの値が零になるわけではありません。 で説明したように、もともとエネルギー値についてはその絶対的な値を決める基準はありません。 アンモニアの合成反応について、もっと詳しい説明を別稿でしておりますのでご覧下さい。 そこで、アンモニアの反応率の温度と圧力依存性も論じています。 .()() 2.()()() 3.()()()() 4.()()()() 5.文献 5.参考文献 この稿は、以下の文献に依存しています。 これは中身の濃い難しい教科書ですが、ゾンマーフェルトの説明の仕方や言い回しの端々に、熱力学や統計力学が作り上げられていった時代の状況・雰囲気を伺うことができます。 amsd. mech. tohoku. pdf• この中で、Nernstの熱定理(熱力学第三法則)の発見の歴史的な過程が、多くの文献を参考にして解説されています。 Sci. , Ser. 3, 16, p441〜458, 1878年に発表したものの日本語訳です。 要約であるために簡略化されており、理解するのはかなり難しい。 そのしておきます。 元の第三論文と要約論文、およびギブズの論文集はネットから無料ダウンロードできます。 注意深く読まれれば、単なる伝記ではなくて、かなり本質的に書かれていることが解ります。 実際、絶対零度でエネルギーはゼロに成るわけではありません。

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ギブズ

ギブズ ヘルムホルツ の 式

熱力学の基本式 結論から言うと、ここで覚えるべき熱力学の基本式は4つです。 それぞれの導出は難しくないので、一度やってみると良いと思います。 ここでは、その中でも内部エネルギーの完全微分の式について導出してみます。 dUは完全微分ですので経路に依存せず、可逆条件のもとで得られたこの式を非可逆的に行われたとしても同じ値が求められるようになります。 内部エネルギーの基本式の意味 上のように求められた内部エネルギーの基本式ですが、この式の性質をみていきましょう。 もちろん、他の圧力や温度といった指標で表すことも可能ですが、式のシンプルさからこの二つ S,V が変数であると考えたほうが都合がよいことになります。 一つ目の式は、体積一定のもとエントロピーと内部エネルギーの比が絶対温度になることを意味し、二つ目の式は、一定エントロピーのもと、体積と内部エネルギーの比は、圧力の符号を逆にしたものに等しいということを意味します。 このように熱力学の基本式は、それぞれの状態量の間の関係性を示すものになります。 感覚的に理解できるものもあれば、予測できなかった式が導かれることもありますので、じっくり観察してみましょう。 発展:マクスウェルの関係式 熱力学の基本式の関係は上に述べたように求められることがわかりましたが、ここからさらに発展した形で表現することができます。 結論から言うと、それはマクスウェルの関係式と呼ばれます。 それではその式の導出についてみていきましょう。 このとき、dfが完全微分ならば次の式が成り立ちます。 このマクスウェルの式も、状態量の間の関係を示すものです。 今回は内部エネルギーの式から求めましたが、エンタルピー、ヘルムホルツエネルギー、ギブズエネルギーのそれぞれにおいて同様のことが考えられるので、他に3つのマクスウェルの関係式が求められます。 まとめ 今回の熱力学の基本式とマクスウェルの関係式は次の表のようにまとめられます。

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