ワイテルズ pixiv。 #ワイテルズ 二人ぼっちの朝ごはん

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ついに手を出してしまった…(顔を手で覆いながら) 勢いのまま書いたため拙い文章ではありますが、あたたかい目で見守っていただければ幸いです。 <注意!> この小説は、とある実況者様方の名前をお借りした二次創作小説です。 本人様方とは全く関係が無い作者の勝手な妄想の産物です。 某夜を廻るホラーゲームのシリーズ2作のパロディです。 ゲームの設定をお借りしているので、苦手な方は注意を。 作者は未プレイなため、原作とは異なる点もあると思われます。 また、死ネタ、欠損表現、その他捏造過多。 閲覧は自己責任でお願いします。 誹謗中傷等はご遠慮お願い申し上げます。 何か問題がありましたら、コメントでそっと教えてください。 非公開にさげます。 「何でも来いやあ!」と言う方は、どうぞ。 キャプションを必ず読んでから閲覧お願いします。 それでは、どうぞ。 [newpage] 夏の終わりのある日の夕暮れ時、とある町の公園で、二人の少年は出会った。 一人はパンダパーカーを着た少年。 少年は右目に白い眼帯をつけており、左目は青空を閉じ込めたような色をしていた。 もう一人は赤いヘッドセットをつけた少年。 少年は右ひじから下の腕が無く、目は翡翠を思わせる色をしていた。 二人は今日が初対面である。 それなのに何故か二人は惹かれあうかのようにブランコに隣り合って座って話していた。 「へえ、じゃあシャークんは隣町に住んでいるんだ」 「おう。 そういえば、何でナカムはこの公園にいたんだ?」 青空の少年、ナカムに答えながら、シャークんはふと思ったことを尋ねる。 ナカムは笑って、友だちを待っているのだと答えた。 「実はさっきまで友だちと一緒にいたんだけど、途中ではぐれちゃって。 それでケータイで連絡して、今迎えに来るの待ってるの」 「へー、俺は飼っている犬がどっか行っちゃってさ。 かしこいやつだから、すぐに帰って来るとは思うんだけど、捜しに来たんだ」 俺は捜して、お前は捜されているんだな、とシャークんは笑う。 ほんとだ、とナカムも笑った。 ふと、二人はお互いの顔を見つめあって、もしかして、と口を開いた。 「シャークんも、みえるの?」 「やっぱり、ナカムもか?」 二人はお互いの目をじっと見つめて、そんな予感はしてた、なんて、また笑いだす。 夕日に染まる公園の中、他に誰もいないこの場所には二人の笑い声だけが静かに響いていた。 それから、二人はまた話し始めた。 今度は当り障りのない話でもなんでもなく、二人にしか分からない、嘘のようで本当にあった、恐ろしい夜の話を。 [newpage] 俺にはね、さっき言ってた友だち…きんときって言うんだけど、そいつの他に、もう一人友だちがいたんだ。 名前はスマイル。 こいつが本当に変なやつでさ、暗いし、いつもやる気無いし、たまに何言っているのか分からないし。 でも、本当に良いやつだったよ。 うん、良いやつだった。 …死んだんだよ、事故で。 俺とスマイルで、あいつの飼っていた犬の散歩をしていた時に。 俺の町の、トンネル近くの道路でさ、犬のリードを俺がうっかり離しちゃって。 犬が走り出したのを、スマイルが追いかけて、それで。 猛スピードで突っ込んできた車に、轢かれたんだ。 俺の目の前で、あいつと犬は車に思いきりぶつかって、それで道路横の崖の下に落ちていった。 車はそのまま通り過ぎて行って、呆然として立つこともできなくなった俺と、血の跡だけがそこに取り残された。 …結局、その後もスマイルと犬の死体は見つからなくて、警察も捜すのを諦めた。 俺ときんときは、夜中にこっそり家を出て、死体を捜しに行ったんだ。 二人で、スマイルたちのことをちゃんと見つけようって。 そうやって二人で捜しに出たその夜に、今度はきんときが居なくなった。 俺は、きんときも捜すために、その日から毎日夜の町を歩き回ったんだ。 何度も何度も怖い目に遭った。 道を歩けばオバケたちが襲い掛かってきて、死にかけて。 それでもなんとか逃げ切った。 怖かったけど、彼らを見ているといつも悲しくなった。 ああ、よまわりさんっていうオバケに攫われて、廃工場に行ったこともあったなあ。 あれ、シャークんもあるの?同じだね、俺たち。 そういえば商店街の神社にいた百足様はまだ元気にしているかなあ。 え、シャークん百足様も知ってるの?じゃあさ、今度一緒に行ってみようよ…あ、ごめんごめん。 話がそれたね。 それでね、途中でやっとスマイルの飼い犬の幽霊を見つけたんだ。 犬は俺にこっちだよって言っているみたいに走り出して、俺もその後を追いかけた。 途中で何度か見失いそうになったけど…走って、走って。 なんとか辿り着いた所は、あの道路横の崖の下だったんだ。 そこには、犬と…体の透けたスマイルがいた。 スマイルも幽霊になっていて、駆け寄ってきた犬の頭を撫でてたんだ。 生きている時と、同じように。 もう死んでしまっているなんて、思えなくて、考えたくなくて。 泣きそうになった。 俺が声を掛けたら、スマイルは笑ったんだ。 見つけてくれてありがとうって。 俺の体は持っていかれてしまったけど、せめてこいつの死体は埋めてやってくれって。 きんときのことを頼んだって。 そう言って、スマイルと犬は消えた。 そこには犬の死体と、スマイルの付けていたブローチしか残っていなかった。 見つけてあげることなんか、できていないのに。 どうしてお礼なんか言うんだよ、どうして死んじゃったのって、心がぐちゃぐちゃになった。 俺は泣きながら犬のお墓を作って、花を二輪そこに置いた。 しばらくの間、ブローチを握りしめながら泣いて、泣いて。 すっかり泣きはらした後、トンネルに向かった。 そこに、きんときが居るような気がして。 真っ暗なトンネルの先の、山の神社にいる神様に、きんときは攫われていた。 その神様は、死体みたいな青白い人間の集合体が、顔をつくっているみたいな見た目だった。 今まで見たどんなオバケたちよりあまりにもおぞましくて、邪悪で、ああ全部こいつのせいだって思った。 きんときだけじゃない、スマイルのこともこいつが連れ去ったんだって。 そしたら憎くて憎くてたまらなくなって、もうこんな目に遭う人を増やしたら駄目だって、だから俺はそいつを封印した。 その代わりに右目が潰されてしまったけど、きんときをちゃんと生きて連れて帰ることができた。 俺がきんときを途中まで担いで歩いていたんだけど、きんときが目を覚ましてから気が抜けて、その後は逆に担がれちゃったんだけどね。 そのままいつの間にか寝ちゃってて、目が覚めたら病院で、すぐそばにはきんときが居て。 泣きながらすっごい怒られて、抱きしめられて。 ああ、生きててよかったって、安心して。 二人でわんわん泣いてたら、看護師さんに怒られちゃった。 はい、これで俺の話はおしまい。 次はシャークんの番ね。 [newpage] 俺の話?話って言っても、大体ナカムと似たようなもんだぞ。 あー…と、まず、俺にも二人友だちがいたんだ。 名前はぶるーくときりやん。 ぶるーくはいつも眠そうにしてて天然で、きりやんは世話焼きでよくギャグがすべってたな。 …それで、二人とももう死んだ。 二人とも、俺のせいで。 数か月前、俺は山の神様に連れ去られたんだ。 ナカムの町のとは違うやつだけど…二人は俺を助けようとして、それできりやんは俺の代わりに神様に殺された、らしい。 俺は、その時のことを覚えていなかったんだ。 意識の無かった俺を、ぶるーくは担いで逃げた。 結局、その後きりやんは行方不明っていう扱いになった。 目が覚めてからその話を聞いて、とてもショックを受けたことを覚えてる。 悲しくて、辛くて、寂しくて。 でも、俺よりもぶるーくの方がずっとずっと悲しかったし辛かったし寂しかったんだろうな。 全部知っているあいつの方が、何も知らない俺より、何倍も。 ぶるーくは誰にも言えるはずの無いことを抱えていて、俺はそんなことを知らずにのうのうと暮らしていた。 あいつは、俺のことを恨んでいたかもしれない。 今じゃあもう、分からないけど。 …話がそれたな、わりぃ。 それからしばらくして、夏休みになった。 俺とぶるーくは二人で花火を見に行く約束をしていたんだ。 山の上から一緒に見ようって。 それで約束の日、俺たちは花火を見に山に行った。 花火はすごい綺麗で、二人で話しながらずっと見惚れていた。 もう一人、きりやんが居ないことが少し寂しかったけれど、俺とぶるーくは最後まで花火を見続けた。 そして花火が終わって山道を下りる途中、ぶるーくがいなくなった。 俺が目を離した隙に、あいつは消えていた。 俺は、ぶるーくを捜すために夜の町を歩き始めたんだ。 オバケとか、怖いのが苦手だったから何度もくじけそうになった。 何度も死にそうな思いもしたけど…同時に、彼らも寂しいんだっていうのも分かった。 もう死んでる相手にしてやれることなんて、ほとんど無いとは思うけどな。 あと、途中で変な犬…なんか、心なしかきりやんに似ている犬と出会ったんだ。 そいつが俺の今の飼い犬。 そいつは何度も俺を守ってくれた。 自慢の犬だよ。 あ、そうだ。 お前コトワリさまって知っているか?俺の町にある廃れた神社で祀られている神様なんだけど…今は、人間たちの身勝手なお願いのせいで、すっかり歪んでしまった神様なんだ。 コトワリさまは本来、「もういやだ」って言った人の悪い縁を切ってくれる神様だったんだけど、今じゃあ手足のあるものなら何でも切ろうとして襲い掛かってくるようになったんだ。 俺も実際、何度も襲われたんだけど…助けてくれたこともあった。 その時、俺はぶるーくを捜しにもう一度山に来ていたんだ。 山道をずっと歩いた一番上の場所、そこには、多分ぶるーくが建てたきりやんの墓と、ぶるーくの遺書が置いてあった。 あいつはもうとっくに死んでたんだ。 近くの木に結んであった、ロープで首を吊って。 あいつも山の神様に呼ばれて、精神を追い込まれて自殺した。 きりやんが死んでから、少し不安定になっていたのもあると思う。 あいつの遺書にはきりやんが死んだこと、そして俺についてのことが書かれていた。 それを読んで、俺は目の前が真っ暗になった気分だった。 全部俺のせいだったんだって。 気づけば、俺は箱の上に乗って、ロープに手をかけていた。 でも、遠くから犬の鳴き声が聞こえた。 不思議なことに、その声が俺を必死に引き止めようとしているように聞こえて、俺は山を下りようと道を引き返し始めた。 そしたら、耳元で声が聞こえたんだ。 今度はとても嫌な声だった。 引き返すな、先に進めって。 俺はそれに抵抗して、いやだいやだってもと来た道を歩き続けた。 それでも声は俺に囁き続けてきて、俺はとうとう限界になって「もういやだ」って、声を出したんだ。 瞬間、風を切るような音と一緒に、コトワリさまが来てくれた。 最初は警戒していたけど、いつの間にか声が止んでいるのに気づいて、もしかして助けてくれたのかって思った。 俺は思わずお礼を言った。 そしたらよく分からないけど、コトワリさまは俺に大きな裁ちばさみをくれて、そのまま消えてしまった。 訳が分からなくて、しばらく呆然としていたけど、俺はすぐそばにあった、崩れてしまった大きなお地蔵様に隠れた洞穴を見つけたんだ。 洞穴の中は暗くて不気味で、大きな蜘蛛の巣がいっぱいあった。 俺は貰ったはさみでそれを切りながら、先に進んだ。 そしてその内に、だんだんと記憶を取り戻していったんだ。 数か月前、俺たちはここにいたことを。 その時に、きりやんが死んだことを。 そこは山の神様の根城だった。 洞穴の奥には蜘蛛みたいなおぞましい姿をした神様と、なんだか様子のおかしいぶるーくがいた。 この時、ぶるーくは悪霊になりかけていたんだ。 ひとりで死んだその日から、寂しくて、寂しくて、いっしょにきてほしいって。 そう言っていた。 それから俺はなんとか神様を倒して、ぶるーくと向き合った。 ぶるーくは俺の左腕に糸を何本も巻き付けて、俺を行かせまいとした。 はさみで糸を切ろうとしたけど、また何度も新しく糸は巻き付いてくる。 俺は意を決して、ぶるーくに向かって叫んだんだ。 いっしょにいられなくてごめん、全部全部俺のせいでごめん、もうやめようって。 「もういやだ」って泣きながら叫んだ。 直後、コトワリさまの姿が一瞬見えて、俺は左腕に激痛が走って、そのまま意識を失った。 目が覚めたら、俺は山の麓にいた。 意識が朦朧として、目の前がよく見えなかったけど、きりやんとぶるーくの声が聞こえた気がしたんだ。 きりやんは、だめだよぶるーくって言って、ぶるーくはそれに何度もいやだって言うんだ。 この時、俺は自分が誰かに担がれているんだって気づいた。 それでまたきりやんのだめって言う声がして、ぶるーくは今度はうんって言った。 泣きそうな、寂しそうな声だった。 俺は気づけばまた泣きながら謝っていたと思う。 何を言っていたのか自分でも分からないけど、そしたらぶるーくときりやんが、こっちもいっしょにいられなくてごめんって。 …二人は何も悪くないのにな。 そのまま俺はまた意識を失って、目が覚めたら病院。 左腕を失って、それから少しした後にあの犬を飼うことにした。 見ていると、なんだか懐かしい気分になるんだ、うちの犬。 これで俺の話は終わりだ。 思ったよりも大分長くなったなあ。 [newpage] 話が終わった後、二人はすっかり打ち解けていた。 お互いに抱えるものの形は違えど、通ずるものがあって、ナカムとシャークんはそれまで経験した夜に起こった話を続けた。 そのうち辺りはだんだんと日が沈み、あと少しで夜が来る、といった頃。 二人しかいない公園に、影が二つ。 「おーい、ナカム!何してんのこんな所で!」 「あっきんとき!」 「わんっわんっ!」 「えっ?きりワン!?」 青いジャージを着た少年と、金色の毛並みをした小さな犬が、それぞれナカムとシャークんのもとへ駆け寄る。 ナカムは少年、きんときに軽く頭を叩かれて、シャークんは飛びついてきた犬、きりワンを抱きとめた。 「…お互い、お迎えが来たみたいだな」 「だね。 ていうかシャークん、犬の名前…」 「いいんだよこれで!」 シャークんは吠えるようにそう言って、にかっと笑った。 ナカムも同じように笑い返せば、迎えに来た彼らは訳が分からず首を傾げる。 「何?仲良くなったの?」 「うん、新しい友だち!ね、シャークん!」 「おう、今度一緒に神社行こうぜ」 「約束ね!」 二人はゆびきりげんまんをし、そのまま別れを告げる。 正反対の道に進む彼らは、そこにいない誰かを今日も想いながら、明日を迎えるために帰路に着く。 もうすぐ日が沈み切って、夜が来る。 早足で歩く彼らを、どこからか影が見守りながら、静かに姿を消した。 原作とは違い、右目を潰されてしまっている。 スマイルの死体を奪いきんときを攫った山の神様に対して憎悪(クソデカ)を抱き、その勢いのまま封印してしまったパンダ。 今はきんときの他にもシャークんという友人と共にまあまあ平穏に暮らす。 もしかしたらそのうち白い犬を飼い始めるかもしれない。 原作と同じく左腕を失くす。 きりやんとぶるーくを殺した山の神様に対して憤怒(クソデカ)の感情を抱くが、それよりも闇落ちしたぶるーくをなんとかしないと!と思いながらサラッと倒した歴戦王。 今は飼い犬を愛でつつ新しくできた友人たちとまあまあ平穏に暮らす。 もしかしたらまた新しい犬を飼い始めるかもしれない。 スマイルを捜すために夜の町に出るが、その最中で山の神様に連れ去られる。 ナカムの右目の失明にショックを受け、責任感とか罪悪感から以前より若干世話を焼きがちになる。 今はナカムの他にもシャークんという友人と共に平穏に暮らす。 もしかしたら友人が飼うことになった犬を一緒に面倒を見るかもしれない。 トラックにぶつかった後、実はなんとか生きていたが山の神の手下によって連れ去られる。 身体は取り込まれるが、魂のみはなんとか逃げ出すことに成功。 しかしそこでほとんど力尽きて、飼い犬(幽霊)に頼んでナカムを連れてきてもらう。 おかげで未練はあれど悔いなく成仏できた。 俺のことは気にするな、幸せに生きろよ。 もしかしたら生まれ変わったら犬になるかもしれない。 きりやんの死亡後、精神が不安定な時に山の神様に誘われて自殺してしまう。 原作通りに幽霊になったことを忘れていたが、思い出してからは寂しさのあまりに闇堕ちしかける。 正気を取り戻した後は泣きながらシャークんの手を離してお別れをする。 寂しいけど仕方ないよね、幸せに生きてね。 もしかしたら生まれ変わったら犬になるかもしれない。 シャークんを助けるために死んでしまう。 が、魂は取り込まれることなくなんやかんや無事だった。 あー死んじゃったかーとか思ってたら、今度はぶるーくまで死んでしかもシャークんまで殺そうとして山の神様マジ絶許。 二人のことが心配で心配で仕方なかった。 いっしょにいられなくてごめんね、幸せに生きてよ。 もしかしたら生まれ変わって犬になっているかもしれない。 事故に遭った時は即死であり、スマイルが山の神様のもとへ連れ去られる時にスマイルの手によって逃がされた。 動けない霊体スマイルの代わりにナカムを呼んでくれた影の功労者。 ご主人様だーいすきー!名前は特に決まっていない。

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#ワイテルズ 夜が来る前に

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今日もいつもと同じオシゴトの時間だ。 オシゴトはほとんど毎日あるけど、俺らは6人居るから日によって分担している。 例えば、月曜日はきりやん、火曜日はぶるーく、水曜日はきんとき等で分けている。 今日は俺の番なので、少し嫌だけどキレイにするためにはこのオシゴトは必要なんだ。 俺等も楽しいからする事も一つの理由だしね。 少しの間、汚い空を飛んでいると急に白いもふもふの尻尾の先に水色の色がついているキーホルダー的な物が今日のオシゴトの対象であろう人の方角へキーホルダーが指していた。 俺は、ニヤリと頬を上げ対象の相手である今までのワルイコトを見るために対象の相手を指している水色の尻尾のキーホルダーをギュっと握る。 すると、今までのワルイコトをしている記憶が、俺の脳の中に次々に入ってく。 ふ〜ん…。 なる程ね〜。 そのオシゴトの一人目は40に近い旦那様。 どうやら、20人ぐらいを家で殺した連続殺人者で全国で指名手配をされているらしい。 その旦那様は人の血のあたたかさとか、匂いが好きらしく、殺しては血を抜き血の風呂にしてる結構シャークんみたいな、サイコパスみたいな人らしいんだ。 これはオシゴトがいがありそうだ…。 俺は、さっきのよりも頬を上げほうきの速度をあげて向かう。 まぁ、いいけどさ。 オシゴトするから。 旦那様は、殺された人の家族とかの人達の悲しみを知らずに、ゆうぎに難しい本を読んでいた。 俺は、そんな旦那様にバレないようになるべく、視界が入らない後ろから近づいていき 「こんばんは、旦那様。 」 とよそ行きの声でそう話した。 勿論、その旦那様は突然俺が来たので目を小さい丸にしながら驚いていた。 「誰だ、貴様は」 当然のように警戒や殺気を目から出しそんな質問をしてきた。 俺は、その質問を嘲笑い 「魔法使いですよ、だだの。 せっかく合ったんだからだから、俺の魔法で遊びましょうよ。 」 そう言って、腰から水色の杖を出した。 旦那様は乗る気なのか「面白い、やってみろ。 」と人を殺したような冷却と幼児のように、楽しんでいるような目をしながら俺を見てきた。 俺は、ニヤリと悪魔の笑みをし、旦那様を見下すような目を向けて 「俺の魔法で貴方が好きなチノアメを出してあげましょう」 水色の杖を一振りして旦チノアメを屋敷全体にふらせた。 雨って言っても、大雨だから喜んでくれるよね? でも何故か、旦那様はその雨を見た瞬間家の中に入ろうとするが俺が魔法を使い、開けられないようにした。 だって、せっかく旦那様のために好きなチノアメを出したのに旦那様が浴びなくては出した意味がないじゃん?そう思うよね、誰でも 「ふざけるな!?中に入れろ!!!!あ"あ"あ"ぁ"ーー!?」 そう叫んでる間に、旦那様は俺の出したチノアメを体中に浴び俺はヨロコンデいる姿が見れると思ったが、何故か苦しそうにしていて、よく見ると旦那様の体は服と皮膚が溶けていて、一部に骨が丸見えだった。 オカシイナァと思い、チノアメを手に入れてみるとグツグツと燃えていそうな音を出していて赤い光を放っている溶岩だった。 後ろを見ると庭とか家とかも溶岩のせいで溶けたり燃えていた。 「あれ、血じゃなくて溶岩でした…。 でも、その俺を見下すような目とかは消えておらずまだ生気は感じられた。 「ごめんなさいね。 変わりにミズを出しますよ。 」 俺は、そんな旦那様がカワイソウに感じたからマグマを消し、反対のミズの雨を出した。 コレデイイカナ?と思ったけど、さっきよりも苦しそうに声を荒げ、目の周りの皮膚に当たったのか溶けており目のがそのままドロっと出てきて、それを最後に、旦那様の生気は感じられなかった。 残ったのは、わずかに残る正常な皮膚の残りとトロトロになっている皮膚しか無かった。 「まぁ、貴方はそういう運命だったんですよ。 馬鹿ですね。 地獄に行けば血の雨なんて、すぐ出ますから楽しんでくださいね。 旦那様。 」 俺は、悪魔のように笑みをこぼた時尻尾のキーホルダーがまた、次のオシゴトの対象者の元に向かいその場から姿を消した。 しかも、最後のオシゴトのお祖母様は俺にアカイワインかけてきたから白いパーカーがアカク汚れちゃったよ…。 洗濯しなきゃな…。 我が家というアジトに戻り、家に入ると、俺が帰るのを待ってたのか夜中なのにリビングにきんときが、寝巻き姿で俺の好きな温かいココアを作っていた。 「お疲れ様、なかむ。 あれ、アカク白いパーカー汚れてんじゃん。 」 「うん。 ちょっと、お祖母様がねアカイワインをかけてきてね…」 「そっか。 じゃあ風呂とか入ってきたら?寝巻き用意してあげるから。 」 「まじ!?流石、俺のズッ友!」 今日もオシゴトはツカレタ。

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#ワイテルズ 二人ぼっちの朝ごはん

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暗闇の中、金色が瞬く。 星と錯覚してしまいそうなその輝きは、しかし地に落ちていた。 瞬いたと思ったのは月の光の加減だったらしい。 そもそも、それは月と同じで自ら輝くことなどしていない。 だって、そんなものに興味はないのだから。 ならば、何に興味があるのか。 「で、いくら出せるの?」 冷たいとも温かいとも付かない声音。 態度を図りかねているような、割り切っているような。 まあ、彼のことを少しでも知っている人ならば、気を使うような人間ではないことは百も承知だろう。 その少しだけ知っている人間である彼の話し相手は、気を悪くした風でも何でもなく普通に口を開いた。 「百でどうだ。 」 様子を見るでもない決定した、でも何処か余裕を持った表情。 彼は顎に手を当てて、対して考えもせずに言葉を返す。 「五百ですね。 」 じゃんけんのパーを作るように掌を突き出される。 怪しく歪んだ唇は三日月を形作った。 光色の瞳は、霞み濁り混ざって深淵を覗かせる。 それでもなお、驚くほどの無感情さ。 「いいだろう。 」 男が手を振ると、その背後から黒服が現れた。 全身黒に包まれたその人間たちは、銀色のケースを手渡して闇に熔けていった。 怪しい取引をしているようだが、それほど危ないことはしていない。 対価と商品の交換、よくある商売、誰もがしていること。 「スマイル。 」 建物の影、闇に手を伸ばすと何かが触れた感触が合った。 躊躇いもなく掴み取り、光へと引き寄せる。 名前に反してあまり笑わない仲間は暗闇に溶け込むこともなく其処に居る。 それでも、今話している相手が彼に気付くことはないだろう。 あると分かっていなければ気付けない、まるで日常の中の一場面に存在する小さな石のような。 崩れることもなく其処に有り続けるそれは、攻撃的でもないが守護的でもない。 もしかしたら引っ掛かって転んでしまうかもしれない。 だが、その石にとっては何の関係もないことだろう。 「金だ、確認してくれ。 」 見せびらかすように開けられたケースの中身を確認する。 偽札ではない、全額揃えられている。 その程度のことは一目見たら分かるようになっていた。 「ん、確かに。 」 受け取って、仲間から渡されたUSBメモリを差し出す。 此処で金だけ受け取って逃げたりする連中はただの三流だ。 逃げるのなら全力で逃げたほうが良い。 まあ、どうせ捕まるだろうけれど。 一流はしっかりと対価に応じた商品を引き渡す。 大切な金蔓だ。 ここで終わらすにはあまりに勿体無い。 「では、またな。 」 男は雑にメモリを受け取ると背を向けて去っていった。 どんどん小さくなっていくその背に彼、きりやんは手を銃の形にして突き立てる。 「また、ね。 」 ばーん、と呟いた声を聞いた者は隣の暗闇にいる仲間しかいなかった。 「撃ち殺すなよ、使えるんだろ。 」 嘘であることは分かっているだろうに、咎めるように宥めるように声を掛けられる。 闇から現れたのは漆黒のスーツに身を包んだ男、焦げた茶色の髪と夜と朝の境目のような深い紫の瞳。 綺麗だとでも表現できそうな整った顔立ち。 もちろんきりやんだって顔が悪いわけではない。 むしろ逆、金糸のような髪と星のような瞳、儚げだが力強い存在感と年相応の無邪気な表情は人の心を掴んで離さない。 「撃たないって、もうちょっとの我慢でしょ。 」 闇に浮かぶお星様は怪しい光を隠すこともしなかった。 突然だが、君たちは金は好きだろうか。 もし胸を張って嫌い、もしくはそれに準じた答えならびに趣味がボランティア、仕事もボランティアかそれを目指している人がいたら聖人君子と崇めよう。 是非ともそのままで居て欲しい。 好きだと言う人が居たならば、握手をしよう。 金は全ての中心だ。 何もかもを手に入れる指標とさえ言える。 食事も娯楽も地位も名誉も女でさえも、金があれば手にすることが出来る。 そのような世の中だ。 愛も友情も裏切りも怨恨も、簡単に。 だからこそ、皆欲しがるし価値を認めている。 それが同じとは限らないけれど。 価値観の交換、それを取引ないし商売と呼ぶ。 互いの決めた価値観が同じか納得の出来るものであれば成立する。 その商品は時と場合によるけれども。 それを生業としている者たちが居た。 数多く居る者たちの中で、一番儲けているのは『ワイテルズ』と呼ばれる彼らだろう。 六人組の若い人間で構成された組織。 性別は分からず、リーダーも分からない。 居るのかもしれないし、居ないかもしれない。 少なくとも、全員を見た者が居なかった。 謎多き存在だが、彼らに価値観を求める人間は多かった。 いや、少なくとも彼らの価値観は正常だった、と言う表現のほうが正しいだろうか。 大多数の人間を正常と言う現代において、彼らは正しい中に入るのかもしれない。 相応の金さえ払えば何でもしてくれる分かりやすい組織、対価を求める人間の心理を分かりやすく体現し、求められる存在と成り果てた彼ら。 悪者でも善者でも偽善者でもない、ただの人間。 正常な、者たち。 彼らは今日も闇を舞う。 夜の闇の中を走る。 息を切らし、時折後ろを確認するような動作をして。 長い茶色の髪を翻し、白色のロングスカートを持ち上げてただひたすら走っていた。 何かに怯えるように、何かから逃げ出すように。 背を伝う汗は暑さか怯えか、もはやそれすら分からない。 その人間を追い掛ける存在は五つあった。 それに、五つの存在はこの辺りの地理にも詳しかった。 行き止まり、そこで足を止めた追われ手は素早く振り返る。 「怖がらないでください、お嬢さん。 」 体格の良い黒服、明らかにおかしいし一目見ただけで怖い。 カタカタと震え、斜め下を見るように伏せられた目の端に涙が溜まる。 壁に背を付き、薄い緑色の服を握り締めて離さない。 怖さを誤魔化しているのだろう、その行動は小さな子供を連想させた。 「どうして、なんで、こんな筈じゃ…」 うわ言のように繰り返し、ほろほろと涙を溢す。 「大丈夫ですよ、お嬢さん。 ほら、あの男から受け取ったものを此方に。 」 別の男が歩み寄って来た。 小さく悲鳴を上げ、壁に背を押し付ける。 逃げ場など無いのに逃げようとしているのだろう。 一歩、また一歩と近付いてくる。 恐怖からか震えが大きくなっていく。 「いや、やだ…来ないで、来ないでよ。 」 膝から力が抜け、地面に座り込んでしまう。 そうしたところで男たちは止まらないし、助けが来るわけでもない。 そんなことは分かっているのだけれど。 目の前で立ち止まった男の太い腕が伸ばされる。 「いやぁぁぁぁぁぁ!!」 思わず噎せそうになったことは内緒だ。 悲鳴と共に現れたのは長身の赤い服を着た人間。 目の前にいた男を殴り飛ばして微笑む。 「ごめん、大丈夫?」 伸ばされた手は涙が出そうなくらい優しくて、温かかった。 「はい…」 しっかりと握り締めると、立ち上がらせてくれた。 また崩れ落ちそうになったが、腰に当てられた手の暖かさが心地好い。 彼は憐れむような悲しむような光を目に宿し、困ったように笑みを浮かべた。 「だからそう簡単にこっちの世界に来ちゃダメだよって言ったのに。 」 ちょっと待ってて、と掠れた声で呟くと暖かい手を離される。 そのまま彼は男たちに向かい合った。 「君たちが欲しいのってこれでしょ?」 手に握られていたのは長方形の小さな筒。 煙草のような柄と細さと小ささ。 いつの間にか抜き取られていたのだろう。 恐らく、腰に手を当てられたときに。 「そうだ、早く寄越せ。 」 殴り飛ばされた男はそのまま気絶してしまったらしい。 四人の男たちが通路を塞ぐように立っている。 がっしりとした体つきはよく鍛え抜かれていた。 それこそ、喧嘩慣れしているような。 それに反比例して赤い服を着た男は細く、か弱く見える。 だが、余裕があるのは後者の方だった。 「いくらくれる?」 一瞬の間。 男たちは呆気に取られたように口を開く。 は?と言っている者も何人かいた。 「お金。 いくらくれるの?」 無邪気な、無垢な疑問。 子供が母親に今日のおやつでも聞くかのような愛らしさ。 男たちは一瞬言葉を交わし、即座に戦闘体制に入った。 それは遠目から見ても分かることで。 倒して奪う、何とも簡単で愚かな選択だろう。 「交渉決裂、ね。 」 殴り掛かってきた男を蹴り飛ばし、首の後ろに肘を入れる。 まるで作業のように一人また一人と確実に潰していく。 細く軽い彼だからだろうか、蜂のように翻弄し鋭い一撃を放つ。 気付いたときには地に伏していることだろう。 あっと言う間に四人の意識は刈り取られた。 五つ、全ての気絶体の出来上がりだ。 小さく息をついた彼は振り返る。 その視線の先には、先程までの怯えが嘘のように堂々と立っている水色の瞳があった。 「お疲れ。 」 若干声が掠れてしまっているのは無理に高い声を出したからだろう。 特に最後に叫んだのがきているのかもしれない。 「そっちこそ。 」 小さな筒を握り締めて潰す。 中身は入っていないようで、簡単にただのゴミと化した。 晴れた日の空のような水色の瞳は、雑に髪に手を置くと剥ぎ取った。 現れたのは同色の短い髪。 軽く頭を振って整える。 白色のスカートを脱ぐと黒色の七分丈のズボンが表れた。 下から履いていたらしい。 「なんで俺がこんなこと。 」 尤もな疑問を呟き、溜め息を付く。 今回の依頼は金が良い割りに少々身体を張らねばならなかった。 まだ粗っぽいことならば慣れているし良かったのだが、頼まれたのは自身の替え玉。 しかもその女は彼、Nakamuと同じくらいの身長だったのだ。 髪色も似ていたし、と言うことで彼がすることになった。 候補としては一応背格好が似ていたシャークんも上がっていたのだが、彼は筋肉が付き過ぎていたし声も低過ぎた。 いくら金の為とは言え、何かを失ったような気がしてならない。 「そう言わないでよ。 ほら、入金確認したよ。 」 小さな端末には三の数字と零が六つ。 金持ちの道楽としか思えない。 理解が出来ないが、彼らも彼らで此方のことは理解できないのだろう。 深い青の瞳をした彼、Broooockは楽しそうに目を細める。 「なかなか可愛かったしさ。 」 その視線の先が自身の薄く化粧した顔に向いていることに気付いたNakamuは、服の袖が汚れるのも気にせずに顔を擦る。 「早く帰るよ。 」 歩き出した彼らが後ろを振り返ることはなかった。 この世で一番金を持つ人間とは誰だろうか。 真っ先に浮かぶのは石油王、それから大統領だとか。 まあ、石油王などと言う知り合いが居るわけもないのでそこは気にしないで貰いたい。 もし石油王と知り合いなのなら是非とも紹介して欲しいけれど。 兎も角、世の人間は金を大切な物として扱うと同時にツールとして利用している。 自分がより良く生きるためだとか、都合良く生きるためだとか。 貯めるだけ貯めて放置する物好きも居ないことはないが、大抵は貯めたそばから利用する。 それが一番の使い道だろうとは思うけれど。 彼らには目的があった。 貯めた金で何かをしたかった。 それは常人には理解できないことだし、理解しなくても良いものだ。 地位も名誉も愛も友情も要らないが、たった一つだけ欲しいものがあった。 それを手に入れるために彼らは行動しているのだ。 どれだけ稼いでも豪遊することもなく、細々と暮らしているのだ。 たった一つだけの為に。 一途と言えば聞こえは良いだろうか。 だがその実、ただの異常者だとも言えてしまう。 しかも六人が六人、同じことを考えて行動しているのだ。 誰のためでもなく、自分のために。 自分が得をするために。 異常なら異常で良い。 少なくとも、正常よりは楽しい人生を送ることが出来るだろう。 とあるバーの奥で、彼は優雅にワインを呷っていた。 一杯いくらするのかは知らないし、どうでも良い。 だってどんなものをどれだけ頼んでも払うのは相手だから。 自分は一円も無駄にしなくて良い。 その隣では高級肉に噛み付く仲間が居る。 緑色の瞳をした彼は度数の低いカクテルと、早々に食事に手を出していた。 アルコールで腹を満たすよりは美味しいものを摘まみたい、といった様子である。 薄暗い部屋の中に他に人は居ない。 相手が相手だけに人払いもある程度頼んでおいた。 時間まではあと十分ほどある。 もう一杯頼もうかと思ったところで、 「待ったかね。 」 声が、掛けられた。 金色の髪と赤色の瞳、如何にもな態度と育ちの良さそうな所作。 その後ろには黒色にも焦げた茶色にも見える髪を丁寧に撫で付けた、血のような赤色の瞳の男がいた。 体格も良く、護身用としてか短刀を下げている。 「少しだけ、ですよ。 」 態度は改めるが立ち上がったりなどしない。 緑色の彼に至っては肉にかぶり付いたままだった。 普段ならばまだしも、今はただの取引相手。 同等であるべき存在だ。 相手は官僚のトップ、どちらかと言えば裏の世界担当の人間。 それなりにお偉いさんだ。 そんな人間でも時には金に任せて仕事を依頼してくるときはある。 顔が知られているだけに、大っぴらに動けないのだ。 「そうか、良かった。 」 正面の椅子に遠慮なく座る。 少しの無言のあとにまず聞こえたのは、扉からの声だった。 「ジントニックをお持ちしました。 」 来る前に頼んでいたのだろう。 お偉い官僚様は背後に立ったままの男に視線を送るだけで、自分は立ち上がろうともしなかった。 視線を受けて離れた男はすぐにグラスを手にして戻ってくる。 二つあるところを見るに男も飲むのだろう。 この官僚様らしいと言えば、らしい。 「では、仕事の話と行こうか。 」 一口も飲まずに取引を始めるらしい。 バーを指定してきたのだから飲みたいのかとばかり思っていた。 が、そうでもないようだ。 どちらにしても金はもってくれるらしいので感謝はしておこう。 「邪魔な奴等が居る。 手段は問わん。 逮捕、もしくは消してくれ。 」 「逮捕って…そっちでは出来ないんですか?」 そんな真っ当なことを頼まれるとは思わなかった。 まあ、手段は問わないと言うのが前提としてあるけれど。 「…恥ずかしい話だが、無能だらけでな。 我々が手にいれた情報も裏作業のもので使えん。 」 つまり、表面上は奴等は違法なことはしていないわけだ。 無能と言うのは警察達を言っているのだろう。 名前も何もかも知らないけれど、自分の仲間を悪く言うような人間ではないことは知っている。 「分かりました。 では、」 漸くジントニックを口に含んだ彼は何かを期待するように、楽しげに口角を上げた。 一部では聖母の笑みだと崇めれている彼の悪魔のような裏の顔。 自分たちだけが知るこの男の本性。 「いくら出しますか?」 自分の唇が歪んでいるのが分かる。 それほどまでにこの男との取引は楽しい。 彼は、自分たちに近い存在だ。 「いくら欲しい?」 異常な、人間だ。 ふふっ、と優しく笑みを浮かべた青の彼は両手を広げて掲げて見せた。 取引の終わった場所は早めに出るが吉だ。 特に、今回は相手が金を出してくれるのだから。 店から出た宇宙のような漆黒の髪に澄み渡った海のような青の瞳の彼、きんときは大きく伸びをして脱力した。 その隣では地球上の美しい自然が太陽に照らされたような緑の瞳の彼、シャークんが満足そうに笑っている。 「よし、帰ろうか。 」 「おう。 」 散歩から帰るように、今までしてきた危ない取引はただの花摘だったかのように。 彼らは足取り軽く闇に溶け込んでいった。 [newpage] 数年前に静かに役目を終えた工場。 近頃は子供たちが肝試しに来ているらしいと噂になっていたそこで、大人たちによる危ない取引が行われていた。 この取引に参加しているのは四組、その内の一つは姿を現さない。 「…貴方、裏切ったわね。 」 茶色の長い髪と青いドレス、真っ赤で腫れぼったい唇と濃い化粧は最初見たときよりも幾分も老けて見えた。 まあ、女性にそれを言うほど男が廃っているわけではないので指摘しないが。 後ろ手に拘束されている女の目の前には同じ体格、同じ髪色のパンダパーカーを着た男が立っている。 首を傾げて、心外だとでも言いたげに目を見開いていた。 「裏切る?可笑しな事を言うね。 」 桃色の薄い唇に赤色の舌が這う。 楽しそうに浮かべられた笑みは狂喜さえ覗かせていた。 その彼の隣に立っている男も同じような微笑みをしているけれど。 「元々そう言う関係じゃなかったでしょ。 」 対価と商品の交換、それが自分たちの行っていた取引。 どちらかが傾けばもちろん崩れるし、破綻する。 女もそれを承知でしているのかと思っていたのだが。 「ふざけないで。 金なら渡したじゃない。 」 あぁ、分かっていない。 売り手と買い手、需要と供給が合わなければこの取引など成立しないのに。 軋んだ音と共に月明かりが入ってくる。 扉の外から伸びる影は最早数え切れない。 たった一人の女のためにこれだけの人数を使うのだ。 まあ、彼女が何処かの組の長だとか言う話は聞いていたので別段可笑しいとは思わないけれど。 「ごめんNakamu、待った?」 金髪を揺らす男がパンダパーカーに話し掛ける。 その後ろからは漆黒のスーツに身を包んだ男が顔を出した。 「んー、そうでもない。 」 時計を見るでもない、完全に自分の感覚だろう。 それほど軽い言葉だったし、恐らく何を返してもこの男、きりやんは言葉を変えない。 「奴さん殺る気みたいだからさ、俺たちは退散しようぜ。 」 邪魔するのも悪いし、と呟いて後ろを省みる。 女一人相手に数十人、しかも中には武器を持つ者も居た。 間違いなく、これから始まるものはリンチ。 しかも、その辺の生易しいものではない。 「そうしよっか。 」 「待って!」 鋭い高音。 流石女性、とでも言おうか。 あ、いや、訂正しておこう。 女でも声の低い者は居る。 焦ったような声音は女の気持ちを真っ直ぐに伝えていた。 則ち、助けてくれと。 涙が流れて化粧が大変なことになっている女に近寄り、膝を曲げる。 目と目を合わせて、無邪気に笑った。 「いくら?」 子供のように無邪気で無垢に、それでいて嫌な鋭さを持って。 「その命に、いくら掛ける?」 心臓を指で突き刺す。 胸の上に軽く沿えるだけになった指は、時と場合によってはセクハラで訴えられても可笑しくなかっただろう。 震える女には関係なかったらしいけれど。 小刻みに揺れる唇から呼気と共に声が漏れ出る。 「…八億でどう?全財産よ。 」 笑みさえ形作って、俄然とした態度を演じて。 金と命を天秤に掛けてしまう。 これだから金で全てを解決してきた、出来てしまった者たちは面白くないのだ。 パンダパーカーのNakamuは頬に手を当てて顔を近付ける。 キスをする時のような高揚感と羞恥が身体を巡っていった。 桃色の唇は、赤色の唇を通り過ぎて形の良い耳に寄せられる。 息を吹き掛けながら、残酷な言葉を言い放った。 「一桁足りないよ。 」 名残も何もなく離れていった唇はまた弧を描く。 立ち上がって、くるりと回った。 その背が離れていく。 冷たくも温かかった筈の温度が熔けて消え去っていく。 何故だ、もっと出したのか。 目の前の烏合の衆たちは。 何処からそれほどの金が。 烏合の衆たちが女に武器を振りかざすと同時に、別の音が聞こえた。 乾いた音、何処までも響きそうな甲高い発砲音。 聞き間違いなどしない、銃の音だ。 何度も聞いたことがある。 「警察だ!」 何故、何故此処に警察が居る。 今度は烏合の衆が混乱する番だった。 女より高い金を払って女を亡きものにしようとした。 奴は邪魔だったからこの機会に丁度良いと思ったのだ。 幾つもの闇金に手を出して何とか金を用意した。 女についていた男たちも金で釣った。 裏切りを買ったのに、何故裏切られている? 「きんとき、遅かったな。 」 漆黒のスーツの彼、スマイルが声を掛けると警察の後ろから二つの人影が姿を現した。 片方はジャージのような動きやすい服装、もう片方は黒色と緑色のパーカー。 彼らは普通に歩いてくる。 大量の警察と二つの組を前にして、日常生活の中でショッピングにでも行くように極普通に。 「ごめんごめん、道案内に苦労しちゃってさ。 」 万人受けしそうな好青年を思わせる笑顔を浮かべて、手で頭を掻く。 海のような青の瞳が糸のように細められた。 「右と左間違えるって何だよ。 」 彼の隣で呆れたように笑うのは自然色の瞳が闇に浮かぶ男、シャークん。 手元では頻りにナイフを回していた。 癖なのかもしれない。 「出た、きんときの方向音痴。 」 にしし、と漫画のような笑いをするのは長身の赤色のパーカーの男、Broooock。 彼も彼で手元で小さな銃を回している。 日常、これが彼らの日常なのかもしれない。 町の中を通ったとき、道の隅ではこのように会話が行われていることだろう。 それほどまでに極自然で目に付くようなことは無かった。 これほど異様な環境に居る筈なのに。 烏合の衆の一人がきりやんの耳に口を寄せる。 影になって見えにくい瞳は、どこか攻めるように鋭く輝いていた。 「おい、どう言うことだ。 」 困惑と混乱と疑問と理解、それから拒絶。 全てを混ぜたような表情。 それを、鼻で笑い飛ばしてやる。 「なに、助けて欲しいわけ?」 首を傾げて、眩しい笑みを浮かべる。 天使のような、聖母のような、神のような笑み。 全てを肯定して全てを否定する者の笑顔。 「はい。 」 掌を上にして差し出す。 息を飲んだ烏合の衆の一人はそこから続く言葉が理解できたのだろう。 もちろん、助けるには相応の何かが要る。 「いくら出せる?」 冷たいとも温かいとも付かない声音。 割り切った態度は冷徹だとさえ言える。 もう、出せるものなど何もない。 だって、無から有を作り出すことなど出来ないのだから。 「その命に、何を掛ける?」 凍りついた世界の中で彼らだけが清々しい笑みを浮かべていた。

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