いぶ ちゃん の き せき。 HKT48の次世代コンビ“いぶはる”「『あさりちゃん』は大好きで100巻まで集めました」

いぶしぎん 燻製レシピ

いぶ ちゃん の き せき

2人の人となりを知るべく、コンビ名「い」「ぶ」「は」「る」にかけて、4つの質問に答えてもらった。 い=いつかとして、いつか行ってみたい場所は? 「いつかパラグライダーをやってみたいです!」と豪語するのは工藤陽香。 「高いところ嫌いなんですけど、そういうのがやりたいんです」「宙を舞ってみたい!」と前のめりな工藤に対して、「絶対高いところ嫌いじゃないでしょ」と石橋颯は苦笑……。 そんな石橋は「いつか、1日だけプールがある白雪姫が住んでそうな大きなお城に住んでみたいです。 そして馬に乗りたい」と野望を語る。 すかさず「馬は骨が固くてグラグラして怖いよ!」と工藤のツッコミが入るが……どうやら、工藤は阿蘇の観光地で乗馬体験があるとのこと。 石橋は3歳の頃、福岡のとある施設でロバ乗りを体験したそうで、「小さい頃ロバに乗ったから、大きくなった今は、馬に乗りたい」と目を輝かせていた。 ぶ=BOOKとして、好きな本・漫画は? 「『クレヨンしんちゃん』が大好きです」という石橋。 アニメも好きで、幼稚園のときには絵本も読んでいたとか。 その横で工藤が「昔の漫画なんですけど、『あさりちゃん』(室山まゆみ)って……」と言いかけた瞬間「きゃー! 面白い! 私も大好き!」と叫ぶ石橋。 2人とも『あさりちゃん』を愛読していることが判明した。 「私、昔は本が好きで、学校の図書館で本を借りた人の1位になったりして。 『あさりちゃん』は、中古の本屋さんでいろいろ探してたら見つけて、なにこれ!ってなって」と工藤。 「お姉ちゃんが『あさりちゃん』好きで、私も好きになって100巻まで集めました」と石橋。 2人は、『あさりちゃん』は、あさりと姉のタタミ、ペットのうにょが喧嘩するシーンが面白くて大好きと熱弁。 は=博多グルメとして、おすすめの博多グルメは? まずは、「筑紫もち!」と声を揃える2人。 「あと明太子も! でもお母さんに明太子を毎日食べたいって言ったら、困ってました 笑 」と工藤。 「通りもんも、めんべいも安定の美味しさだけど、いちごのわらび餅みたいなやつもすごく美味しい!」と石橋。 」と工藤はローカルCMのモノマネをはじめるも、最後まで商品名が思い出せなかった2人。 る=ルックスとして、自分のチャームポイントは? 工藤は「バサバサまつげです!」と即答。 「バサバサって言い方やだー。 フサフサって言って!」と突っ込む石橋のチャームポイントはというと「米粒が耳たぶに乗るんですよ。 前までは、米粒が乗りそうな耳たぶだったんですけど、この間試したら本当に乗りました。 炊いてないお米ですよ」と、謎アピール。 「いぶちゃんは、顔がツヤツヤなのにハイライト入れてる!」と突然工藤が暴露すると、「メイクってしたことがなかったからハイライトの使い方が分からなくて。 でも5期生のみんなが使ってるから真似して買って……。 最初は、顔を小さくみせるやつかと思って塗ってたら『顔がテカテカになっとるよ』ってみんなに言われました(笑)」と石橋。 2人とも学校の校則で眉毛はケアできなくてボサボサだとか……。 145センチ。 HKT48 5期研究生。 ニックネームは「いぶき」。 2018年11月26日開催のHKT48の7周年記念公演にてお披露目された。 血液型不明。 152センチ。 HKT48 5期研究生。 ニックネームは「はるちゃん」。 2018年11月26日開催のHKT48の7周年記念公演にてお披露目された。 本記事は「」から提供を受けております。 著作権は提供各社に帰属します。 予めご了承ください。

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遺物(いぶつ)と遺品(いひん)の違い、遺構(いこう)、遺跡(いせき)について

いぶ ちゃん の き せき

「ゆんしょ!ゆんしょ!ゆっ!ここにもごはんさんがあるよ!」 ポヨンポヨンと音をたてながら、まりさが森を跳ね回っている。 どうやら狩りの最中らしい。 頭の帽子には今まで取った食料がパンパンに詰まっている。 その量はとても一人では食べきれないほど大量であった。 「ゆふー!つかれたよ!でもおちびちゃんのためにがんばるよ!」 そう呟きながら、活発に飛び回るまりさ。 成る程、どうやらのこのまりさには子供がいるらしい。 それで自分ひとりではとても食べられないほど大量に食料を集めているというわけだ。 まりさ種はどのような種族と番になってもその性格や、運動能力の高さから狩りの役目を分担する場合が多い。 このまりさも例にもれず食料集めが担当のようだ。 このような光景は、ゆっくりが生息している森ならばごく当たり前に見られる光景だった。 と、そこへ 「ばりさああああ!やっとみつけたよおおおおおお!」 怒気をふくんだ大声を上げながら、突然でいぶがまりさの前に姿を現した。 「ゆぴぃ!で、でいぶ!どうして!?な、なんでここが!?」 いきなりの事態に慌てふためくまりさ。 本当にどうして?まりさはまさかここででいぶと遭遇するとは思ってもみなかったのだ。 いや、できればたとえどこであろうともう二度と会いたくないと思っていたというのに、 こんななに簡単に見つかってしまうなんて! 「ゆっふっふっふっ!でいぶからにげようとおもってもそうはいかないんだよ! さあ!おちびちゃんをかえしてもらよ!あとしょくりょうもいしゃりょうとしてぜんぶもらっていくよ!いいね!」 勝ち誇ったよな顔で堂々と宣言するでいぶ。 「なにいってるのおおおおおおお!そんなことできるわけないでしょおおおおおおお! おちびちゃんはぜったいわたさないよおおおおおおおおおお!」 しかしまりさの答えはきっぱりとした拒絶であった。 「ゆぎぃい!ばりさ!ふざけないでね!おちびちゃんたちをひとりじめしているうえに、 しょくりょうもわたさないなんてとんだげすゆっくりだね!」 「そっちこそふざけないでね!あわせないっていったらあわせないからね!さっさとどっかにいってね!」 「ゆふふふふふふ!」 「ゆっ?なっ、なんなの!」 てっきりもっと怒り出すかと思ったまりさ。 だがでいぶは不気味な笑みを浮かべている。 「ゆふん!べつにまりさがあわせたくないというならそれでもかまわないよ! まりさのおうちまでかってについていくだけだからね!」 「!」 驚愕の表情を浮かべるまりさ。 なんということだ!おうちにまで付いてこようというのか! だめだ!それだけは絶対阻止しなくては!おうちの場所がばれたら最後、 絶対にいつまでもしつこく居座るに違いない。 「ゆー!おねがいだよ!それだけはかんべんしてね!おちびちゃんたちだけはゆっくりさせてあげたいよ!」 「はああああああああああああああん!なにいっているのおおおおおおおおおおおおお! おちびちゃんはでいぶといしょにいることがさいこうのゆっくりなんだよ!そんなこともわからないの!ばかなの!しぬの!」 だめだやはり話しが通じるような相手ではない。 いや、そもそも話してわかる相手ならばこんなことにはなっていなかったではないか。 どうしてこんなことになっていしまったのか。 起こってしまったことを嘆いてもしかたないがそれでもこの不幸は嘆かずにはいられない。 「ゆー!わかったよ!とりあえずしょくりょうをおいていくよ!だからきょうはみのがしてね!」 そう言うと、まりさは帽子につめてあった食料を全てばら撒いた。 「ゆっ!ごはんさん!」 よほど腹をすかせていたのだろうか、でいぶは、ばらまかれた食料を見ると、わきめもふらずに食らいついた。 「ゆっ!むーしゃ!むーしゃ!うっめ!これめっちゃうっめ!」 汚らしく地面におちた食料を食い漁るでいぶ。 「ゆっ!いまだよ!もうにどとこないでね!」 その隙に一目散にでいぶから逃げ出すまりさ。 「むっちゃ!むっちゃ!ゆ!まりさああああああああ!まてええええええええ!」 ようやく逃げられたことに気づくでいぶ。 だがとき既に遅し。 まりさの後姿ははるか彼方。 とうに追いつける距離にはなかった。 「ゆがああああああああああ!ぜったいにがさないからねええええええええええ! おちびちゃんはぜったいでいぶがたすけるよおおおおおおおおおおおおおおおお!」 まりさの背中からでいぶの絶叫がいつまでも響いていた。 れいむとまりさは共に、大きな群れなどが存在せず、家族単位のゆっくりがバラバラに暮らしている森で生まれた。 これらのゆっくりが、いつの間にか集まって群れをつくるなどということはよくあったが、それはまた別のお話し。 そこまで森のゆっくりの数が多くなかったことや、ゆっくり同士のコミュニティの形成がそれ程活発ではなかったという理由から ついにまとまった群れはできなかった。 これも一つの自然の形である。 しかしいくら群れが存在しないとはいえ、近くに住むゆっくり同士のいわば近所づきあいのようなものはある。 この二匹は生まれた時期やお互いの巣が近かったためいわゆる幼馴染の関係であった。 「むきゅ!このきのこさんはどくがあるからたべちゃだめよ! それからこっちのきのみさんはほぞんがきくからおうちにためておくとべんりよ!」 「ゆゆ!むしさんはしょうめんからおいかけていってもにげちゃうよ! つかまえるならうしろからこえをださないようにひっそりとちかづくといいよ!」 「ゆー!ゆっくりりかいしたよ!」 まりさは、優秀な親まりさと、親ぱちゅりーから知識や狩りの仕方などをしっかりと学び、 ゆっくりとしてはかなり高い能力を持つように成長していった。 ちなみにそんなことして、食料はどうしていたかというと、優秀だがややお人よしのまりさ一家から分けて貰っていたようだ。 その結果れいむは世間知らずで一匹では何もできないゆっくりへと成長していった。 さて、時が経ち、れいむもまりさも無事に成体ゆっくりへと成長し、 いよいよ番を持つような段階にまで来ていた。 そして当然のようにこの二匹は番となった。 こういったゆっくりの数が少ない場所では、近所の歳の近いゆっくりが番になることは割と自然なことであったのだ。 「ゆゆ!まりさ!おちびちゃんをたくさんつくってとってもゆっくりしようね!こそだてはれいむがいるからあんしんしてね!」 「ゆう……わかったよ!まりさにまかせてね!」 正直な話しまりさは、甘やかされて育てられて、ややわがままなところがあるれいむと番になるのに そこまで乗り気というわけではなかった。 だが入り好みできるほどに、この森のゆっくり密度は高くなかった。 まりさと歳の近いゆっくりが、まわりにれいむしかいないのだからしかたない。 それにまりさとて一ゆっくり。 ゆっくりとしたおちびちゃんは是非とも欲しかった。 れいむだって今は多少わままなところがあるかもしれないが、おちびちゃんができれば母性により親の自覚を持ち、 きっとしっかりとしてくれるに違いないだろう。 まりさはそう思い、れいむと番になることを承諾したのだ。 晴れて番になった二匹は親元を離れ、新しい巣穴を作り、そこで子作りの体制を整えた。 勿論、巣をつくったのも、餌をとってきているのも全てまりさが一匹で行ったことである。 まあこれくらいは仕方ないなとまりさは思っていた。 なんだかんだで、幼馴染としてれいとのの付き合いは長い。 れいむと番になれば、恐らくはじめはこういうことになるであろうとまりさは容易に想像はつき覚悟はしていた。 しかしそれでもいざ子作りの段階では揉め事が起こった。 まりさは、初めての子作りということで、比較的子の数が少なく、ある程度成長して安全な状態で生まれてくる 胎生にんっしんっを考えていたのだが、れいむは断固植物型にんっしんを主張したのである。 「おちびちゃんはたくさんいたほうがゆっくりできるんだよ!そんなこともわからないの!ばかなの!?しぬの!? だいたいもしかずがすくなくて、れいむにそっくりなおちびちゃんがうまれなかったどうするのおおおおおおおお! それにたいせいにっしんはとってもつらいんだよ!れいむがかわいそうだとおもわないのおおおおおお! おまけにおちびちゃんにあえるまでとってもじかんがかかるでしょおおおおおおおおお! れいむはすぐにおちびちゃんとあいたいんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 「ゆっ…ゆう……」 まりさがいくらはじめての子育てなので、あまり沢山おちびちゃんがいないほうがいいと説得しても、 れいむは一向にゆずらなかった。 所詮苦労を知らずに育ったゆっくり。 そういった先のことに対する苦労だとかやりくりの計算はまったくできないし、理解できないのだ。 結局わめき散らすれいむに渋々まりさが折れる形で植物型にんっしんすることに決まった。 まりさは少なからず不安を感じてはいたのだが、しかし自分に似たおちびちゃんが沢山生まれれるといのは、 それはそれで抗いがたい誘惑ではあったのだ。 そんなわけで、 「「ゆー!すっきりいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」」 その晩二匹はすっきりした。 次の日 「ゆふふふふ!おちびちゃんゆっくりはやくうまれてきてね!」 「ゆー!とってもゆっくりとしたおちびちゃんだよぉ!」 れいむの額から茎が伸び、数匹の赤ゆっくりが成ってる。 その数は丁度赤れいむ三匹と赤まりさ三匹だった。 それを感極まった様子で眺めるれいむとまりさ。 どうやら無事餡子が行き渡っているようで、未熟児らしきゆっくりも見当たらない。 「ゆっ?まりさ!なにしてるの?さっさとごはんさんをとってきてね!」 「ゆっ…でも…」 「でもじゃないよ!れいむはおちびちゃんにあんこをあげたからおなかすいてるんだよ! れいむがむしゃむしゃしないと、おちびちゃんもゆっくりできないよ!」 れいむが言っていることは本当だった。 そんなことはまりさも分かっている。 まりさが躊躇ったのは、赤ゆっくりが、もういつ生まれてもおかしくない状態だったからだ。 生まれた瞬間の赤ゆっくりに「ゆっくりしていってね!」というのはゆっくりとして最大級の幸せである。 今狩りのにかけると、その瞬間にまで戻ってこれないかもしれない。 そう考えるとどうしても出かけることを躊躇ってしまうのだ。 「なにもたもたしてるの!はやくいってきてね!ぐずはきらいだよ!」 「ゆううう……しかたないね!ゆっくりはやくかえってくるよ!」 子への義務感が勝ったのか、狩りの出かけるまりさ。 引越ししたばかりで食料の備蓄もまったくないため、 生まれたばかりのおちびちゃんが、おなかを空かせてはいけないという判断だった。 そもそもこんなことになったのは、まりさが十分な食料をためてから子作りしようとしていたのに対して、 れいむが一刻もはやく、すっきりしようと迫ったのが原因なのだが 今さらそんなことを言ってもはじまらないと思ったまりさは、大急ぎで行って戻ってくることにしたのだった。 するとピクンと実ゆっくりが震えだした。 「ゆっ!うまれる!おちびちゃんうまれるよおおおおお!」 どうやら出産のときが近いようだ。 ピクンピクンと次第に震えが大きくなっていく実ゆっくたち。 そしてついにプチンと音をたて一匹の赤れいむが地面に落下した。 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっきゅちいっていちぇね!」 満面の笑顔で挨拶するれいむに舌足らずな発音で答える赤れいむ。 「ゆゆーん!れいむににてとってもゆっくりしたあかちゃんだよー!」 今間違いなくれいむはゆっくりの絶頂にいた。 「ゆっきゅちいっていちぇね!」「ゆっきゅちいっていちぇね!」 次々と生れ落ちる赤れいむたち。 その一匹一匹に最高の笑顔と「ゆっくりしていってね!!!」を返すれいむ。 そして、あらかたれいむ種が生まれ終わると、次に落ちてきたのは赤まりさたちだった。 「ゆっきゅちいっていちぇね!」 赤れいむと同じように挨拶をする赤まりさしかし 「………ゆっくりしていってね…」 れいむはどことなくめんどくさそうに赤まりさに挨拶を返した。 「ゆっきゅちいっていちぇね!」「ゆっきゅちいっていちぇね!」 次々と生まれる赤まりさたち。 だが、れいむはもう挨拶を返そうとはしなかった。 (ゆーなんだかこのこたちはれいむににてなくてあんまりかわいくないよ…) これがれいむの本心だった。 流石に口に出しては言わなかったが、れいむの関心は全くと言っていいほ赤まりさに向けられなかった 「ゆー!おにゃかすいちゃあ!」 「ゆっ!そうだったね!ごめんねおちびちゃんたち!」 赤れいむの一言で正気に戻ったれいむは自分の頭の茎を折り、地面い置いた。 「さあおちびちゃんたち!ゆっくりこのくきさんをたべてね!」 「「「むーちゃむーちゃ!ちあわちぇー!」」」 地面に落ちた茎をおいしそうに食べる赤れいむたち。 「まりちゃも!まりちゃも!」 それを見て、赤まりさもくきを食べようと近づいてきた。 「ゆっきゅちたべりゅよ!」 茎に赤まりさが噛み付こうとしたそのとき。 ドンッ 「ゆぴぃ!」 赤まりさはでいぶの体当たりによって吹き飛ばされた。 「なにやってるのおおおおおおおおおおおおおおお!でいぶのおちびちゃんたちがまだたべてるとちゅうでしょおおおおおお! じゅんばんもまもれないのおおおおおおおおおおおお!なんなのこのげすなこはああああああああああああああ!」 鬼の剣幕で赤まりさにくってかかるでいぶ。 「お、おかーしゃん。 れいみゅはべちゅにみんなでいっしょでも……」 その様子を見て、躊躇いがちにでいぶに話しかける一匹の赤れいむ。 「ゆー!おちびちゃんはなんにもしんぱいしなくていいんだよ!おなかいっぱいむしゃむしゃしてね! なんならぜんぶたべちゃってもいいよ!」 コロッと表情を変え、優しく赤れいむに話しかけるでいぶ。 「ゆー!いちゃいよー!」 「おねえちゃああああん!」 「おにゃかしゅいたああああ!」 巣の端で痛みに泣く赤まりさとその周りを囲む姉妹たち。 「ちっ!まったくうるさいねえ!」 でいぶが鬱陶しそうに赤まりさに視線を向けたそのとき 「これはいったいどうゆうことなのおおおおおおおおおおおおお!」 狩りから帰ってきたまりさの絶叫が響きわたった。 まりさは驚愕していた。 しゅっさんに間に合うように、急いでおうちに帰ってきたら、すでに赤ゆっくりが生まれていた。 そこまでは仕方ない。 間に合わないかもしれないことはある程度覚悟はしていた。 だがしかし、おうちの光景はまりさの想像を軽く超えたものだった。 本来ならば赤ゆっくりが生まれたときのはじめての食事は、茎をみんなでむしゃむしゃするものだ。 だというのに、食べているのは赤れいむだけで、赤まりさはなんと全員端に追いやられているのだ。 何故こんなことになっているのか、まりさには全く理解できなかった。 「れいむ!いったいどういうことなのかしっかりせつめいしてね!」 「ふん!れいむのおちびちゃんたちがまだたべてるとちゅうなのによこからわりこもうとしたげすに せっいっさいしただけだよ!」 「なにいってるのおおおお!みんなおんなじかわいいまりさたちのおちびちゃんでしょおおおおおお! いみのわからないこといわないでね!」 「おんなじ?ばかなこといわないでね!おめめだいじょうぶなの? かわいいかわいいでいぶににているおちびちゃんがゆうぐうされるのはとうぜんのことでしょ! しっかりしてよね!いつまでもひとりみのつもりじゃなくて、しっかりおやのじかくをもってもらわないとこまるよ!」 「……………」 まりさは言葉を失った。 なんてことだろう!このでいぶは自分に似ているという理由で明らかに子供たちを差別している。 まりさとて自分に似た姿の赤ゆっくりはそりゃかわいいと感じる。 だから多少の贔屓差が出てしまう気持ちはわからないでもない。 だがここまであからさまに差別をするとは!しかもでいぶはそれが当然のこと思っている様子だ。 「れいむ!よくきいてね!たとえすがたがじぶんににていなくても、みんなまりさたちふたりのかわいいおちびちゃんなんだよ!わかるでしょ! ごはんもみんなでむしゃむしゃしたほうが、きっとずっとしあわせー!になるんだよ! さあおちびちゃんたちにあやまって、みんなでなかなおりのすりすりをしようね!」 「なにいってるのおおおおおお!さっきからきいてれば、でいぶのきょういくほうしんにくちだしばっかりしてええええ! まりさは、ごちゃごちゃいわずにしょくりょうだけってくればいいんだよ!」 その後結局仲直りはせず、まりさがとってきた食料を赤まりさに与えてなんとか場はおさまった。 まりさは、はやくもでいぶの子育てに不安を感じていたが、まさかこれだけの数の赤ゆたちをずっと一人で面倒みるわけにもいかない 苦肉の策として、でいぶに、赤ゆたちを差別しないことと、決して体罰をしないことやや強引に約束させた。 これでとりあえずはなんとかなるだろう。 まりさは何だかんだ言ってまだでいぶのことを一応信じてはいたのだ。 それからは、表面上は穏やかな毎日が続いた。 だが決して根本的な問題が解決したわけではなかったのだ そしてついに悲劇は起こることになる。 自分の後に続いて歌うように言うでいぶ。 子れいむたちは嬉しそうに後に続いて雑音を奏でるが、子まりさたちは退屈そうだった。 それも当然で、お歌を歌うのはれいむ種が殆どで、歌を歌うまりさ種の性に合っていなかったのだ まりさ種はどちらかといえばみんなで飛び回ったりじゃれあって遊んだりするほうが好きだった いわゆるじっとしていられない子供というやつで、お歌のレッスンはただただ退屈でつまらない時間であった。 「みゅー!おうたなんてちゅまんにゃいー!」 退屈だったのだろう。 ふと一匹の子まりさがぼやいた。 「ゆっ!おちびちゃんいまなんていったの!おうたをうたってるときにしゃべらないでね!」 それを目ざとく聞きつけるでいぶ 「おうたなんかちゅまんにゃいよ!みんにゃであちょんだほうがたのちいよ!」 子まりさはそう訴えた。 子まりさたちは、こんなところでじっとしてないで、もっとみんなで飛んだり跳ねたりして遊びたいのだ。 これは子供なら当然の欲求である。 生まれたばかりの子は目に入る全てのものが新鮮で、その有り余る好奇心を満たすために様々な行動をし、 時に新しい発見をしたり、失敗したりしながら成長していくものなのだ。 ずっと家に押し込めて、なんの役にもたたないお歌などを練習させるのではなく、外にくりだす我が子らを 危険がないように見守るのが本来の親の役割である。 が、 「なにいってるのおおおおおおおおおおおおおお! おかあさんはおちびちゃんのしょうらいのためをおもっておうたのれんしゅうさせてるんだよおおおおおおおおお! そんなこともわからないのおおおおおおおおおお!げすなおちびはせいっさいするよおおおおおおおお!」 でいぶはこの上ない怒りを感じていた。 まったく。 おちびちゃんが将来困らないようにせっかくこの優秀な母親であるでいぶが英才教育を施してやってるというのに なんてワガママな子だろう。 まりさには体罰は禁止されていたが、温厚なでいぶでも、もう我慢できない。 やはりこういったわからずやのゲスには身体に教えてやらねばわからないのだ。 これは教育なのだ。 自分はこんなに一生懸命子供に尽くしているのにそれを理解しない子まりさへの愛のムチなのだ。 「ゆあああああ!くちでいってもわからないげすなこは、せいっさいするよおおおおおおおおおおお!」 でいぶは突然雄たけびを上げると、文句を言った子まりさに強烈な体当たりをぶちかました。 「ゆぎゃああああああああああああああああああ!」 「おねえちゃんが!」 「ゆあー!まりしゃのいもうちょがぁ!」 でいぶの本気の体当たりは、子まりさを軽々とおうちの端までふっとばした。 ビタンと激しく壁に叩きつけられた子まりさは、ゆげえ!と口から大量の餡子を吐いた。 「もっど…ゆっくり…した…かった」 その呟きを最後に子まりさは永遠にゆっくりした。 「ゆっ?おっ…おちびちゃん?」 困惑するでいぶ。 静まり返る洞窟内。 あれ?どういうことなの?なんでおちびちゃんが永遠にゆっくりしちゃったの? でいぶにはわけがわからなかった。 殺すつもりなどなかった。 ちょっと軽く叱っただけなのになぜ永遠にゆっくりしてしまったのか? このトンチンカンな疑問はでいぶの今までの生活に原因があると言えた。 このでいぶは今まで殆ど家の中で育ち、あまり運動をしたことがなかったため、 力の加減というものがまるでできていなかったのだ。 さながら今時のケンカを一度も経験しないで大人になってしまった子供のようなものだ。 だから殺意はなくても、体格が二倍以上ある成体ゆっくりである自分が体当たりすれば、子ゆっくりは死ぬ。 そんなことすらわからなかったのだ。 呆然とする一同。 そこへ。 「これはいったいどうゆうことなのおおおおおおおおおおおおお!」 狩りから帰ってきたまりさの絶叫が響いた。 まりさは驚愕していた。 まだ多少差別的な振る舞いは残っているが、とりあえずはでいぶの行動も落ち着いてきており、 このまま、まりさ似のおちびちゃんとも触れあっている内に、だんだん親としての自覚を持ってくれるものと思っていた。 だがしかし、おうちの光景はまりさの想像を軽く超えたものだった。 なんと!でいぶが子まりさを!実の子供を潰していたのだ! 何故こんなことになっているのか、まりさには全く理解できなかった。 「でいぶ!いったいどういうことなのかしっかりせつめいしてね!」 すさまじい剣幕で、でいぶにつめよるまりさ。 「ゆゆっ!で、でいぶしらないよ!ちょっとしかったら、かってにおちびちゃんがえいえんにゆっくりしちゃったんだよ!」 「それじゃあやっぱりあれはでいぶがやったのおおおおおおおおおおおお! どうして!なんで!じぶんのおちびちゃんをおおおおおおおおおおおおおお! ふざけないでねえええええええええええええええええええええええ!」 「…………(イラッ)」 激しく自分を責め立てるまりさにちょっとでいぶはイライラとしてきた。 ゲスで劣っているおちびが一匹ぐらいいなくなったからどうだというのだ。 大体、自分は日々大変な子育てをしているのになぜ外で食べ物をもってくるだけしか能のない まりさにこんなになじられなければならないのか? 「うるさいよ!でいぶのきょういくほうしんにくちをださないでね!」 「そっちこそふざけないでね!このゆっくりごろし!かえせ!まりさのおちびちゃんをかえせ!」 「だからころすきはなかったっていってるでしょおおおおおおおおおおおおお! へんないいがかりつけないでね!いいかげんにしないとでいぶおこるよ!」 ガミガミと醜く言い合う二匹。 話しはどこまで行っても平行線だった。 「もういいよ!でいぶにこのおちびちゃんたちはまかせておけない! このこたちはまりさがりっぱにそだてるよ!」 そう言うと、まりさはおうちの隅でで震えている子まりさたちに声をかけた。 「さあおちびちゃんたち!もうあんしんだよ!まりさといっしょにこのおうちをでようね!」 「ゆえーん!」 「おちょーちゃあん!」 親まりさにくっつく子まりさたち。 まりさは本音では、赤れいむも自分が連れて行きたかったが、 流石に一匹でこんなに沢山のゆっくりの面倒をみるのは限界があった。 苦渋の策だが、でいぶは赤れいむは可愛がっているようなのでその場に残しておいても多分大丈夫だろうという判断だった。 とにかくいま優先されることは、でいぶから赤まりさを遠ざけることだった。 「ふん!かってにすればいいよ!まりさがでいぶみたいにきちんとしたこそだてができるとはおもわないけどね! せいいぜいしょうらいだめなゆっくりになってからこうかいするといいよ! あと、でていくのはかってだけど、ごはんはちゃんともってきてね! これはおやとしてさいていげんの『ぎむ』だよ!」 まりさたちを尻目にそう吐き捨てるでいぶ。 まったくばかなまりさだ。 狩りをするぐらいしか能のないまりさに 子育てというでいぶにのみに許された高等な行為ができるはずもないのに。 成体ゆっくりになってもお歌もうたえずみじめな思いをし、不良ゆっくりになり社会の底辺をさまように違いない。 「いわれなくてもまいにちちゃんとごはんはとどけるよ! でいぶじゃなくてそっちのおちびちゃんたのためにね!」 そう捨て台詞を残し、まりさと、子まりさたちはおうちを後にした。 こうして、二匹のシングルマザーが生まれ、それぞれ独自の方法で子育てをすることとなった。 しかし子供たちは 「みゃみゃーれいむねみゅたいよ!」 「ゆー!もうちゅかれたよー!」 「ねむいよー!」 と不満げな様子だった。 これもまた当然の反応といた。 いくら歌が好きと言われているれいむ種といえど、同じ事ばかりさせられれば当然飽きる。 たまには他のことをして遊びたくもなるだろう。 だがそれよりももっと大切なことがある。 それは昼寝だ。 まだ幼く身体ができていない子供には体力を回復させる上でも、毎日頭にはいってくる膨大な量の記憶を統合するうえでも、 昼寝は欠かせないといえる。 その時間を削ってまでお歌のレッスンを強行することは悪影響以外のなにものでもなかった。 「ゆがああああ!なにいってるのおおおおおお!しっかりれんしゅうしないと、りっぱなゆっくりになれないでしょおおおおお! なまけてないでさっさとうたえええええええ!」 そんなことを知る由もないでいぶは眠がる子ゆっくりたちに無理やり歌の練習を強要していた。 「ゆうゆう」 「すぴー」 「ゆっ!おちびちゃんたちゆっくりねむっているね! いまのうちにかりにいくよ!」 一方出て行ったその日の内になんとか即席で新しいおうちをこしらえたまりさは、 子供たちが昼寝をしている間に、急いで餌を捜しに行った。 子供たちだけをおうちに残すのは不安もあったが、でいぶと一緒にいるよりはましなはずだ。 きちんと昼寝をしている赤まりさたちはゆっくりと成長していった 「ゆっ!これがきょうのぶんのしょうくりょうだよ!」 あれからさらに数日後。 赤れいむのために、でいぶのところにも日々食料を運ぶまりさ。 「おそいよ!すくないよ!くずなまりさはもっとたくさんしょくりょうをもってきてね」 「ふん! ぴったりはんぶんこしてるんだからもんくいわないでね! ふまんがあるならじぶんでとってきてね!」 もはや毎日の日課となった憎まれ口をたたきあう二匹。 「まったくほんとつかえないまりさだねえ! さあ、おちびちゃんごはんだよぉ!ゆっ!このあまいきのみさんをたべようね! かたいところはおかあさんがかんでやわらかくしてあげるね!」 「ゆわーい!」 「ゆっくちゆっくち!」 好物の木の実を与えられてご機嫌な赤ゆたち。 「…………」 それをなにか言いたげに見つめているまりさ。 「ゆっ!なにみてるの!くずなまりさはじゃなだからさっさとどっかにいってね!」 「でいぶ!こどもたちにすきなもをすきなだけたべさせるのはかんしんしないよ! きのみさんがとれないときや、しょくりょうがすくないときだってあるんだから くささんやむしさんもちゃんとたべさせないと、いざというときにこまったことになちゃうよ! それにたべるときも、じぶんでしっかりかませるようにしないと、いつまでたってもそのままだよ!」 でいぶのやり方に思うところがあったのか、つい口出しをしてしまうまりさ。 まりさの言っていることはいちいちもっともだった。 偏った好物ばかりたべていれば、人間のあまあまほどではないにしろ、 だんだんそれ以外の食べの物を受け付けなくなっていくだろう。 それにいつまでも親が子供に食べさせやるのもよくない。 親の力をかりず、一匹でやれば当然赤ゆは始めは当然うまく噛むことができないだろう。 だが何度も繰り返しているうちにできるようになっていき、さらにもっと上手になっていく。 これが成長するということなのだ。 でいぶの行為は子供の成長の機会を奪うどころか、なんでも子供の変わりに親がやってやることにより、 子供の向上心が育たず、依存心ばかりが強くなってしまうのだ。 「ゆがー!でいぶのきょういくほうしんにくちをださないでって、いってるでしょおおおおおおお! おちびちゃんのすきなものをたべさせないなんて、とんだげすゆっくりだねえええええ! ねっ!おちびちゃんもそうおもうでしょ?」 「ゆゆ!げすなおやはゆっくりしんでね!」 「ゆー!もっとたくさんあまあまもってこい!」 「……ゆう…」 いきり立つ二匹の赤ゆ。 だが最後の三匹目は困惑気味な表情をしていた。 自分たちのために食料を持ってくるまりさに文句をいう姉妹たちに罪悪感を持っていたのだ。 まあ、この赤ゆたちを攻めるのは少々酷ではある。 小さな子供にはまだ将来の長い時間にわたって展望する力ない。 本来それを補うのが親の務めなのだが…。 「…またくるよ」 今は何をいっても無駄と判断したのかまりさはくるりときびすを返し、自分の住処へと戻っていった。 「さあおちびちゃん!きょうはくささんと、むしさんをむしゃむしゃするよ!」 「ゆー!あれはまずいよー!」 「きのみさんがたべたよー!」 「だめだよ!それはきのうたべたでしょ!きらいなものでもなんでもたべないとゆっくりできなくなっちゃうよ!」 「ゆゆー!このくさかたいし、にぎゃいよ!」 「ほら!ゆっくりでいいからよーくかんでね!」 「ゆーゆーごっくん!まりちゃひとりできたよ!」 「ゆー!えらよおちびちゃん!」 でいぶと同じ轍を踏むことのなかった赤まりさはゆっくりと成長していった。 「ゆっ!これがきょうのぶんのしょうくりょうだよ!」 「おそいよ!またこれだけなの!くずなどれいはさっさとたくさんごはんをもってきてね」 「くじゅが!くじゅが!」 「どりぇい!どりぇい!」 「………」 ぽよんぽよんと跳ねながらでいぶの暴言のまねをする二匹の赤ゆたち。 三匹目の赤れいむは無言で俯いている。 「でいぶ!おちびちゃんたちのまえでそんなきたないことばをつかうのはゆっくりできないよ」 「くずどれいにむかってくずどれいといってなにがわるいのおおおおおおおおおおお! いいからさっさとまりさはごはんをもってくるかきえるかしてね!めざわりだよ!」 子供というのはすぐ周囲の言葉や言動を真似するものである。 親は子供の悪い見本にならないように注意しなければならない。 まあこのでいぶはこれらの言動を悪い事とは思っていないようだが…。 「さあ、おちびちゃんたち!ごはんをたべおわったらおかあさんと、すーりすーりしようね!」 「しゅーりしゅーり」 食後に思い思いの方法でゆっくりし始めるでいぶたち一家。 「…………」 それをなにか言いたげに見つめているまりさ。 「ゆっ!まだいたのまりさ!ゆふふふふ!わかったよ!でいぶのりっぱなおちびちゃんたちを見てうらやましいんでしょお! とうぜんだね!でいぶがこそだてしてるんだから!こんなにゆっくりしたおちびちゃんはほかにいないよ! いまさらくやんでもおそいよ!せいぜいこうかいしてね!」 見当違いの優越感を感じ得意になるでいぶ。 だがまりさが語ったのはまったく別のことだった。 「でいぶ!いつもそうやっておうちにおちびちゃんといっしょにずっとこもっているの? ちゃんとおそとにつれだして、そとのせかいをみせたり、かりのしかたをおしえたりしないとだめだよ! しょうらいゆっくりできなくなっちゃうよ!」 「ゆがー!いいかげんにしてね!くるたんびにくちだしばっかりしてええええええええええ! でいぶはおちびちゃんの『じしゅせい』を『そんちょう』しているのんだよ! おちびちゃんたちは、おそとになんていきたくないんだよ! おうちでおうたをうたっていたほうが、ゆっくりできるんだよ! こどもをおそとにだして、つらいめにあわせようなんてとんだげすおやだねええええええ!」 「自主性」を「尊重」。 なんでこの饅頭はこんな言葉しっているのであろうか? まるで最近の小学校を不登校にさせている母親のようだ。 これは子供がイヤということは無理やりやらせなくてもよい。 子供が本当にやりたいことをやってほしいという理屈である。 そういえばゆとり教育のテーマもこんなような感じだった気がしないでもない。 だがこのご大層に聞こえる理屈には一つの穴がある。 それは、子供がいやなことはやらなくてもいいけれど、その結果どうなるか? その責任は子供自身が背負っていかなければならないということだ。 でいぶは考えたことがあるのだろうか? 外に殆ど出たこともなく、ろくに自分で食料も確保できないゆっくりの末路を。 でいぶの親は運よくまりさ親子から食料を恵んでもらえた。 自分は運よくまりさと番になれたからいい。 だが子供たちは?巨大な群れならともかく、ゆっくり密度の低いこの森でそう都合よく行くだろうか? そもそも現在のでいぶの状況が、もうすでに異常といえる幸運の上に成り立っているこことにでいぶは気づいていなかった。 「…ふう…またくるよ」 そう呟くと、まりさは踵を返した。 このままではこの子たちはきっとだめになる。 いっそのことこの子らも自分が育てようか? いやだめだ。 とても自分ひとりでこれだけの数を育てることはできない。 それにでいぶが納得しないだろう。 無理にでも連れて帰れば、自分の住処まで押しかけてくるに違いない。 それではわざわざ別々の場所で赤まりさを育てている意味がない。 可哀相だが、切り捨てることも視野に入れなければならないかもしれない。 そう憂鬱な気持ちになりながら、おうちを後にしようとしたまりさの背中に、 「ま、まってね!」 一匹の赤れいむが声を掛けた。 この赤れいむはいつも遠慮がちにしている赤れいむだった。 「れ、れいみゅもおそとにつれてってね!」 「ゆゆっ!ほんとうに!」 驚いて振り返るまりさ。 だが、 「なにいってるのおおおおおおおおおおおおお!おそとはきけんなんだよおおおおおおおおおおおお! それにおそとではねまわったりしたら、きたならしくなるでしょおおおおおおおおおおおお! そんなこともわからないのおおおおおお!おちびはよけいなことしないでいでゆっくりしてればいいんだよおおおおお!」 でいぶの絶叫がそれを遮る。 「ゆっ、ゆう、でもれいみゅおそとがどうなってるかみてみたいよ! おうちでゆっくちするのもいいけど、でもそれはだけがゆっくりじゃなきがするよ!」 「なにばかなこといってるのおおおおおおおお!おうちでゆっくりおうたをうたうことこそがさいこうのゆっくりなんだよおおお! でいぶはおいびちゃんのためをおもっていってるんだよおおおおおお! それがわからないのおおおおおおおおおおおおおお!」 「でいぶ!でいぶはおちびちゃんの『じしゅせい』を『そんちょう』しているのんでしょ! だったらおちびちゃんのいうことをきいてあげるべきだよ!」 ここぞとばかりにまりさが訴えた。 今ならまだ間に合うのだ。 今ここで外にくりだすかどうかが、この子の将来に大きく影響するということを理解していたまりさは必死だった。 「ふん!まったくばかなこだねえ!こうかいしてもでいぶはしらないからね!かってにまりさのところにでもいけばいいよ!」 「ゆっ、ゆう…」 でいぶに拒絶され、意気消沈気味にうつむく赤れいむ。 それをまりさはやや強引に咥えて外に連れ出す。 「ゆう!いくよおちびちゃん!」 そう言ってまりさは外へ飛び出した。 そして赤れいむは生まれて始めて広大な外の世界を目撃することとなる。 「おちびちゃんたちただいま!」 「おかえりなちゃい!ゆゆ?もしかしていっしょにいるのは?」 「おちびちゃんたちのおねえさんだよ!きょうからまたいっしょにくらすからあいさつしてね!」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 「ゆ、ゆっくりしていってね!」 赤まりさたちの活発な様子にややたじろぐ赤れいむ 赤れいむは何か、この赤まりさたちから自分らにはなかった活力や活気のようなものを感じていた。 「それじゃおちびちゃんたち!かりにいくよ!」 「ゆっくりりかいしたよ!」 「ゆゆ?かり?」 聞きなれない言葉に首を傾げる赤れいむ。 「ゆっ!そうだよ!みんなでごはんさんを集めにいくんだよ!」 このまりさは、はやいうちから子どもたちに狩りのしかたを教えていたのだ。 もちろんまだ赤ゆっくりなので大したものはとれないし、量もほとんどゼロといっていいだろう だが大切なのはこういった経験を繰り返させて、食料をあつめるということはどういうことかを 身をもって体験させることが重要だとまりさは考えていた。 それになるべく子どもだけで留守番させるよりは、自分の目の届くところにいたほうがいいという理由も大きかった。 「?????」 赤れいむはまりさの言っていることがよく理解できなかった。 なぜわざわざ食料を集めるなどということに時間を割くのだろうか、と。 それも当然で、今までの流れから容易にわかることだが、でいぶは赤れいむたちに食料のとりかたなど教えていなかったからだ。 赤れいむにとってごはんとは、自分おなかをすかせたときにはいつも魔法のように目の前にすぐ現れるし、 おなかがすいてなかったときでもいつの間にか目の前にある。 そんな認識のものだった。 こんなことが続けば、対して努力しないでも食料は手に入ると考えてしまっても無理からぬことである。 「さあみんなしゅっぱつだよ!」 「「ゆー!」」 「ゆっ…ゆ」 困惑する赤れいむをよそに今日も家族での狩りが始まった。 そこで赤れいむは、はじめて知るたくさんの事実に驚愕し、失敗し、ふてくされ、しかし最後にはちいさなちいさな収穫と大きな満足を得た。 これらは家に居たのでは決して得られなかったものだろう。 赤れいむは一日にして今までの短いゆんせいの全て以上の体験をした。 「ゆふふふふ。 でいぶのおちびちゃんたちとってもゆっくりしてるよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! さあ!おかさんとすーりすーりしようねええええええええええええええええええええええ!」 「「ゆー!すーりすーり!」」 「ゆふふふおちびちゃん!でいぶのかわいいおちびちゃん!おちびちゃん!!おちびちゃん!!!おちびちゃん!!!!おちびちゃん!!!!! ゆぐふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ……… 触れ合うでいぶたち親子。 本来ならば微笑ましい光景のはずである。 しかしなぜだろうか……それは…なんとも…… 時は流れ、赤ゆっくりだった子どもたちも、子ゆっくりと呼べるほどに成長していた。 「くそどれぃぃい!おそいよ!またこれだけなの!ほんとつかえないねえ!」 「しね!ゆっくりしね!」 「どれいはさっさとごはをもってきてね!たくさんでいいよ!」 「……………」 ギャーギャと騒ぐでいぶと、子れいむ。 それを無表情で見下ろすまりさ。 別段でいぶたちの言動に飽きれや怒りを感じているというわけではない。 こんな暴言はいつものことだ。 ただこの子れいむの現状には少々感じ入るものがあった。 それはなんというかあきらめに近い感情だった。 やはりこうなってしまったか、という。 今や子れいむたちの姿は、成長期の偏った食事と暴食、運動不足により 健康な状態の楕円系とは程遠く、でっぷりと縦に太ったいわゆるナスビ型となってた。 非常にキモイ。 ろくに運動もしなかったため跳ねる事はできず、ずーりずーりと地面を這い蹲りながらでないと移動ができない。 口をひらけばしねだのくずだのどれいだのゆっくりできない暴言ばかり。 しかもお歌と称してゆぶーゆぶーと雑音を周囲に振りまく。 何も教えられず経験もしなかったために、当然最低限の生きる知識もない。 運動能力はぱちゅりー以下、知能はれいむ以下、口の悪さはげすまりさ以下、見た目の醜さはれいぱーありす以下 という欠点のハイブリットゆっくりとなっていた。 「ゆゆーん!でいぶのおちびちゃんかわいいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! さあ!きょうもおうたをうたおうねええええええええええええええええええええ!」 「ゆぶー!ゆぶー!」 「ゆっぐじぃ!ゆっぐじぃ!」 だがしかしでいぶにとってそんなことは何の関係もなかった。 なぜならば、でいぶはおちびちゃんがかわいいから。 理由はそれだけでいい。 「…でいぶきいてね!」 まりさが意を決して話しかける。 「ゆっ!まりさまだいたの!ゆふふふふ!わかったよ!ゆっくりしたおちびちゃんたちを見てうらやましいんでしょお! まりさのところにいるおちびちゃんたちはほんとにふこうだねぇ! でいぶのところにいればでいぶがこんなにゆっくりさせてあげたのにねぇ! おちびちゃんもそうおもうでしょお!」 「ゆっゆっゆっゆっ!」 「ゆばばばばばばば!」 「ゆゆーん!おちびちゃんかわ…『ごはんさんをもってくるのはきょうでさいごだよ』」 「…………は?」 静寂。 しかし次の瞬間でいぶのぷるぷると震えだし、凄まじい表情でまくし立てた。 「なにいってるのおおおおおおおおおおおおおおおお!ごはんさんをとってくるのはおやのやくめでしょおおおおおおおおお! ばかなのおおおおおおおおおおおお!しぬのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 「ごめんねでいぶ。 まりさはおやしっかくだよ」 「はあああああああああああああああああ!ふざけるなああああああああああああああああああ!」 「まりさはもう、まりさがそだてているこどもたちにせんねんしたいんだよ。 みんなとってもかしこくて、いい子にそだってるけど、まだまだおしえなきゃいけないことはたくさんあるよ。 こどもたちのたべるぶんもふえてきたし、そろそろまりさだけでぜんいんのこそだてとしょくりょうあつめはできないんだよ」 「だからこそだてはでいぶがするっていってるでしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! ぐずなまりさはとっととごはんだけよういしてればいいんだよおおおおおおおおおおおおおおお!」 「まりさもそうしたかったよ。 でも、ざんねんだけどでいぶにこそだてはまかせられないんだよ。 じぶんのこを、えいえんにゆっくりさせちゃうようなでいぶには」 「がああああああああああああ!あれはじこだっていってるでしょおおおおおおおおおおおおおおおお! おわったことをいつまでもむしかえしてえええええええええええええええ!」 無論、まりさがでいぶに子育てをまかせられない理由はそれだけでいはない。 いま目の前にいるどう見ても育児失敗といった子れいむを見ての判断もあるのだが、 それを言ってもでいぶは理解できないだろうと思ったまりさはあえてそのことを言わなかった。 「それじゃあねでいぶ。 おちびちゃんたちといっしょにゆっくりしていってね!」 「まてえええええええええええええ!まりさああああああああああああああああ! ゆぶ!」 去って行くまりさを追いかけようとしたでいぶだが、長い間の運動不足がたたってか、 なにもないところで豪快にすっころんでしまう。 「ゆぐぐぐぐぐぐぐ!このげすがあああああああああああああ! いくじほうきゆっくりめええええええええええええええええ!」 まりさは振り返らなかった。 自分が食料を届けなかったら、あの子れいむたちがどうなるかは何となく理解できた。 だからまりさは、自分が親失格だといったのだ。 仮にもし、でいぶの育て子が正常に育っていれば、まりさはムチャをしてでも全員を育てただろう。 だがああなってしまえば更生はほぼ不可能だろう。 どんな子でもわけへだてなく、育てろというのは確かに正しい。 だが正しいだけでは野生では生きていけないのだ。 「ゆがああああああああああああ!くそどれいめええええええええええええええ! さっさとしょくりょうもってこいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」 数日後。 そこにはおうちでただひたすらにわめくでいぶの姿があった。 まりさが去った当初、でいぶはまだこの事態を軽く見ていた。 なぜなら、いくらげすなまりさとはいえ、こんなにかわいいおちびちゃんを見捨てるはずがないと その内に後悔して、かわいいおちびちゃんのために食べ物を持ってこさせてくださいと 土下座して謝りに来るに違いない。 そう思っていたのだ。 しかし待てど暮らせどまりさはやってこなかった。 「ゆびー!おにゃかすいたよう!」 「げすなおやはさっさとごはんもってきてね!」 「ゆっ!おちびちゃん!」 しきりに空腹を訴える子れいむたち。 しかし実際にはいままで身体が変形するくらい食いだめしていることもあり、まだかなり余裕があるのだが、 今まで飢えるということが一度もなかった子れいむの辞書に我慢などという言葉は無い。 ただひたすらに食料をよこせと、貪欲に主張する。 「ゆぐぐぐぐぐ!しかたないね!おかあさんがごはんさんをとってくるよ! おちびちゃんはそれまでまっててね!」 このままでは子どもたちがゆっくりできなくなってしまう。 そう思ったでいぶは、しぶしぶながらもついに、外にに自分で食料を探しにいく決心をしたのだった。 「ゆふう!ゆふう!なんででいぶがこんなことを……」 ぜえぜえと息をしながら久しぶりに外の世界に出るでいぶ。 長い間の運動不足がたたってか、その動きはゆっくりだということを考慮しても酷く緩慢だった。 それにちょっと動いただけですぐにハアハアと息を切らしてちっとも前に進まない これではとても満足に食料を確保することなどできないだろう。 「ゆううう!まったくおそとはゆっくりしてないよ! こんなところにおちびちゃんをつれだしてるなんてまりさはとんでもないげすおやだよ!」 そう憤慨するでいぶ。 お外は危険な上に疲れるからゆっくりできない。 これがでいぶの基本的な考え方だ。 その認識自体はそう間違っているとはいえない。 だが、だからといって子どもをまったく外で遊ばせず、 家にずっと閉じ込めておくのが本当に子のためになるかはまた別の話である。 そういえば、とでいぶは思い出す はるか昔。 もうほとんど忘れてかけている赤ゆっくりだった時の記憶。 おうちでゆっくりしていたかったでいぶを、無理やり外に連れ出していたゲスな親が自分にもいたような? もう顔も覚えていないそいつは、でいぶの将来のためだとかぬかしてやがったが、余計なおせわというものだ。 まあ、そのげすな親はでいぶが子ゆっくりになるくらいには、いつのまにかいなくなって 今のとってもゆっくりしたおかあさんだけになったからよかったのだが もし、そのげす親がいつまでもおうちにいたらと思うとゾッとする。 きっと自分は今のような立派な親ゆっくりにはなれてなかっただろう。 「ゆっ!かんがえごとをしているひまはないよ!はやくおちびちゃんのためにごはんをさがさないと!」 でいぶはそう呟くと、再び不器用な食料集めを再開した。 「ふうふう!おちびちゃぁぁぁぁん!ゆっくりかえったよおおおおおおお!」 ボロボロのでいぶがおうちの前で叫んだ。 でいぶが必死になって集めた食料は、まずい草や虫の死骸など簡単に取れる物ばかり しかもいつもまりさがもって来る量の四分の一程度。 つまりまりさがいつも取っている総量の八分の一である。 だがでいぶの食料集めの経験がほぼないことを考慮すれば、奇跡といっていいほどの量である。 これでとりあえずの飢えはしのぐことはできるだろう。 まあ、口の肥えた子れいむたちがこれらの食料を食べることができればの話だが…。 とはいえ結果的にその心配はなかった。 「おちびちゃぁぁぁぁん!どこにいるのおおおおおおおおおおおお! へんじしてええええええええええええええええ!」 何故ならば、子れいむたちはおうちにいなかったからだ。 「ゆべー!ゆっくち!」 「ゆー!ゆゆー!」 でいぶがおうちにたどり着いたその頃、子れいむたちはくねくねとキモイ動きをしながら、森をふらふらとさまよっていた。 なぜ外に出たかというと、いつまでたってもご飯をもってこない使えないくず親にかわってれいむさまがじきじきにご飯を食べに行ってやろう。 と、まあよくあるそんな感じの理由だ。 しかし一度外に出てしまえば見るもの全てが新鮮な世界。 いかなおうち好きのれいむ種とはいえ、そこはやはり子ども つい空腹感も忘れ、いろいろと見て回っているうちに現在に至るというわけだ。 「ゆゆ!みたことないこがいるよ!なんだかいなかものっぽいかおしてるわね!」 「わかるよー!なんだかへんなからだだねー!」 と、そこへ子ありすと子ちぇんの姉妹が通りかかった。 この場所は普段二匹がよく遊び場として使っている場所だったのだ。 「「ゆゆゆ?」」 子れいむたちは驚いた。 それも当然。 なにせ今まで見たことがるゆっくりといえば両親であるまりさ種とれいむ種だけだったのである。 だがその姿形から、同じゆっくりであるということはかろうじて理解できていた。 同じゆっくり。 だが自分たちとは違う存在。 そこから導き出した子れいむたちの結論は 「ゆー!どれいはちゃっちゃとれいみゅたちにごはんをもってきてね!」 「たくちゃんでいいよ!はやくしてにぇ!」 …………だと思ったよ…… 「なにいきなりわけのわからないこといってるのかしら?このいなかものたちは!」 「なにいってるのかいみがわからないよー!」 これにたいして至極最もな反応を示す二匹。 そりゃそうだ。 「むー!なんなの?どれいのくせにれいむにさからうきなの!」 「ききわけのないどれはせいっさいするよ!」 予想外の反応にいきり立つ子れいむたち。 生まれてはじめての自身を否定する言葉にこの上ない怒りを感じていた。 奴隷の分際で、このれいむさまにたてつくとは絶対に許せない。 「「ゆっくりしねー!」」 言うが早いか子ありすと子ちぇんに襲い掛かるこれいむたち。 「なによ!このいなかもの!」 「わかるよー!けんかなんだねー!」 それに対して体当たりで応戦する二匹。 「「ゆぎゃーーーー!」」 見事に吹っ飛ばされる子れいむたち。 普段から外で遊びまわっている子ありすと子ちぇんとの実力の差は歴然としていた。 「ゆえーん!いたいよおおおおおお!」 「ゆあーーたちゅけてえええええ!」 ちょっところんだだけで、別に大怪我したわけでもないのに派手に泣き叫ぶ二匹。 だがその様子にちょっと悪い事したかなーと思った子ありすと子ちぇんは二匹に歩み寄ることにした。 「もう!きゅうにおそいかかってくるからいけないのよ!ほらだいじょうぶ?」 「わかるよー!やりすぎちゃったんだねー!ごめんねー!」 ケンカの後は仲直り。 基本である。 こうやって友達をつくり子ども同士の和を広げていくものだ。 そうこうしていくうちに他人との付き合い方や距離のとり方を覚えていく。 これは子れいむたちの成長への第一歩 と、なるはずだった………。 「ゆがあああああああああああああああああああああああああああああああああ! おちびちゃんをなかしているのはだれだあああああああああああああああああ!」 でいぶが現れるその時までは。 「ひっ!」 突然物凄い剣幕のでいぶの乱入に思わず声を上げる子ありす 子ども同士のケンカにまさかの親の介入である。 本来ならば有り得ない。 あってはならない事態である。 だがそんなことはおかまいなしに、子ありすを睨みつけるでいぶ。 「おまえかああああああああああああああああああああ! でいぶのおちびちゃんをなかしたのはああああああ!このげすれいぱーありすがああああああああ! しねえええええええ!ゆっくりしねえええええええええええええええええ!」 そう叫びながら、子ありすに向かっていき… グチャ。 子ありすはでいぶによって潰された。 「あっ、ありすううううう!わからないよおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 一部始終を目撃していたちぇんは恐怖からか脱兎の如く逃げ出した。 正しい判断だった。 いかにでいぶが愚鈍なゆっくりとはいえ、大人と子どもでは勝負にならない。 「ゆっふっふっふ!あくはさったよ!まったくでいぶのおちびちゃんをなかそうなんて とんだげすがいたもんだよ!ねっおちびちゃん!ゆっ?」 でいぶが子どもたちに視線を向けると、 「むーちゃ!むーちゃ!しあわせー!」 「うっめ!これめっちゃうっめ!」 なんと!子れいむたちは子ありすのクリームを貪っていたのだ! 「ゆー!だめだよおちびちゃん!そんなげすをたべちゃあ!ゆっくりできなくなるよ!」 でいぶが注意するが、どうにも論点がおかしい。 「うるちゃいよ!れいむはおなかすいてるんだよ!じゃましないでね!」 「もーしかたないねぇ!それじゃあおうちにかえってからむしゃむしゃしようね! おそとはゆっくりできないよ!はやくかえろうね!」 「ゆうー!ゆっくりわかったよ!」 ゆっくりを食うという禁忌をあっさりと見逃すでいぶ。 でいぶが子どもの要求を断るはずもなかった。 でいぶは子ありすの死体を持ち上げると、そのままおうちへと向かっていった。 子れいむたちもその後に続く。 そういえば親子でこうやって歩くのははじめてのことである。 でいぶはたまにはこういうのも悪くないなと思った。 「ゆふう!ゆふう!おとびちゃんのためにゆっくりごはんをさがすよ!」 次の日。 再び外でごはんを探しまわるでいぶ。 だがやはりろくな食料は集められなかった。 一日や二日で狩りが上手くなるようならなら苦労はない。 それならわざわざ小さい時から訓練させたりしないだろう。 当然今日の収穫も昨日取った分と大差なかった。 しかし、とでいぶは考える。 足りないようならば、昨日の様にほかのおちびを潰して与えればいいのではないかと。 ゆっくりを潰す事は悪い事。 さすがのでいぶもそのぐらいは理解していた。 だがおちびちゃんのためというなら話は別だ。 でいぶの特別なおちびちゃんをゆっくりさせるためなら、そのくらいのことは許されてしかるべきだろう。 「ゆーん!こんなことになるならあのときのげすちぇんをにがすんじゃなかったよ!」 一緒に潰しておけば、少なくとも今日の分の食料は確保できていたのにしくじった。 そんな悪魔的なことをでいぶは考えていた。 だが結果的には食料の心配をする必要はなくなった。 「おちびちゃぁぁぁぁん!どうしてえええええええええええええええええ! へんじしてええええええええええええええええ!」 何故ならば、おうちの子れいむたちは二匹ともズタズタにされ苦悶の表情をしながら息絶えていたからだ。 「なんでえええええええええええええ!どうしてえええええええええええええええええ! いったいだれがこんなことおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 勿論やったのは、昨日潰した子ありすの両親である。 あの惨事のあと息も切れ切れに両親のところに戻った子ちぇんは事情を話し、 親とともに再びあの場所に戻ったのだ。 現場には既にでいぶたちの姿はなかったが、かわりに子ありすのカスタードの後が点々と続いており それがこのおうちまでの道しるべとなっていたのだ。 そもそもあのナスビ子れいむが単独でたどり着けるような距離である。 でいぶのおうちとあの場所はそんなに離れていなかったのだ。 そんなわけで、親ありすとちぇんはでいぶがいないところを見計らい、報復として子れいむを襲撃したというわけだ。 野生の掟は基本的に、目には目を歯には歯をのハンムラビ法典式である。 これは怒りのままに行動して際限ない報復合戦になるのを避けるための知恵である。 例えばでいぶまで殺してしまうと、今度はでいぶの番や両親、友達などが今度は復讐にくる可能性があった。 このため腸が煮えくりかえってはいるが、ありすやちぇんはでいぶまでは手をださなかったのでる。 実際問題として潰す瞬間をじかに見ていない親二匹は、常識としてでいぶが殺意をもって子ありすを殺したなどとは思っておらず、 いわばはずみの事故として殺してしまったものと理解をしていたという側面もあった。 「ゆがああああああああああああああああ!うそだあああああああああああああああああ! こんなことあるわけないいいいいいいい!おちびちゃああああああああああんへんじしてえええええええええ!」 だがそんなことはでいぶの知る由もなく、 おうちの中をでいぶの絶叫がいつまでも響いていた。 「ゆっへっへっへ!おちびちゃん!どこかなぁあぁっぁああ! かくれてないででておいええぇえぇえええええええ!」 森のなかを虚ろな目をしたでいぶが、ふらふらとさまよっている。 その様子はどこからどう見てもまともなゆっくりのそれではない。 でいぶの餡子は、子どもが永遠にゆっくりしたとうい情報を受け入れていなかった。 おちびちゃんはきっとまたお外に出て行ってしまったんだ。 おうちの中にあった死骸はミセモノだ! そうであって欲しい。 そうに違いない。 ゆっくり特有の餡子思考でそう結論し、子どもを捜し続けるでいぶ。 すると、でいぶの耳にどこからか、なつかしい声が聞こえてきた。 「ゆゆ!ほらみておとうさん!きのみをみつけたよ!」 「ゆー!すごいよれいむ!これはなかなかみつけられないあまいきのみさんだよ!」 「おねえちゃんすごーい!」 「ゆへへ!」 それはでいぶのもとを去った、あのまりさ一家の声だった。 「あっ…あ、あああああああああああ!!!」 いた!いたよ!おちびちゃんが!でいぶのおちびちゃんがあんなところにいたよおおおおおおおお!!! なんてゆっくりとしたおちびちゃんなんだろう!あれこそが本当のでいぶのおちびちゃんの姿だよ! 今までのはなにかがおかしかったんだよ!こんどこそあのおちびちゃんといっしょにとってもゆっくりするよお!! 健康ですくすくとまりさに育てられた子れいむや、子まりさは、でいぶが育てていたナスビ型の子れいむより はるかにゆっくりとした子ゆっくりに成長していた。 きっとあっちがでいぶが育てるべき本当のおちびちゃんで、いままでのはきっと間違いかなにかだったのだ。 そうとわかれば、さっそく迎えに行かなければ! 「ゆああああああああああ!おちびちゃああああああああああああん! おかあさんだよおおおおおおおおおお!いっしょにおうちにかえろうねええええええええ!」 奇声を上げながら、まりさたち親子に向かって突っ込んでいくでいぶ。 「ゆっ!で、でいぶ!」 「お、おかあさん!」 突然のでいぶの登場に戸惑う一家。 「そうだよおおおおおおおおおおおおお!かあさんだよおおおおおおおおおおおおおおお! いままで、つらいおもいをさせてごめんねえええええ!これからはおかあさんがゆっくりさせてあげるよおおおおおおおお!」 そうのたまいながら、子どもたちに近づこうとするでいぶを、 「ちかづかないでね!」 ドンッ 「ゆべらっ!」 まりさが体当たりで跳ね返した。 「ゆがあああああああああああ!なんのつもりだ、このくそまりさがあああああああああああ! そこをどけええええええええええ!」 「でいぶ!きいたよ!ありすたちのこどもをえいえんにゆっくりさせちゃたんだってね! あのこありすと、こちぇんはとってもゆっくりとした、おちびちゃんのともだちだったのに! おかげでまりさたちのたちばもわるくなって、とってもめいわくしてるんだよ! じぶんのこばかりか、ほかのこどもたちまでてにかけるなんて、とんだげすゆっくりだよ!」 「げすはおまえだろおおおおおおおおお!だいたいあいつらはおちびちゃんをなかしたんだよおおおおおお! だからせいっさいしてやったんだあああああああ!なにがわるいいいいいいいいいいいいいいい!」 「!!!そんなりゆうで……。 でいぶ!もうにどと、まりさやおちびちゃんのまえにあらわれないでね! めいわくだよ!さあみんないくよ!」 そういい捨て、去って行くまりさ一家。 「ゆがあああああああああ!まてえええええええええええ! でいぶのおちびちゃんをつれていくなああああああああああああああ!」 体当たりのダメージがまだ抜けていないでいぶは追いかけることができなかった。 げすなまりさに無理やり連れて行かれる(でいぶの目にはそう映っている)可哀相なおちびちゃんたち。 「まっててねええええええ!おちびちゃああああああああああん! でいぶがからなずおちびちゃんたちをまりさからたすけだしてあげるよおおおおおおおお!」 それから数日後。 「ゆうう!こまったよ!」 まりさはすっかり参っていた。 あのでいぶとの遭遇してからというもの、スキあらばでいぶが子どもたちを取り返そうと襲ってくるのだ。 さいわいにして、今のところは大事には至ってないが、まりさとて24時間子ずっとどもたちを見張っている事などできない。 しかもあの危険なでいぶに付きまとわれていることは近所の噂にもなっていた。 子どもを潰してしまうような危険なでいぶが常に近くにうろついている子と仲良くするように言う親などいない。 仲が良かった子ありす子ちぇんの親子をはじめとして、ほかの付き合いがあった家族とはみんな疎遠となっていた。 他の子と遊べないのは子どもたちのためにもよくないだろう。 せっかくまりさが子どものときと違って、歳が近いゆっくりが周りに沢山いるというのにこれでは逆効果だ。 「ゆーん!いっそのことでいぶを……」 一瞬危険な思考がまりさの頭をかすめる。 いや!だめだ!一体何を考えているんだ。 いくらげすなでいぶとはいえ、ゆっくり殺しを犯したゆっくりの子が周りから白い目で見られるのは明らかだ。 それにあんなんでも一応産みの親だ。 子ども達の影響にもよくない。 そんなことを考えながらおうちに向かうまりさ。 だがしかし、 「みつげたよおおおおおおおおおおおお!おちびちゃあああああああああああ! さーあおかあさんといっしょにかえろうねえええええええええええええええ!」 「やべてええええええええ!」 「はなせ!おねえちゃんをはなせ!」 「なにやってるのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 おうちの前まで帰ってきたまりさが見たものは、おうちの中に侵入し、子れいむを連れ出そうとしてしているでいぶの姿だった。 なんということだ!今までおうちの場所はばれていなかったに、とうとう見つけられてしまったのだ。 「おちびちゃんからはなれてねぇぇぇえ!」 「ゆべし!」 まりさの体当たりがでいぶに炸裂する。 「でいぶ!いいかげんにしてね!もうまりさたちのまえにあらわれないでって、なんかいいったらわかるの!」 「ゆっへっへっへっおちびちゃあああああああん!」 ゾクリ。 でいぶのもはや正気とはいえない目を見て、まりさは寒気がした。 もうだめだ。 こいつは既にまともじゃない。 子どもを失ったショックでおかしくなってしまったのだ。 きっともう口で言ってどうこうできる相手ではない。 何度追い返しても決して諦めないだろう。 もう、逃げる以外の方法がない……。 「おちびちゃん!まりさといっしょにこのもりからでるよ!」 「ゆえええ!そんな!」 「どうして!れいむこのばしょがきにいってるよ!」 「まりさだってそうだよ!でもこのままじゃみんなゆっくりできなくなっちゃうんだよ!さあじゅんびして!」 あの後、なんとかでいぶを追い返したまりさは、子どもたちに引越しをすることを告げた。 まりさとて、住み慣れたこの森を離れ、別の場所へ移り済むのは嫌だった 道中危険もあるだろうし、自分たちが上手く住める場所が都合よく見つかるとも限らない。 だがしかし、どんなに追い返しても、この森内で自分たちの居場所を変えたとしても、でいぶは決して諦めないだろう。 もう残された手段はこの森から出て新天地を目指すほかなかったのだ。 こうしてその日の夜、まりさ一家は住み慣れた森を後にし、新たなるゆっくりプレイスを目指した。 道中さまざまな危険な目に遭いながらも、一家は力を合わせて乗り越え、やがてある群れにたどり着くのであった。 そして時は冒頭へと巻き戻る。 「ゆっくりかえったよ!」 「むきゅ!おかえりなさい!きょうはおそかったわね!」 「ほんとうよ!こどもたちがまちくたびれちゃったわ!」 「ゆー!ごめん!ぱちゅりー!ありす!」 ここはあれからまりさがたどり着いた群れの長であるぱちゅりーとその番であるありすのおうちである。 森を出てから放浪していたまりさ一家は運よくこの群れにたどり着き、受け入れられることとなったのだ。 群れに属すのは初めての経験だったまりさだが、 優秀で善良な個体だったため、群れのみんなとは、すぐ打ち解けれられたのだった。 群れには、昔個別に生活していたときと違い、掟があったがそれはすっきり制限をきちんとすることとか ほかのゆっくりに迷惑をかけてはならないとかそういった類のもので、まりさには何の苦もなく受け入れらた。 まりさのようなきちんとしたゆっくりにとっては、群れとはとても居心地の良い場所だったのだ。 「ゆーおとうさんおかえりなさい!」 「ゆー!きょうはぱちゅりーからおやさいさんのことをおそわったよ! おやさいは、にんげんさんがはたけでそだててるんだって!」 子れいむと子まりさたちが、出迎える。 シングルマザーであるまりさは、自分が狩りに行っている間子どもたちをぱちゅりーのところに預かってもらっていたのだ。 これにはまりさはかなり助けられていた。 まりさの子どもたちは、狩りをしたり、おうちをつくったりと、実践的な能力は悪くないのだが、 知識的な能力は、まりさだけでは教えきれていなかったのだ。 その点このぱちゅりーは長をしているだけあって知識は申し分なく、まりさは安心して狩りに集中できたのだ。 まあ、それも今日でいぶに遭遇するまでの話だったが…。 「ゆう……」 「むきゅ?どうしたのまりさ、くらいかおをして」 「ゆっゆう…」 まりさは迷ってた。 今日会ったでいぶのことを話すかどうか。 あのでいぶはこのままほおって置けば、自分はもちろん群れのゆっくりたちに対しても迷惑をかけるに違いない。 その元つがいや子どもが群れにいるとなればみなはどんな顔をするだろう? それに、まりさたちがやって来なければ、あのでいぶが群れに来なかったという見方もできる。 以前居た森以上にゆっくりたちの繋がりが強い群れのことである。 いわゆる村八分にされてしまうかもしれない。 それではまた以前と同じことの繰り返しだ。 折角得た安住の地である。 もう引っ越しはごめんだった。 「ゆう!ぱちゅりー!ありす!こどもたちをおうちにおくったらそうだんしたいことがあるんだよ!」 結局まりさはでいぶのことを隠さず、全てを話すことにした。 この長ぱちゅりーやありすはかなり賢く、話のわかるゆっくりだ。 なにかいい対策を考えてくれるかもしれないし、事前に話を通しておけば村八分も防げるかもしれない。 「ゆ!わかったわ!それじゃああとでね!」 こうしてまりさはいったんおうちに帰るったあと、二匹に事情を説明する事となった。 「ゆー!それはとんだいなかもののでいぶね!」 「むきゅ!はなしはわかったわまりさ!」 「ゆっ!ほんとう!」 こどもたちをおうちで寝かしつけた後、まりさはぱちゅりーとありすに今までの事情を説明したのだった。 「ぱちゅりーきいたでしょ!そんなおちびちゃんをつぶすようなでいぶをむれにいれるわけにはいかないわ! こんどやってきらたみんなでおいだしちゃいましょう!」 そう憤慨するありす。 このありすは子ども好きなのだ。 でいぶが過去に子どもを潰した事があると聞いて怒りの様子を見せる。 「まあまって、ありす!これはれいむのほうの、しゅちょうもきいてみないとはんだんできないわ!」 「ゆっ!まりさうそついてないよ!」 ぱちゅりーの発言に反応するまりさ。 自分の言っていることが信用できないとはとても心外だった。 「まりさがうそをついてるとか、そういうはなしじゃないの! おさとして、かたほうのはなしだけをきいて、いっぽうてきにはんだんをくだすわけにはいかないわ! こんどみんなで、そのでいぶのはなしをききにいく。 そのうえでどうするかをきめることにするわ!」 「ゆう!わかったよ!」 たしかにぱちゅりーの言うとおりだとまりさは思った。 それにしてもこのぱちゅりー本当に賢い。 さすが群れの長をしているだけのことはある。 まりさがしきりに関心していると、 「ふふふ!ぱちゅりーはときどきこのむれにかくにんにやってくるにんげんさんにいろんなことをおそわっているのよ!」 と、ありすが教えてくれたが、まりさにはなんのことかさっぱりわからなかった。 きっとこの話しとはなんの関係もないんだろうと思った。 次の日 「おちびちゃあああああああああああん!でいぶのかわいいおちびちゃああああああああああん! どこにいるのおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 群れの近くの森をでいぶがふらふらとさ迷っていた。 それにしても、このでいぶ、こんななりでよくここまでたどりつけたものである。 いくらまりさたちが、子連れで、移動スピードがそれ程はやくなかったといっても、 何処へ向かったかわからないまりさ一家の追跡に成功するとは恐るべき強運とカンの良さである。 でいぶとよばれるゆっくりは、理由は不明だがその特徴の一つとして時折物凄い強運を発揮するという例が幾つも報告されている。 あるいはこのでいぶもそうなのかもしれなかった。 だが、その強運も今日終わる。 「むきゅ!そこまでよ!でいぶ!」 「ゆゆ?」 でいぶはふらふらしていて、気づかなかったが、いつのまにか周囲をたくさんのゆっくりに囲まれていた。 「なんなの?でいぶはいそがしいんだよ!じゃましないでね!」 そこはさっすがのでいぶさん。 大勢にかこまれてもまったく怯んだ様子がない。 それどころか周囲を噛み付かんばかりの勢いだ。 まあ確かに現時点ではでいぶには何の非もないのでその態度もわからないこともないが。 「でいぶ!ゆっくりぱちゅりーのいうことをきいてね!」 と、そこへまりさがでいぶの前に現れた。 こどもたちも一緒である。 「ゆあああああああああああああああああ!おちびちゃああああああああああああああああん! やっとあえたよおおおおおおおおおおおおおおお!」 でいぶが飛び出そうとするが、となりにいたみょんとちぇんにおさえつけられた 「おとなしくするみょん!」 「わかるよー!うごかないでねー!」 「ゆがあああああああああああ!なだおまえらああああああああああああああああ! じゃまするなああああああああああああああああああああああ!」 でいぶが激しく暴れるが、両脇をがっちり押さえられているため身動きがとれない。 「でいぶおちついて!わたしたちはあなたのはなしをききたいだけよ! あなたのしょうじきな、しゅちょうがすじのとおったものなら、このむれでおちびちゃんといっしょにくらせるわ!」 「ゆっ!ほんと!だったらはやくしてね!ぐずはきらいだよ!」 おちびちゃんと暮らせると聞いて、途端に大人しくなるでいぶ。 反対にまりさには緊張が走っていた。 でいぶの主張が認められることなど有り得ない。 そう確信していても、もしぱちゅりーがでいぶのほうを信用してしまったらと思うと気が気でなかったのだ。 だがもうここまできてしまったらあとは、ぱちゅりーを信じるしかない。 「それじゃあしつもんするわね。 うまれたばかりのあかまりさたちが、くきをたべようとしたとき、 じゃまをしたというのはほんとう?」 「ゆゆとうぜんだよ!でいぶににたおちびちゃんたちが、まだたべてるのによこからたべようとしたんだよ! こんなげすをせいっさいするのはおやとしてとうぜんのつとめだね!」 さも当然というふうに語るでいぶ。 だが、にわかに周りが険悪な空気になった感じした。 それはでいぶに対する、不審や軽蔑からくるものだが、とうのでいぶは何処吹く風である。 「むきゅ!それじゃあつぎのしつもんね!おうたをうたうのをいやがったあかまりさをせっかんして、 えいえいんにゆっくりさせてしまったのはほんとう?」 「ゆーまたそのはなしなの?ほんとしつこいねえ! だからあれはおちびちゃんが、かってにえいえんにゆっくりしちゃたんだよ! でいぶのせいじゃないよ!」 「でもでいぶがたいあたりをしたんでしょ?」 そう問いかけるぱちゅりー。 「そうだよ!ききわけのないこだったからせいっさいしてやったんだよ! あいのむちだね!ゆゆ!でいぶのこそだてがじょうずすぎちゃってごめんねー!」 ざわ…ざわ… みなのでいぶにたいする嫌悪感は、こんどはよりはっきりとしたざわめきとなりあたりを包んだ。 「むきゅ!みんなせいしゅくに!それじゃあつぎのしつもんね……」 ぱちゅりーは様々な質問をした。 子どもたちが望むままに同じものばかりを与えていたのは本当か? 子どもたちをずっと家に押し込めていたのは本当か? などなど。 でいぶは得意げにその通りと答えていたが、周りの視線はでいぶの子育て方法に対してあきれかえり、二の句が告げない状態だった。 そして決定的だったのが次の質問だ。 「でいぶ!じぶんのこどもとあそんでいた、ほかのこゆっくりをえいえんにゆっくりさせてしまったのはほんとう?」 「はあああああああああああああああ!なにいってるのおおおおおおおおおおおおおおおおお! あいつらはでいぶのとくべつなおちびちゃんを、なかせてたんだよおおおおおおおおおおおおお! あんなげすはしんでとうぜだよ!ほんらいならそのくそおちびのおやが、せきにんをもってつぶすべきところを でいぶがかわりにせいっさいしてやったんだよおおおおおおお!」 「ぱちゅりー!もうこれいじょうのしつもんはじかんのむだよ! こんないなかもののでいぶははじめてみたわ! いっぽたりとも、こんなきけんぶんしをむれにいれるわけにはいかないわ!」 でいぶの悪行に堪え切れなくなったのか、ありすがそう叫び、周囲のゆっくりたちもそれに頷く。 いまや周りのゆっくりたちは、はっきりとした敵意の目ででいぶを見つめていた。 「むきゅう!それもそうね…」 本来ならまだまりさ一家への迷惑行為の真偽を問う質問が残っているのだが、この様子では余罪は明らかだろう。 「むきゅ!わかったわ!むれのおきてにより、でいぶはえいきゅうついほうよ! こんごいっさいのむれへのでいりをきんしするわ! むりやりむれへ、しんにゅうしようとしたら、みつけしだいせいっさいするからそのつもりでいてね!」 「はあああああああああああああ!なにいっるのおおおおおおおおおおおおおおおおお! はなしがちがううううううううううううううう!でいぶうそついてないよおおおおおおお!」 「そうね!あなたはうそをついていない!まりさのはなしといっちすることからそれはあきらかね! でもねでいぶ!うそをついていたほうがまだまだすくいがあったかもしれない あるいは、あなたはとっても『じゅんすい』なゆっくりなのかもしれないわね!」 嘘をつくということは理由はどうあれ、それが社会的に悪いことであると認識しているということである。 だがでいぶは嘘をつかなかった。 全ての真実を自信満々に語った。 それは自分が正しいと確信していたから。 「ゆがああああああ!わけわかんないこといってるぱちゅりーはゆっくりしんでね! とにかくでいぶはおちびちゃんとゆっくりするよおおおおおおおおお! はなぜええええええええ!そこをどげえええええええええええ!」 じたばたと暴れるでいぶ 「みょん!おとなしくするみょん!」 「わかるよー!こいつになにをいってもむだなんだねー!」 だが屈強なみょんとちぇえんに押さえつけられてるでいぶは全く抵抗できない。 「ゆううううううなんなのおおおおおおおおおお! でいぶはおちびちゃんとゆっくりしたいだけなのにいいいいいいい! ゆっ!そうだ!おちびちゃあああああああああああん! おちびちゃんからもなんとかいってえええええええええええええ! おかあさんといっしょがいいってこのげすどもにいってやってええええええええええ!」 そうだった。 でいぶの中では、子どもはまりさによって無理やり連れてかれているというストーリーだったのだ。 だからでいぶは、子どもたちの口からでいぶがいかに求められているかをみなに聞かせようとしたのだった。 きっと子どもはでいぶに助けを求め、その子育てを賞賛し、自分と一緒にいたいと言うに違いない。 それを聞けば、周りのバカなげすどもも、誰が親として相応しいか納得せざるを得まい。 そうだ!はじめからこうすればよかったんだ!でいぶがいかにおちびちゃんから求められ………… 「……………………しね」 「…え?」 なんだ?今なんて言った?何かとてもゆっくりできない言葉が聞こえたような… 「おかあさんなんかゆっくりしんじゃえ!かおもみたくないよ!」 「そうだそうだ!まりさたちをさんざんおいかけまわして!なにかうらみでもあるの!」 「かえせ!むかしころしたおねえちゃんをかえせ!」 「????????」 どうして?、え、あれ、だってでいぶはおちびちゃんを、なんで?、しねってどうくこと? でいぶはおかあさん、おちびちゃん?、しね?、でいぶに? 「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ! どうじでぞんなごというのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! でいぶはおちびちゃんのためにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」 己の全存在を子どもたちから否定され、混乱状態のでいぶ。 「いいかげんにするみょん!」 「わかるよー!にどとむれにちかづかないように、みんなでぼこぼこにしてむれのそとにほうりだすんだねー!」 その様子に業を煮やしたみょんとちぇんは、でいぶを周囲のゆっくに向かって放り出した。 「そうだやっちうよ!」 ドン 「ゆげらはあああ!」 「こどもたちにあんなにきらわれるなんてさいていのおやだよ!」 ズカ 「ゆびばあああ!」 「まったくあんなでいぶみたことないね!」 バキ 「ゆびいいいいいい!」 「あんなおやにはなりたくないよ!」 ドカ 「ゆべら!」 「かまうことはないよみんなでふくろにするよ!」 ボカ、ガン、グサ、ズゴ、グチャ 「ゆがあああああ!もうやべてえええええええ!」 でいぶは群れのゆっくりから体当たりをされたり、石を投げられたり、木の枝で刺されたりと、ボコボコにされた。 「さっおちびちゃんもういくよ!」 子どもの影響に悪いと思ったのか、まりさがそそくさと子どもたちをつれてその場を後にする。 これを最後のにでいぶとまりさ一家が面と向かって会うことはもう二度となかった。 「はあ、はあ、どじで!でいぶなにもわるいことしてない!」 群れのみなからせいっさいされ、ぼろぼろになったでいぶは群れの外れにある森で放置されていた。 今のところ命に別状はないが、これから先でいぶが一匹で生きていくのは難しいだろう。 「ほんとうになにがわるかったのかわからなかったのかぜ?」 と、そこに一匹のまりさが話かけてきた。 このまりさもあの群れの一員であり、当然一部始終を目撃していた。 にもかかわらず、わざわざせいっさいされたでいぶに話しかけるとは物好きなまりさもいたものである。 「しらないよ!そんなこと!でいぶわるくないよ!」 本音だった。 一体何が悪いのかでいぶにはさっぱりわからない。 「どうじてじぶんはわるくないとおもうんだぜ?」 「とうぜんでしょ!でいぶはおちびちゃんをゆっくりさせようとがんばったんだよ! おうたをうたったり、すきなものをたべさしたり、おちびちゃんのためをおもって…」 「どうしてそれがおちびちゃんのためだとおもったんだぜ?」 「ゆ?そ、それはでいぶのおかあさんからそうしてもらったからだよ! でいぶはそれでとってもゆっくりできたよ! だからでいぶもおなじように、おちびちゃんにそうしてあげてるんだよ!」 「それで、でいぶはいまゆっくりしているのかぜ?」 「そんなわけないでしょおおおおおおおおおおおおおお! なんなのおおおおおおお!さっきからしつもんばっかりいいいいいいいいい!」 イライラする。 なんなんだこいつは。 このまりさの姿、声、全てが癇に障る。 それはすっと昔のゆっくりできない思い出のまりさに…… 「それならよろこぶべきなのぜ、でいぶがいままでどおりのこそだてをしていたら でいぶのおちびちゃんも、ゆっくりできないゆっくりにせいちょうするところだったのぜ!」 「そ、そんなわけないでしょおおおおおおおおおおお! それはみんながいじわるするから……」 「どうしていじわるされるのか、かんがえたことがあるのかぜ?」 「しらないよ!でいぶのおちびちゃんはとくべつなんだよ!」 「じぶんのおちびちゃんをとくべつにおもうことはわることじゃないんだぜ でもそれはほかのおやたちにとってもおなじことなのぜ じぶんのおちびちゃんがつぶされるかもしれないとおもったら、だれだってでいぶにいじわるしたくなるのぜ」 「ゆぐぐぐぐ、でも、でも……」 「でいぶ。 おちびちゃんをゆっくさせてやるのはいいことなんだぜ でも、でいぶがいなくなったあとおちびちゃんたちはどうなるんだぜ? いままででいぶにたよりっきりだったおちびちゃんはどうやっていきていくんだぜ?」 「ゆっうううううう。 ………そんなのわからないよ!!!!! だってそんなことおかあさんおしえてくれなかったよ! でいぶはなにもしないでただゆっくりしてればいって! おうたをうたいながらたくさんのこどもをつくって、ずっとゆっくりしてればいいって!!!! なんで!!どして!!それはまちがってるの?」 「………まちがってるんだぜ… おやは、ただこどもをゆっくりさせれば、それでおやになるわけじゃないんだぜ やがてひとりだちするときにそなえて、いろんなちしきや、けいけんをつませてやるのがほんとうのおやのつとめなんだぜ でいぶのやりかたじゃ、こどもたちはしょうらいゆっくりできなくなってしまうのぜ ちょうどいまのでいぶのように……」 「ゆあああああああああああ!そんなの!そんなこといまさらいわれたって!!!!」 『あるいは、あなたはとっても『じゅんすい』なゆっくりなのかもしれないわね!』 ぱちゅりーは最後にそう言った。 あるいはそれは正しかったのかもしれない。 だかこそでいぶは育ての親のれいむ教えを忠実に守った。 それが子どものためになると信じて。 だが、でいぶの行為に同情の余地はない。 生まれたばかりの子まりさを差別したり、子ありすを潰したりと、身勝手な行動も散々してきた。 しかしきちんとやってよいことと、悪いことの区別をしっかり教えられていればあるいは…… いや、やめよう。 でいぶはでいぶ。 その事実はなんら変わる事はないのだ。 「……ごめんだぜでいぶ。 これはまりさのせきにんでもあるんだぜ」 「え?」 「まりさはにげだしたんだぜ。 いうことをまるできないあかゆっくりと、 いえでもんくばかりいうつがいのれいむから… まりさはいくじほうきでさいていのげすゆっくりなんだぜ」 そう。 このまりさは、 「おとうさんなの!?」 「ごめんだぜでいぶ。 まりさがもっとしっかりいろんなことをおしえていれば でいぶはこんなことにならなかったかもしれないのぜ」 でいぶは赤ゆっくりのころ親まりさのことが嫌いだった。 ゆっくりできない外には連れ出すし、あれをするなこれをするなと口うるさくぜんぜんゆっくりできない。 それに対して、親れいむはでいぶのことをとってもゆっくりさせてくれた ごはんも好きなだけ食べさせてくれたし、おうたも歌ってくれた。 でいぶは子どもながらに、自分をゆっくりさせない親まりさは自分のことが嫌いなのではないかと思っていた。 だから言うことをきかなかったし、余計に親れいむにたいする依存が強くなってった。 だが現実は違ったのだ。 親まりさはしっかりでいぶのことを考えていた。 実際問題として、親れいむと同じ教育をしていたでいぶの赤れいむがナスビ型になったのに対し、 でいぶがナスビ形になっていないのは、赤ゆっくりから子ゆっくり間の教育に親まりさが加わっていたからである。 以前のでいぶならばそんなことを言っても否定しただろう。 だが今まで自分が歩んできた経験の結果として、この今の自分の惨めなありさまを直接に体験した結果として でいぶは親まりさの言うことが正しかったと認めざるを得なかった。 「ゆう…それじゃいままででいぶがしてきたことは……」 ここにきてやっとでいぶは理解した。 自分は最低のゆっくりだった。 最低の親だった。 自分は………『でいぶ』だった。 そして時は流れ 「ゆううう!おとうさん!しなないでね!でいぶひとりになっちゃうよ!」 「でいぶ、ごめんだぜ!まりさはもうだめなのぜ さいごにすこしだけだけど、でいぶとくらせてよかったのぜ」 あのあと、でいぶたち親子は二匹で生活を始めた。 でいぶは一匹では生きれなかったし、 まりさにはこうなってしまった贖罪の意味もあっただろう。 まりさはでいぶに狩りのしかたや、おうちのつくり方など生きるための知識を授けた。 でいぶは真剣にそれに取り組んだ。 それは失った時をもどす儀式のようなものだったのかもしれない。 そしてまりさの寿命がきた。 昔親れいむと別れたあと、自暴自棄になり、 群れにたどり着くまで散々ムチャしてきたツケが回ってきたのだ。 でいぶは穴を掘り、親まりさの死体を埋め簡単な墓を作った。 墓の前ででいぶは呟く。 「さよならおとうさん。 おちびちゃんが近くにいるこの場所で、でいぶだけで暮らすのは辛いからでいぶはもう行くね。 でいぶはわかったよ。 でいぶは、自分も、おちびちゃんも、まわりのゆっくりたちも不幸にするゆっくりのことだよ。。 そして、でいぶはまた次なるでいぶ生み出すよ。 でいぶも危うく自分のおちびちゃんをでいぶにするところだったよ。 今思えば、番のまりさはとっても優秀なゆっくりだったんだね。 でいぶにはもったいないまりさだったよ。 でいぶはこれから同じでいぶを探す旅に出るよ。 どこまでできるかわからないけど、同じような悲劇が起こらない様になんとか努力してみるつもりだよ。 それだけが、でいぶにできる唯一のことだよ。 それじゃあね。 おとうさん、おちびちゃん、まりさ。 もう二度とでいぶはここにはこないから安心してね。 」 それだけ言うと、ポヨンポヨンと音をたてでいぶは群れとは反対方向に去って言った。 「…ゆっぐじ…じでいっでね!れいむ!」 墓の後ろの木の陰で、一匹のゆっくりが泣いていた。 おしまい。

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HKT48の次世代コンビ“いぶはる”「『あさりちゃん』は大好きで100巻まで集めました」

いぶ ちゃん の き せき

現在、 いぶちゃんさんの航空フォトは、投稿されています。 マイベストショット• 空港:• 航空会社:• 機材:• 空港:• 航空会社:• 機材:• 空港:• 航空会社:• 機材:• 空港:• 航空会社:• 機材:• by 最近の投稿 新着写真の 8枚を紹介しています。 空港:• 航空会社:• 機材:• 空港:• 航空会社:• 機材:• 空港:• 航空会社:• 機材:• 空港:• 航空会社:• 機材:• 空港:• 航空会社:• 機材:• 空港:• 航空会社:• 機材:• 空港:• 航空会社:• 機材:• 空港:• 航空会社:• 機材:•

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