少年 の 日 の 思い出 エーミール。 少年の日の思い出

少年の日の思い出でディペートをします論題は僕とエーミールのど...

少年 の 日 の 思い出 エーミール

【怒りのボルテージ】 怒りと言う感情は様々な身体表現を通して、表に出てきます。 怒鳴ったり、嫌味を言ったり、睨んだり。 時には、物に当たったり、ドアを蹴っ飛ばしてしまったりして怒りを表すことはよくあることです。 けれど、炎と一緒で、人の怒りも解りやすく赤々と燃え盛っている時よりも、静かに。 赤を通り越して、青色に、一定の揺らぎも無く燃えている時の方が温度が高いように、目に見えて解りやすく表現されている時よりも、静かに。 何かを押し殺したように必要以上に静かな時の方が、怒りのボルテージは上です。 少なくとも、小説の中ではそう表現される事の方が多いことを、頭の片隅に置いておいてください。 もしくは、怒りが酷すぎて振り切れてしまい、怒鳴ることすらできない場合や、既に相手を「怒鳴る価値もない人間」として見ている時すら、あり得ます。 まだ怒ったり、怒鳴ったりしている方が、怒りのレベルは低いのです。 そして、この大切な蝶を壊されたエーミールも、一切怒鳴るような行動は取らず、静かに。 ただ、静かに主人公を正面から見つめていただけです。 【蝶を壊してしまった後の主人公の行動】 保身の為に、盗んだ蝶をとっさにポケットの中に入れてしまった主人公は、一瞬蝶の事など頭の中から抜け落ちます。 そして、この蝶を持っていてはならない。 元通りにしなければと、エーミールの部屋に戻り、ポケットの中に突っ込んだ手を取りだして、絶望します。 その美しい蝶が壊れてしまった姿を、見ていることが、心を苦しめます。 自分が盗みをしてしまった、卑劣な人間だという責め苦よりも、壊れた美しい蝶を見続けることの方が苦しかった。 直すことなど、考えることすらできなかった。 しかし、ここでも主人公の保身の気持ちが行動に表れます。 感情が併記されていませんが、その部分の行動にこそ、真意が隠れている事を、決して軽視しないでください。 人間の本心は些細な行動に表れるものです。 「悲しい気持ちで僕は 家に帰り、夕方までうちの小さい庭の中で腰かけていたが、」 本文 もし、あなたが友人や知人の物を不当に壊してしまったとしたならば、どうしますか? あなた以外、それを壊した事は、誰も知らない。 そんな状況下で、壊した物が目の前にあります。 そこは、友人の家です。 そこに留まり、友人が帰ってくるのを待つでしょうか。 それとも、逆に、自分が居たという痕跡を消して、帰ってしまうのならば、あなたはどういう気持ちで帰りますか? 考えていることは? 本当に謝る気であったのならば、そのまま主人公はエーミールが帰ってくるのを待つはずだった。 子どものすることだから、ついやってしまったんだと思いがちですが、書いているのは小説家です。 主人公の行動には、必ず意味があります。 とくに、ヘッセともなれば、計算して書いていることは容易に想像が付きます。 主人公は、己の保身の為に、エーミールに謝る気などなかった。 蝶が壊れたことは悲しかったけれど、自分が盗みをしてしまったこと。 そして、弾みであったとはいえ、蝶を壊してしまった事を、エーミールに話すつもりなどなかったのです。 それが次の台詞からも解ります。 主人公は、夕方になり、母にこのことを告白します。 でも解説しましたが、告白は 「自分の罪を話し、共感を相手から得ることで、許しを得ること」です。 主人公は、母親にこのことを話すことによって、なんとかしてもらおうと助けを求めました。 それは、自分の罪を自覚していたからではありません。 時間がたてば、階段ですれ違ったお手伝いさんの証言から、クジャクヤママユを潰してしまった人物が自分だと知れてしまうだろう。 そうしたら、あのエーミールのことだ。 どれだけ声高に、盛大に自分の罪を皆に話して、学校で攻め立てられる事になるのか。 そう思ったら、怖くてたまらなくて話したのです。 「あの模範少年でなくて、 ほかの友達だったら、すぐにそうする気になれただろう。 彼が僕の言うことを分かってくれないし、恐らく 全然信じようともしないだろうということを、僕は前もって、はっきりと感じていた。 」 本文 何故、主人公は、エーミールが相手だと、話す気になれないのか。 それは、エーミールがとても頭が良く、本能的にその場しのぎの言いわけは通じない事を悟っていたからでしょう。 蝶を潰すつもりなんか、なかった。 見るだけで良かったんだ。 たまたまなんだ。 たまたま、魔が差しただけなんだ。 その言葉すべてを否定されるだろうことを、主人公は心のどこかで解っていた。 なぜか。 【言いわけの裏側にある本音】 主人公は、恐らく自分の言葉が薄っぺらい良いわけであることを、心のどこかで解っていたはずです。 けれども、自覚はなかった。 自覚が無い、というよりも、 自分の卑劣さを見つめ、理解し、受け止めるだけの勇気がなかったと言い換えてもいいかもしれません。 けれども、それをエーミールには見抜かれてしまうだろう。 いや、見抜かれなかったとしても、通用などしないだろう、と本能的に解っていた。 彼の洞察力の高さと観察力。 そして指摘する部分の的確さは、他の誰よりもずば抜けていた。 彼にはかなうはずがない。 だから、自分の言いわけなど、粉砕されてしまうだろう。 そして、攻め立てられるだろうということを、恐れていたのです。 ここで、主人公の本音に迫りましょう。 エーミールが、主人公の言い分を、他の友人たちのように聞き入れることや、信じてもらうことによって、主人公はどうなるでしょうか。 確かに、僕は蝶を盗んだ。 でも、それは魔が差しただけなんだ。 あまりにも、蝶が魅力的だったから。 そして、蝶を壊したのも、僕だ。 咄嗟のことで、故意にやったわけじゃない。 信じてくれ。 この二つの言いわけは、次の言葉に全て帰着します。 だから、僕が悪いわけじゃない。 誰も悪かったわけじゃない。 たまたま、本当にたまたま誰もいなかったから、ついあまりにも蝶が美しくて、手が出てしまった。 盗みをしようなんて、これっぽっちも思っていなかったんだ。 たまたまなんだ。 蝶が壊れたのは、 不幸な事故なんだ。 だから、許してくれ。 言いわけをする。 理解をしてもらう、というのは、基本的にこの部分に帰着します。 誰もが自分は良い人だと思いたいし、言い分はどんな犯罪者にもあるものです。 けれど、主人公はここで大きな罪を犯します。 エーミールの怒りに火をつけたのは、この謝罪ではなく、彼が頭の中から抜け落ちていた部分。 蝶が好きだと言いながら、蝶を壊してしまった彼の行動が全て自分の罪を軽くするための行動であり、 蝶自体を壊してしまった後悔が無かったことです。 もし、本当に好きなものを自分の手で壊してしまったとしたならば、人間はどんな行動をとるでしょうか。 あなたの一番好きな物を、とっさのこととは言え壊してしまったのだったら……あなたはどうしますか? 答えはまた、明日。 ここまで読んで頂いて、ありがとうございました。

次の

『少年の日の思い出』ヘルマン・ヘッセ|教科書のあらすじ&感想文|作者が伝えたいこと|ほんのたび。読書感想文とあらすじ

少年 の 日 の 思い出 エーミール

ポイントは、エーミールの 「けっこうだよ。 僕は君の集めたやつはもう知っている。 そのうえ、今日また、君が蝶をどんなに取り扱っているかということを見ることができたさ。 」 というセリフです。 主人公は蝶の標本を妹にしか見せていません。 ではなぜエーミールは主人公の集めたやつを知っているのでしょう?主人公がエーミールの部屋にこっそり入ったのと同じように、エーミールもまた主人公の部屋にこっそりはいって標本を見ていたとしか思えません。 しかし、それならなぜエーミールは「僕は君の集めたやつはもう知っている。 」なんてことを言ってしまったのでしょう? 頭のいいエーミールです。 普通ならこんな犯行の自供のようなことは言わないでしょう。 おそらく、エーミールが本当に隠したいのは、主人公の部屋にこっそりはいって標本を見たということではないのでしょう。 エーミールはもっと絶対に隠し通さなければいけない悪事を働いている可能性があります。 それでは、エーミールの行った、絶対に隠し通さなければいけない悪事とは何か? 残念ながら、これは小説からは読み取れません。 でも、 「けっこうだよ。 僕は君の集めたやつはもう知っている。 そのうえ、今日また、君が蝶をどんなに取り扱っているかということを見ることができたさ。 」 というセリフは絶対に怪しいです。

次の

少年の日の思い出

少年 の 日 の 思い出 エーミール

少年の日の思い出の作者、ヘルマン・ヘッセ 少年の日の思い出は、ヘルマン・ヘッセ(1877~1962)の書いた小説です。 ヘルマンヘッセはドイツの有名な作家で、「車輪の下」や「ガラス玉演戯」をはじめとする作品が高く評価され、ノーベル文学賞を受賞しています。 ヘルマンヘッセの作品には、穏やかな人間の生き方を描いたものが多いです。 ですので、この少年の日の思い出という作品はちょっと異質な作品と言えます。 ヘッセは幼少の頃に昆虫採集にはまっていました。 中でも魅かれていたのが蝶々でした。 ヘッセは水彩画もよくしていたため、蝶などの絵もかいていました。 そんな幼少のころの思い出から、書かれた作品がこの少年の思い出なのでしょう。 ヘッセはどんな少年時代を過ごしていたのでしょうね? 少年の日の思い出のあらすじ 少年の日の思い出は中学校1年生の教科書に掲載されていたので、知ってる方も多いかと思います。 物語は私が最近蝶採集を客(僕)に自慢したところ、客にお願いされて、ワモンキシタバを見せるところから始まります。 そこから僕の少年時代の回想が始まります。 僕は昔、蝶を捕まえて標本にすることを趣味にしていました。 あるとき、コムラサキという珍しい蝶を捕まえて、標本にすることができました。 コムラサキは日本にも生息する蝶で、茶色の地に紫色の構造色を持っていて、角度によって紫色に光って見える、綺麗な個体です。 あまり、見せびらかすようなことはしなかった主人公の僕ですが、そのときばかりは僕も誰かにこの事を自慢したくなりました。 そしてそこで、同級生のエーミールにこむらさきを見せるのでした。 少年の日の思い出のエーミールは悪いやつ? ここでかの有名なエーミールの登場です。 近所に住んでいたエーミールも標本作成を趣味にしていて、標本の展翅や修復の技術は素晴らしかったのです。 エーミールは 非の打ち所がない少年で、なんでもそつなくこなしてしまう優等生でした。 僕は尊敬こそ抱いてましたが、妬ましく気味悪い印象も持っていました。 そんなエーミールなら、珍しいコムラサキをほめてくれるだろうと思っていました。 舞い上がってた僕は早速、コムラサキの標本をエーミールに見せに行きました。 エーミールは、コムラサキの希少価値こそは認めたものの、展翅の甘さや脚の欠損などを指摘してきました。 そして最後にせいぜい20ペニヒ程度、日本円にして1400円ぐらいの価値しかないと酷い評価をしてきました。 そんな言い方しなくても… 読んだ時にほんとムカつくやつだなって思いました(笑) だって普通、凄いねって褒めてあげませんか? ましてやまだ子供ですよ! でも、エーミールは正論武装して、痛いところを着実に付いてくるんです。 そういう奴なんです。 憎たらしいですよね。 絶対友達いなそうです。 さてまあ、そんな事があってから主人公の僕もエーミールのことを嫌悪するようになりました。 そして二度と彼に標本を見せることはありませんでした。 その後も僕はどんどん昆虫最終に没頭していきました。 そうかそうか、つまり君はそんなやつだなんだな そんな中、ある日エーミールが超希少なクジャクヤママユの繭を羽化させたというのを耳にしました。 クジャクヤママユはヨーロッパに生息する蝶で翅を広げた時の大きさが、9センチにもなる大型の蝶です。 クジャクヤママユは非常に大きく迫力のある蝶でした。 そして、クジャクヤママユは僕が1番欲しい蝶でした。 エーミールに嫌悪感こそ抱いていたものの、この時ばかりはクジャクヤママユを一目見たいという思いのほうが勝っていました。 エーミールが見せてくれるのを待ちきれなかった僕は、エーミールの家が留守の時ににこっそり忍び込んでしまいます。 そこで、まだ展翅板の上に固定され乾燥させている最中だったクジャクヤママユを見つけます。 その美しさに心惹かれた僕は、クジャクヤママユを盗んでしまいます。 そして部屋から出ると近づく足音に気づき、標本をポケットに隠しそこを後にしました。 ポケットに隠した標本を取り出すと、なんと潰れて壊れてしまっていました。 僕は絶望し罪の意識にさいなまれ、この事を母に話します。 母は僕にエーミールの所へ謝罪しに行くように促します。 僕は標本を持ってエーミールの所へ謝りに行きました。 そして僕は自分の持っている標本やおもちゃをすべて譲ることを代償に謝りました。 すると彼は、怒鳴ることはなくひとつ舌打ちをしてひとこと、 「そうかそうか、つまり君はそんなやつだなんだな」 と痛烈に批判しました。 そして、家に帰った僕は自分の標本を指でひとつひとつ粉々にしてしまいました。 少年の日の思い出の感想 僕のやった事は決して許されることではないですが、ほんとエーミールは恐ろしい奴です。 悪人ではないんでしょうけど、性格悪いですよね。 絶対に友達になれないタイプです 笑 悪いことはしちゃいけない、そしてやってしまったことは決して取り返しはできないという事を深く深く知ることになりました。 ヘッセもそういうことをみんなに伝えたかったのかもしれませんね。 最後の主人公の行動からしてどれだけダメージを負ったかを感じさせられます。 それにしても、最後のエーミールの言葉は衝撃的でした。 授業の後も時々クラスで誰かが悪いことをした時に、ネタでこのセリフを言ってました。 ネットでも結構話題にされることが多いですよね。 エーミールは国語の教科書の登場人物の中では一際ヤバいやつです。 でも、本気でこんなこと言われたら心が折れますよね。 素直に怒鳴られるより、こんな風に皮肉を込めてののしられた方がつらいです。 教科書に載せるにはハードな内容で今でも印象強く残っています。 大人になって、またこの小説について授業を受けてみたら当時とは違った意見がたくさん出てきて、面白いだろうなって思います。 世の中許してくれないことも多いので、皆さんはくれぐれも悪い事だけはしないようにしなきゃですね。 とはいえ現実には中々エーミールほど悪いというか非道な人はいないので安心してください笑 少年の日の思い出 全文 少年の日の思い出は、教科書に載っているのが全文であれで完結しているお話です。 元々はヘッセ全集に、収録されている短編小説のひとつです。 ヘルマン・ヘッセの作品には他にも面白いものが沢山あります。 特におすすめは車輪の下です。 良かったらぜひ読んでみてください。

次の