ゆっくり達の怖い話。 電車ごっこ│【怖い話】心霊・都市伝説・恐怖の実話怪談

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ゆっくり達の怖い話

長文だけどごめん。 心霊系ではないんであしからず。 北海道という土地は、昔から『ヒグマ』という問題を抱えている。 本州の人間からすればピンとこないんだろうが、北海道の山を歩き回る時は、熊鈴は必須。 クマスプレーという武器(?)も重要なアイテム。 ヒグマは、カナダなど外国の方が大量に生息しているイメージがあるが、 実は世界中どこを探しても、北海道ほど密集してヒグマが生息している土地はない。 これはあまり知られていないが、データ上の事実。 この話は、そんな北海道でアウトドア系大学サークルに所属する俺が、同期の友人に聞いたもの。 その夏、十勝山系を縦走していた登山パーティがあった。 パーティはA、B、C、D、Eの5人構成。 Aがリーダーであり、Bはサブリーダーであった。 ABCDは中級者であり、Eは今年山を登り始めた初級者。 パーティのうち何人かは、かつてヒグマと遭遇したものの、怪我をすることもなくやりすごしたこともあった。 以下は、Aが手帳につけていた日記からまとめられた内容である。 特に事故も無く、計画通り。 みな景色を楽しみ、充実。 二日目。 すでに稜線上のルートを進んでいるが、昨晩の天気予報から今日の天候が思わしくないため、その日は停滞を決定。 予報の通り雨風が次第に強くなり、テント内で食事を作って腹ごしらえをしつつ、トランプをしたり話をしたりと、 楽しく時間をつぶす。 天気予報を聞いた後、明日は朝、小雨なら出発しようと決めた。 二日目は特に何事も無く終了。 三日目。 朝、一番早く起きたCが外の様子を確認にテントを出た。 帰ってきたCに様子を聞くと、 「少し霧が出てる。 待ったほうがいいかも知れない」 テントの口から外に首を出すと、辺りは真っ白。 出発を遅らせることにする。 朝食後、外に出るが霧が晴れる様子が無い。 メンバーは昨日停滞したこともあって出来るなら出発したい様子だが、事故があってからでは遅い。 話し合って今日も停滞することにした。 昼、霧がさらに濃くなる。 雨こそ降っていないが、霧の中歩き回るのは危険で、テントを出るものは無い。 夜、ちょっとしたアクシデント。 Eが何の間違いか、鍋をテントの外に出し放置。 夜の動物が活動するこの時間、食べ物の臭いを外にじかに出すのは危険だ。 しばらくしてから、動物の軽い足音がテントの回りを探るように歩いている。 キツネだ。 テントから出て追い払う。 先ほどの鍋のせいだろうか。 この辺りはヒグマが出る。 昼なら会ったことはあるが夜は危険だ。 三日目はこれで終了。 朝、外の様子を確認するが、2メートル先が見えず霧に包まれている。 本来の日程では、この日になっても停滞するようなら計画を中止し、別ルートで山を降りることになっているが、 霧が濃く、行動することは危うい。 話し合うまでも無く、また停滞。 午後、少しでも晴れそうなら下山することを考えたが、霧はますます濃くなるばかりで、昼と言えど薄暗い。 トランプも飽きてきて、話題も尽きる。 夜、早めに明かりを落とし、就寝。 テントの内側が霧のためにしっとりと濡れ、テント内の強い湿気に不快感が激しい。 最初にBが気づき、隣に寝ていた私を起こした。 「足音がする、さっきから。 キツネじゃなさそうだ」 眠ってはいなかったのか、全員が上半身を起こして耳を澄ます。 重くゆっくりとした足音。 じゃり。 じゃり。 時折混ざる湿気のこもった鼻息。 みな息を潜め、連想しているようだ。 ヒグマ、か。 テントの周りをぐるぐると足音が回る。 どうやら、一頭。 激しい獣臭が鼻を突く。 誰からともなくみなテントの中央に集まって、身を固める。 そのうち、クマがテントの布に鼻を押し付けては激しく臭いを嗅ぐ、という行動を始める。 嗅いではテントの周りを巡り、また嗅ぐ。 みな、恐怖で声を殺し震えながら、身を寄せて動かない。 しばらくして、全員が身体を大きく振るわせた。 クマがどしん、どしんとテントに体当たりを始めたのだ。 テントの布が内側に大きくせり出して、クマの形を作る。 とにかくそれに触れないように身を縮める。 本気を出されでもしたら、クマにとってはテントなど紙切れだ。 悲鳴を上げそうなのをこらえながら、テントの振動に耐える。 クマは五分ほど追突を繰り返した後、またしばらく円を描いて歩いた。 また、追突。 Eは泣いている。 私も泣きそうだった。 明け方までそれが続いたあと、静かになった。 全員が少し眠る。 鳥の声で目が覚めるが、霧は晴れていないのだろう、薄暗い。 ヒグマの臭いは途絶えていない。 どこかで、もしくはテントのすぐ側で様子を窺っているのか。 みな、黙りこくっている。 沈黙が数時間。 昼頃、足音が復活。 しばらく歩き回った後、また消える。 夕方、Dが勇気を振り絞って、わずかにテントの口を開けて外の様子を窺う。 「霧が、少し晴れている」 わずかに太陽の光が届き、晴れる兆しが見えた。 すぐに降りるべきだ、と主張する側と、明日まで待つべきだという側に分かれた。 まだクマがすぐそこに居るかもしれないし、今から下山を開始すれば、 夜を休憩も出来ないような、登山道の途中で迎えることになるのは明白だった。 完璧に霧が晴れたわけでもない。 悪天候でしかも夜に慌てて行動するのは事故の元だ。 リーダーとして、下山を許すことは出来なかった。 恐怖の中、冷静な判断だったかは分からない。 ともかくも、その日はそれで日が暮れた。 誰も会話をしない。 恐怖からだけでなく、パーティの考えが対立したことに大きな原因があった。 その晩もクマは周囲を巡り、時折追突をしてきた。 誰も眠らない。 昨日の晴れる兆しが嘘のように、霧が濃い。 朝起きても、終始無言。 クマを刺激しないよう、誰もものを食べない。 しかし今朝からは周囲は静か。 臭いも薄らいだように思う。 数時間後、Cが、外に出る、と言い出す。 みな反対するが「様子を見るだけ、クマも今なら近くには居ない」と言って、Cは許可を求める。 すぐに帰ってくるのを条件に、私はそれを許した。 Cが霧の中へ入っていった後Bは私を非難したが、そのうちに黙る。 しばらくして足音。 Cの帰りを期待した私達はテントを開けようとしたが、すぐに手を止めた。 獣の臭いがする。 Dがか細い声で「Cは?」と言った。 獣の鼻息が昨日に増して荒い。 すぐに追突が始まる。 私達は声にならない悲鳴を上げて身を寄せる。 しばらく周囲を巡ったのちクマは腰を落ち着かせたか、足音は消えるも臭いは相変わらず強い。 その日一日、クマの臭いが途切れることは無く、私達は動かなかった。 Cは帰ってこない。 襲われたんだろうか。 ---ここから少しずつ、日記の筆跡に乱れが見え始める。 漢字も平易、ひらがなが増えていく。 今日も、霧がこい。 はらごしらえか、クマの気配が消える。 しばらくの沈黙の後、Eが山をおりる、と言い出す。 寝不足から目が血走って、声はヒステリック。 説得をこころみるも、きかず、Eは「おりたら助けを呼んでくる、待ってろ」と、荷物を持って霧の中に消えた。 5人いたパーティはA、B、Dの3人になった。 クマのいないあいだにカロリーメイトなど栄養食を食べる。 会話はなし。 時間がすぎる。 昼頃、外を見るが、霧は晴れない。 日ぐれ頃、クマがやってくる。 中央に固まって、クマのしょうとつに耐える。 湿気がはげしく汗がでるが、みな震えて、なんとか声は出さずにいる。 Eは下山できただろうか。 八日目。 霧ははれない。 朝になるとクマの気配は消えていた。 だれも「下山しよう」とはいいださない。 たまっていた日記を書いて気をまぎらわす。 この日記を持ってぶじにかえりたい。 14時ごろ、Bが狂った。 はじめに笑い出して、かんだかく叫んだあと 笑いながら何ももたずにテントをとびだしていった。 きりの中に彼を見送って、しばらく笑い声をきいていたが それもそのうち小さくなった。 Dがしずかにゆっくりとテントの口をしめ、 「いったな」と、久しぶりにDの声をきいた。 そのよるもクマが来た。 私たちは二人だき合ってよるが明けるのをまった。 今日も、きりがこい。 クマはしばらく近くにいるようだったが、ひるごろどこかへいった。 中央でかたまったまま、すこし眠る。 ひどくしずかだ。 夕方、クマのあしおとでおきる。 ついとつされると泣きさけびたくなるが、どうにかたえる。 かえりたい。 クマはなぜ、おそってこないのだろう。 十日目。 きょうもきりがこい ごご、Dがたちあがってしずかにでていった とめなかった きりがはれない クマはよるおそくにきた。 きがくるいそうだ 十一日目。 きょうも きりが こい くまは いる 十二日目。 今日も霧が濃い。 すまない。 このパーティの登山届は、事前に警察に提出されていたため、異常事態は発覚していた。 しかし、まれに見る悪天候に、ふもとの警察は捜索をしあぐねていた。 天候が復活し発見されたのは、無人のテントと荒らされた荷物。 最初に出て行ったCは、テントから50メートルほどのところで遺体で発見された。 喉の傷が致命傷となり即死。 次に出て行ったEは、登山道の途中、崖から滑落。 遺体で発見。 Bは一キロほど離れた場所で無残に食い散らされていた。 Dはルート途中の崖下から遺体で発見。 Aは行方不明である。 以上が、俺が友人から聞いた話。 これは、北海道で山を登る人たちの間で一時期流行った都市伝説なのだそうだが、 「実際にクマに襲われ、壊滅したパーティはあったようだ」とも友人は言った。 その人たちはほぼ素人。 登山届けも提出せず、発見も遅れた。 現場の状態から、どうやらクマに荷物を奪われたところを取り返しに向かい、返り討ち?にあったらしい。 北海道のフィールドを歩く皆さん、どうか、クマにはご注意を。

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【怖い話】こっくりさんの怖い話

ゆっくり達の怖い話

斉藤」 「はい?」 部室に入るなり、部長は俺にそう言った 「なんだ、聞いてなかったのか?」 「聞いてないも何も、俺は今来たばかりですよ」 「なら、察しろ」 エスパーになれというのか 「とにかく、キチンと説明してください」 「ああ、わかったわかった。 まったく、二度手間だな」 二度手間も何も、俺はまだ説明されていないのに 「今年の新入部員確保の為に、1つ号外を出そうと考えたんだ」 俺の所属して居る部活は新聞部 まあ新聞部と言っても、部員の大半は三年生で、二年生は俺1人だ このままじゃあ来年は廃部が決定してしまう その為に、部長がそんな企画を持ち上げたというらしい 「号外…ですか?」 号外と言っても、去年も定期的に新聞を作った記憶が無い 学園祭やら甲子園やらの、何かのイベントに合わせた位だ いつもの新聞となんら変わらない 「ああ。 それも今年の新入生が、今後の学校生活で役立てそうな記事のある号外をな」 新入生が役立てそうな記事…… 「どんな記事ですか?」 この高校の歴史とかだろうか?はたまた教師の略歴とか…… 「怖い話だよ」 「……学校の七不思議ですか」 役に立つのだろうか? まあ、新入生が知っておく知識と、新聞としての価値を考えると悪くは無い 学校に馴染むと言う意味でも、上級生と共通の話題を持つにはうってつけだ 教師の話題とか、なんらかの部活の紹介とかよりは、偏見を持たずにすみそうだ 「しかしうちの高校、碌な七不思議なんてないですよ」 やれ地下から聞こえる声とか、関わってはいけない木が生えて居るとか、存在しない地下に行くエレベー ターとか、早朝に来てはいけない、夜に残ってはいけない場所とか…… 特集に組んだところで、それほど記事に書けそうに無い 「馬鹿だな。 誰がこの学校の七不思議を書けといった」 「?」 怖い話と新入部員とくれば、普通は七不思議じゃないのか? 「ゆっくりに関係する七つの怖い話だ」 「なんでやねん!!!」 ズビシ! 「いきなりツッコミ入れるなよ」 「ツッコミますよ!新入生の役立つ話と、ゆっくりがどう関係するんですか!?!」 それもゆっくりの怖い話を七つもなんて…… あんな直に死んで、弱っちい、存在する価値すらない生物の怖い話なんて、何一つ知らない どう考えても、怖い話なんてなさそうなのに 「何言ってるんだ。 ゆっくりなんて、この年頃なら誰だって興味があるぞ」 「そりゃそうかもしれませんけどね、それでも役立つとは思いませんよ」 「知っておいて損する知識はないぞ?」 部長の座右の銘だ とにかくこの人は、貪欲に知識を求めて居る ぶっちゃけこんな高校にこずに、違う進学校に行けばいいんじゃないかと思う位に 「対処法なり、少し危険な話なり、最後にこの高校でのゆっくりの扱いを書けば、いらん衝突も起きなく なるだろう。 愛で派と駆除派と虐待派にな」 「そりゃそうかもしれませんけど……何も怖い話じゃなくても……」 「それは純粋に俺が知りたいだけだ」 「アンタの都合かい!!」 ズビシ!! 部長は、かなりの虐待派として、この高校では知られている 以前、無謀にも侵入してきたゆっくりを、1匹残らず、授業中だと言うのにわざわざ出向いて、悲惨な目 に合わせたのだ 成績が優秀でないなら、問題児以外の何者でもなかっただろう 正直、ゆっくり虐待部なんてのがあったら、名誉部長になっていたかも知れない 「実は去年、そういった話を纏めた特集号を作りたかったんだが、色々と問題があってな……今日まで延 ばしてしまった」 「ああ、受験ですか」 「それは今から。 いざ7人に話を聞こうにも、忙しくて俺じゃあ纏められん」 「それで俺が代わりに纏めろと」 「そういう事だ。 次期部長として、それ位は経験しておけ」 どういう経験なんだろうか…… しかし、7人に話を聞くと言う事は、自分から何か調べるわけじゃない分、楽に作れるかもしれない それにその7人…… 部長も、ただ適当に選んだわけではあるまい。 きっと、次期部長として関わっておけと思って選んだのだ ろう 「それで、その7人は誰なんですか?」 「プライバシーの問題で、名前を明かせられない」 「うおい!」 「俺の意見じゃないさ。 話をしてくれる人が、訳有りでそうしてくれって頼んだんだからな」 「それじゃあ聞く事が出来ないじゃないですか」 どうしろと言うのだ 「その辺りの手は打っておいた。 一週間後の放課後に旧校舎の3階の教室に行けばいい」 「え?」 旧校舎の3階の教室…… 早朝と夜に居たらいけない部屋じゃないか…… 「どうした?なんか不都合でもあるのか?」 「いや……それって学校の七不思議の…」 「デマだ」 「は?」 「居てはいけない教室だろう?アレは七不思議の中で唯一の判明している嘘話だ」 「??」 部長の話は良く分からない 七不思議の嘘話?いや、他のも本当で有ってほしくは無いが…… どういう意味で言っているのだろう 「七不思議の絶対の約束……というか共通認識は、7番目の話を知ってはいけないだ」 「はあ」 「そこで作られたのが、その話。 七不思議を面白がって作られた、8番目の話だ」 「??」 「理解が遅いぞ」 そんな事言われても……今ので理解しろと言うほうがおかしい 「本来の7番目の話の代わりに、嘘の8番目の話を広める。 そうする事で、この高校じゃあ、七不思議全 てを知っていても、何の被害も無いんだ」 「実際には、『七不思議全てを知ってない』と言う事になるからですか?」 「そういう事だ。 誰もが知っているのは6番目まで。 8番目の話が7番目として知られて居るからな」 「そんなんでいいんですか……」 それはそれで、何か微妙におかしい気がする…… 言葉遊びというか、苦しい言い逃れと言った感じだ 「結果的に7番目を知らないからな。 少なくとも、今までソレで被害をこうむった人間は居ないらしい」 そもそも他の高校とでも被害が出たのだろうか…… 「とにかく、そういう事だからその部屋は安全だ。 一応、その説明は参加者にもしてある」 「要するに、逃げるなって事ですか」 「そうだ。 来週、彼等から話を聞いて来てくれ」 「はぁ……分かりましたよ」 まあどちらにしろ、回避する事はできないし、来年には部長確定だろうし ちょっとした部長の頼み位、聞いておいても変な事にならないだろう 来週、その号外を作る為に部長が話を聞こうとした7人から話を聞く それだけだ 「頼むぞ」 「はい、部長……そういえば」 「ん?」 「部長は本当の7番目の話を知って居るんですか?」 「ああ」 事も無げに、部長は頷いた 「……ええ?!」 「知っておいて損する知識は無い」 「そうじゃなくて……」 今さっき、7番目の話は知ってはいけないって言ってたじゃないか…… それなのに知っておくなんて…… 「どうせお前も知りたいんだろう?」 「いや……遠慮します」 「大丈夫。 害はないさ。 電池もテープも人数の倍は用意した。 話を纏める為の手帳もだ 忘れ物は無い。 トイレにも行った さあ、入ろう ガチャ!! 「……」 鍵が閉まっていた 「ゆっくり決意した結果がこれだよ!」 部長……開けておくとか、鍵を渡すとか、方法あるだろうに…… 仕方ない、とりあえず鍵を借りに行かないと…… どこだったっけ?鍵があるのは確か新校舎…いや、旧校舎のだから カチ 「?!」 扉の鍵の部分が音を立てる 「……」 ガラガラガラ…… 今度は問題なく開いた 「もう、誰か居るのか……?」 教室を覗いて見る 教室は一方に仕切りが立てられていて、窓には黒いカーテンが下げられていた 正面の黒板には『注意事項』と書かれている 『注意事項 全ての人は、用意された仮面とローブを着けて下さい それまで声を出してはいけません 着け終わったら仕切りをノックして下さい』 「……」 机の上に、これまた典型的な三日月の笑顔を浮かべた仮面と、すっぽりと体を覆うローブがある プライバシー保護って、これの事か…… しかしそれでも声はどうするんだろう…… というか、これ俺も着けるのか…… なんかやばい事、頼まれたなあ…… 他に選択肢も無いし、とりあえずその2つを着けた もし教師か誰かが入ってきたら、悲鳴を上げて逃げるだろう その辺りは大丈夫なのか…… カチ 「?!」 入ってきた扉に、鍵がかけられた 「そういや旧校舎って、遠隔操作で鍵を操作できたっけ……」 悪戯に使われるから、新校舎を建て直すという、金の無駄遣いな結果になったが…… ん? 「この声……」 思わず呟いた 声が変わっている……仮面に変声機でも付けられているようだ あの憎たらしい、ゆっくりの声で再生されている ゆっくりで怖い話をするからって、ゆっくりの声で喋るなんて…… 部長もなかなか、訳分からん趣向が好きなようだ まあ、人目に見つかる心配はなさそうだし…… コンコン 仕切りをノックする。 準備は万全だ ガラガラガラ…… 仕切りが動いていく 「……」 仕切りの向こう側、本来の教室の半分には、今の俺と同じ格好をした7人の人物が居た 彼等が部長が頼んだ、ゆっくりに関わる怖い話をしてくれる人達のようだ 「?」 仕切りの向こう側の黒板にも、注意事項が書かれていた 『注意事項 話す順番は任意です 話し終えた人は、直に立ち去ってもいい。 最後まで聞いてもいい ただし、誰かと共に帰ってはいけない 仕切りの向こうでローブと仮面を脱いだらノックをしてください 鍵を開けます その後、外に出たら廊下のガラスをノックして、退出した事を知らせる事』 なるほど。 出る時も誰かが分からないようにしてあるって事か 部屋に残るのも任意というのは、何らかの事情がある人が居るのか それとも他の話を聞いて、恐怖を覚えないようにか…… 「貴方が聞き手ね」 誰かがそう喋った 仮面と変声機の性で、誰かは分からない 「人数も8人……役者は揃ったって所だな」 しかしこうもゆっくりの声で喋られると、違和感がして仕方ない 人によってはムカつくだろう 「誰から語る?」 「時間は有るから私は最後でも構わないよ」 「俺もそう急いでは居ないさ」 「聞き手に決めてもらうのは?」 「賛成」 「同感」 「異議無し」 「決まりだな」 どうやらこの状況で、語り手を選べと言う事になったらしい しかしどうやって選べと言うのか……何の判断材料も無いぞ 「私の意見は?」 「なんだ、最初に喋りたいのか?」 「いや、ただ無視したのが癇に障っただけ」 「狭い心だな。 ゆっくりみたいだ」 「なんですって…!」 「喧嘩は止めてください。 そうですね……最初は貴方にお願いします」 下手に喧嘩を起こしたくない俺は、さっさと指名する事にした 「ん?俺か?」 1人が自らを指さしながら、そう言った 「はい」 俺は頷く 別に理由があるわけではなく、ただ近いから選んだだけ 「そうか……じゃ、最初に相応しい話かは知らないけど……語らせてもらいます」 「その前に、聞き手を席に座らせてもいいんじゃないか?」 「そうだね。 立ちっぱなしで聞かせるのもなんだろう」 それもそうだ 今集まって居る人も、各々、座っていたり立っていたりと自由なのだから 語るのが何分かかるかは知らないけど、それまで立ちっぱなしなのも辛いだろう 「座る場所は?」 「円形がいいと思うんだけど」 「語る人を中心にさせたら?」 「いいね。 それらしい」 「聞き手君も中央に。 向い合わせるのがいいと思う」 「そうだな」 「じゃ、移動するか」 各々、用意された椅子を持って、提案された順に座る 6人が囲み、1人が俺と対峙する 「語っていいか?」 「ちょっと待ってください」 テープレコーダーを録音開始にセットする メモとシャーペンを手に取り、準備は万全だ 「準備が整いました。 では、お願いします」 「ああ。

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【定番怖い話】コンビニ

ゆっくり達の怖い話

この怖い話は約 3 分で読めます。 エスパー魔美の「サマードッグ」は、 漫画もアニメも、短編の1エピソードながら結構シリアスだった。 超能力に目覚めた少女マミと、アドバイザー役の秀才・高畑くんのコンビは 画家である魔美の父とともに夏休みに山の別荘地にやって来る。 しばらく2人で散策などしていたが、森で野犬の群れに襲われ負傷した人を発見する。 「いわゆるサマードッグだな」と、高畑さんが魔美に説明した。 マンション暮らしなどでペットを育てられない都会の家族が、夏の別荘地でだけ一時的に飼い 帰宅する際に山へ捨てて行くものを指す。 捨てられた犬たちは生きるために群れを成して家畜等を襲う。 その話を聞いていた隣の別荘の男の子は、自分が探していた「チビ」も野犬化しているのを知って ショックを受け、一人で山の中へ探しに向かう。 「おたくの娘さん達のせいですよ! 余計な事を吹き込むから…」 息子が行方不明になった母親は、魔美たちの別荘に押しかけてきた。 「おととし、息子の情操教育のために子犬を与えていたんです。 仕方ありませんでしょ、 マンションに連れては帰れないんだから。 犬が欲しいならまた新しいのを買えばいいのに…」 と取り乱して泣く母親を魔美の父がなだめて車で交番に送り届けに行き、 その間、魔美と高畑さんは超能力で密かに少年を探しに山へ入る。 部分テレポートで自分の血を輸血してふらふらになる魔美だが、 その時3人は再び野犬に取り囲まれ、ピンチに陥る。 魔美は体力を消耗していてテレポーテーションできなかった。 高畑さんが棒きれを振り回して応戦していると、 「チビ!」と叫んで向こうから少年がやって来た。 チビは既に立派な成犬になり、群れのリーダーになっていた。 「危ない、来ちゃダメ!」と魔美たちは止めるが、 チビは少年を覚えていて、群れの攻撃は鎮静化した。 少年はチビと抱き合って再会を喜んだ。 しかし、ひとしきりするとチビは群れを率いて森の中へ去ろうとする。 「どこに行くの、いやだよチビ!」 少年は追おうとするが、 「チビはもう昔のチビじゃないんだ。 今の仲間を捨てることはできないんだよ」 と高畑さんが押しとどめる。 少年は泣きじゃくりながらも、チビの幸せを願う。 ちょうどその時、通報を受けた救助隊が到着して魔美たちは介抱された。 後日、高畑さんは、その後 地元の猟友会が山狩りを決行し 凶暴化した野犬の全滅作戦に成功したという新聞記事を読んだ。 「あれ? 今日の新聞は?」と問う魔美の父に、焚き火をしながら 「僕が燃やしました、すみません」と答える高畑さん。 事件時の貧血が尾を引いてベッドで養生している魔美は、記事を知らず 「ねえ、高畑さん。 あの犬たちだって、また人間が引き取ってやさしくすれば 人を襲うようなことも無くなると思うの…」と語りかけてくる。 高畑さんも事実を知らせず、「そうだね、ゆっくり休みなよ」と相槌を打った。

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