アマゾン 火災。 2019年のアマゾン森林火災 対応活動報告 |WWFジャパン

「アマゾン火災」がここまでヒドくなった理由

アマゾン 火災

Social Problem あなたの周りで起きている問題• Your Problems あなたのお悩み• Healthy Food 健康的な食生活• Hot Topics 人気の話題• Organic Recipe 今日食べたいオーガニックレシピ• Organic Shop オーガニック・ベジタリアン店• 残念ながら、この 日本では大手メディアでの扱いはかなり少なかった様ですが フランスの大統領を始め西欧圏の著名人がこの問題に言及・SNS等で情報が広まり、 日頃から環境問題にアンテナを張り巡らせているINYOUの読者の皆さまも、この問題についてご存知の方も多いのでは無いでしょうか? まるで、今年になってアマゾンが異常に燃えているかの様な情報が飛び交う中、このアマゾンはどうして燃えているのか?といった 火災の理由やアマゾンの破壊の現状について興味を持たれた方も多いかと思います。 実は、この アマゾンはもう何十年も前から人為的に放火が繰り返され、 資本主義的な欲望や開発の為に大規模な破壊が繰り返されてきました。 乱開発によって砂漠化・サバンナ化の懸念も…。 事実、 ブラジル国内には乱開発などによってサバンナ化してしまった土地も存在しています。 それは、今日昨日…今年に入って起こった出来事では決してありません。 火災の多くは、 放火。 アマゾンを人為的に開発するには、焼き払うのが一番てっとり早いのです。 そう、 アマゾンを燃やした土地の多くは放牧地や農地に変容していたのです。 世界で最大の熱帯雨林と言われている生命の宝庫は、 毎年の様に減少し続けています。 そして、 遠く離れた日本に住む私たちにもこの問題は決して無関係ではありません。 アマゾンの破壊に隠された悲しい現実。 アマゾンの破壊は、決して森林・動植物だけではありません。 また、そこに暮らしている 先住民族の暮らしも大きく破壊してきました。 コロンブスが入植した当時、ブラジル全土に 約300万人も居たと言われている先住民族は今や 半数以下の約90万人程に。 (1957年には一時 7万人程まで減少していました。 ) アマゾンを住処として代々自然と調和しながら居住して来た先住民族達。 (先住民族が行う焼き畑は、 破壊的な放火では無くアマゾンの自然のサイクルにのっとり森が再生する様な、持続可能な農業でもあります。 ) 今でこそ、実態はどうであれブラジル国内でも先住民族の権利が認められていますが、先住民族が受けたのは、 かつての植民地の支配者側と被支配者側に典型的に見られた様な悲しい仕打ち--- 居住地の森を次々に奪われ、破壊され、なんと虐殺まで行われていたのです。 (現在では先住民族の権利が認められ、かつての程の極悪非道な残虐な行いは行われていないですが、 それでも 水面下での迫害はまだ起きている…と言われています。 今回の火災でも、先住民族が影響を受け…森に祈りを捧げる、署名運動が展開される、といった動きなどもありました。 ) 現在も幸い90万人ほどの先住民族が残っているとはいえ、既に 絶滅し、消滅してしまった部族や言語も多くあるのです…。 そして今も原住民に対する受難は終った訳では無く先住民族は未だに 開発などの悪影響を受けており、 今回の火災でも 先住民族の居住地周辺での伐採・侵入・放火といった恐ろしい略奪行為が未だに行われ続けています。 開発の為に毎年乾期の初めに熱帯雨林の森林たちを伐採し、 乾燥された木々は乾期の終わりごろにいっせいに火を放たれ、燃やされると言います。 その広さは何10ヘクタール、何百ヘクタールとも。 そして勿論、火を付け燃やされるのは一か所だけに留まりません。 アマゾンの熱帯雨林の各地で今に至るまで、その様な 暴力的な破壊が繰り返されて来ました。 (しかもその伐採の労働者は、 貧しい民とも言われています。 今回は紙面の関係上詳しく述べられませんが、 アマゾン破壊と貧困問題も決して無関係ではありません…。 実際に破壊活動に携わっている労働者は貧しい者も多く、 森林保護や環境破壊といった意味すら分からないまま破壊活動に携わっている…という話すらあるのです。 アマゾン開発が始まった、 半世紀近く前から既にアマゾンの破壊は続いて来ました。 ちなみに去年の1月~8月半ばまでにアマゾンで起こった火災は 3万9759件。 (今年は 7万5000件以上…!) しかも、 ここ数年のデータを見ても例年何万件もの火災が起きている…という悲しい事実が。 勿論、人為的な火災と自然発生した火災と分けて考える必要性はありますが、冒頭にもお伝えした通り アマゾンの火災の主な原因は人為的なもの。 例年アマゾンで 如何に多くの火災と破壊行為が発生しているか、ということがご理解頂けるかと思います。 ブラジルは、 世界有数の牛肉・大豆の輸出国といった農業国でもあります。 (年によって変動はありますが、一位・二位を争うほどのレベルです。 )世界でも誇る輸出量の陰で、何とアマゾンが犠牲になっていたのです。 アマゾン破壊の原因が畜産と言われる理由。 森を焼き、牛を過放牧。 実は土の中にある栄養素はその植物によって吸収されていて(植物があることで豊かさが成立している)、 土地本来はそこまで豊かではありません。 (根は実はそれほど強くなく、短いとも…)その上、土壌内の有機物は熱帯気候特有の多量の雨でいとも簡単に洗い流されてしまいます。 高温多湿で地中の分解も極めて速く(肥料がおいつかない、買うとしても高価)、乾季には強い日差しで乾燥して土は固くなり、 おせじにも 農業に適している土地とは言い難いのです…。 (その上、 アマゾンの降雨量の2割は熱帯雨林由来のものなので、森が減れば減るほど雨も減ってしまいます…)) 何とその生産効率の悪さは、 牧場だけで比較してもヨーロッパや日本に比べても格段に生産効率が低い(10分の1以下)というデータもあるほどなのです。 何と 国からタダ同然で土地の払い下げを受けて次々に牧場にしたという話や、 過去には何と 政府が自ら牧場開発に対して所得税を免除したというきな臭い話が調べれば調べる程、出て来るのです。 (何と 畜産とアマゾン破壊について関わった活動家が、1000人以上も殺されている…という身の毛もよだつ様な恐ろしい話まで!) 現に、今正にブラジル大統領として話題の火中にいるボルソナロ氏ですが、 彼が当選前に打ち出していた政策は 環境保護規制の緩和や 先住民族居住地域での鉱山開発許可だったのです。 いろいろなボルソナロ氏の言動も、この火災でクローズアップされましたが、彼自身の基本的なスタンスはと言うと、 実のところ 農業で熱帯雨林に火を点け農地に変える事は推奨しているというのですから、 国自身が開発を奨励している、と言っても過言では無いでしょう。 また、規制緩和を支持するボルソナロ氏の当選によって、更に元の木阿弥に戻ってしまった感も否めません。 今年になって前年を遥かに上回る 火災が起きた原因の一つを、彼の開発に対する規制緩和の悪結果だ…という声も少なくないのです。 「金銭的な動機づけがあります。 牛肉価格が大きく下落すれば、森林破壊は恐らく劇的に減るでしょう」 (フロリダ大学のアマゾン研究者(生態学者)のエミリオ・ブルーナの言葉より) 森林を破壊して次々と大規模農場が作られていく、という現実。 しかもそこに関わっているのは末端の労働者や牧場主だけではなく、 富裕層の政治家・軍人・財界人・多国籍企業や力を持った企業といった多くの存在が群がっている…とすら言われているのです。 ブラジルは世界第一の牛肉輸出国 (ブラジル牛肉輸出業協会 ABIEC :2018年)であり世界の2割の牛肉がブラジル産、とも言われています。 国際的な外貨獲得の手段として、 牛肉と熱帯雨林の破壊がセットで行われている、というのが真実なのです。 実は 日本と比べて規制やチェックが緩く危険性も潜んでいるというブラジル産の肉ですが、 実の所 鳥肉も日本でも輸入品の多くがブラジル産。 実は、ブラジルは巨大な畜産国ともなっているのです。 何故なら、ブラジルはまた牛肉だけでなく、また 大豆も世界第2位の大豆生産国だからです。 (農務省データ・2018年) アマゾン以外の地域でも大豆の生産が行われていない訳では決してありませんが、 また 大豆も熱帯雨林を破壊して作られても来ました。 しかも、なんと 牧場を乱開発して粗い放牧を繰り返した後の放棄地が大豆畑に…という恐ろしいサイクルが出来上がっている、 といった悲しい図式まで! 実のところ、人間の食物用の大豆の生産量は 工業用の方が食用に比べて圧倒的に多いと言われています。 何と、大豆の2大生産国(アメリカ・ブラジル)で大豆の総生産量の内人間の 食用に使われる大豆の量は僅か1割もありません。 そして、 食用として使われるのではなく工業用(大豆油などの油や加工製品・飼料・バイオディーゼル燃料など…)に使われているのです。 (日本では総消費量の約3割ほどが食用です。 国産大豆は食用に多く使われるものの、やはり輸入大豆の多くが工業用に使われています。 この油も工業用として幅広く使用されていて 業務用油として大豆油はメジャーな存在ですし、 その他の加工油脂などにも大豆油などの大豆加工品は存在しています。 ですが、大豆全体から見ると採れる油は約2割程。 そして、この大豆油を搾ったあとの大豆粕(別名:大豆ミール)が 家畜の飼料として主に使われています。 (添加物など別の製品に使用される場合もありますが、多くは飼料用と言われています。 ) 油の搾り粕というと、残り粕の様なイメージですが、実は 加工すると大豆の約7割がこの大豆粕になると言われています。 そして、 家畜の生産には大量の穀物・餌が必要です。 (例えば、その筆頭の 牛は一日に一頭で何十キロもの餌が必要と言います。 この数十年で大豆の生産量は10倍以上に膨れ上がっていますが、その消費増大の大きな原因として 「食肉需要の急激な増加」があると言われています。 (事実、 食肉の生産と比例する様に人口増加の割合以上に大豆や大豆以外の飼料用穀物も生産量が増加しています。 ) 肉類の生産に一般的に必要な飼料用穀物の量は、 牛肉1kg-7kg 豚肉1kg-4kg 鶏肉1kg-2kg と言われています。 また、大豆だけでなく飼料用穀物としてメジャーな作物である とうもろこしも、ブラジルは 世界3位の輸出量を誇るなど、積極的に輸出しています。 大豆やとうもろこしもほとんどが遺伝子組み換え植物であり、 遺伝子組み換え植物による生態系への影響や 除草剤・農薬などの環境への影響も懸念されています。 (また紙面の都合上割愛しますが、熱帯雨林のみならずブラジルの乾燥・サバンナ地域での大豆の生産も増大している… 実は日本の資金援助が深く影響 、と言った違う流れもあります。 アマゾン開発のために道路が切り開かれ、その道路の一帯が牧場になり、 牧場の跡地が大豆畑になるだけに留まらず、 鉱山やダム開発なども行われて来ました。 何とアマゾン周辺には 世界最大の鉄鉱石の産地と言われる カラジャス鉱山もあり、 この 鉱山周辺の開発に伴って周囲の森林が破壊され、製鉄の燃料としても森林が伐採される…などこちらも 鉄鉱石を資源として使っている私達にとって他人事の話ではありません。 (しかも、この 鉄鉱石採掘現場の開発プロジェクトの作成者は日本という恐ろしい図式があり… 日本も資金や開発面で援助を行い、 開発に加担しています。 ) その上、アマゾン流域では 金も出土しており、アマゾンの奥地に侵入し 一攫千金を狙って貧しいブラジル人が金堀り人 (現地用語:ガリンペイロ)となり現地の先住民を迫害・周囲の環境を汚染している…という話まで。 おまけに、その獲った金を精錬するために使用される 水銀を流域に垂れ流し、水質汚染・またそれによる健康被害が起きるという現象まで発生している、とも……。 綺麗な金に秘められている悲しい現実は、美しい 金のイメージとは裏腹に薄汚れており闇が深いのです。 また、放牧用に燃やされる森では アマゾンに植生する希少な種の高価な木材を切り出した後に燃やされた…という話も。 そして、この 高価な種の木材を目的とする、違法な伐採もアマゾンでは横行しています。 政府によって 伐採を中止された後はお隣のペルーで乱獲が行われ、ペルーでもその数は激減。 今は マホガニーに代わる別の木々にまで伐採業者は目を付け森を荒らし破壊している…と言います。 また、 砂糖キビやゴムの生産などもかつては積極的に行われ、 その為に 先住民族を虐待、 奴隷化して大規模プランテーションで強制労働させる…という恐ろしいことも行われていました。 また アマゾンを横切って作られる道路も開発目的であり、 道路の建設による森林破壊のみならず、 道路の敷設が足掛かりとなり、 牧場や鉱山、 大豆畑…といった更なる破壊の連鎖が広がっていきます。 何と、道路の開発のために重機を使えないところでは 枯葉剤を散布して開発された地域もあるほど。 アマゾンを破壊して、原生林を水没させて作られるダムも、開発されて作られた工場などの 工業用発電の目的を主に作られているとも言われています。 全ては 金のため、食欲、物欲、経済発展のため……けれども、 その為に 破壊された自然は、元通りに戻すことは決して容易ではありません。 それは、 病魔や事故によって失われた臓器や歯・手や足など肉体の一部が、全く同じ様に復元することが 難しいことと何処か似ているかもしれません…。 毎分サッカーコートの1. アマゾン火災から見えてくるものは、 飽くなき資本主義に呑み込まれたヒトの闇の部分に他なりません。 しかしながら、 例年の様にアマゾンは破壊され続けており…既に アマゾンの森はなんと毎分サッカーコートの1. 5倍分の面積が失われているペースに達していると言われています。 (悲しいことにここは干ばつが頻発する地域でもあり、ブラジルでも貧困地帯と化してしまっています。 幾ら広大なアマゾンと言えど、 このままのペースで開発を続ければ森林の消失は進み、 やがて取り返しのつかない事態に陥ってしまうことは想像に難くありません…。 遠い地球の裏側で引き起こされている悲劇に、一体私達に何が出来るのでしょうか? 今日から出来る、1アクション。 肉・大豆・鉄・金・木材……アマゾンを破壊して生産される代償たち。 とは言え、現在の物流マーケットやモノの生産過程は複雑で、一重にブラジル産のモノを見分けて避ける、といったことは難しいかもしれません。 畜産品の飼料用穀物にブラジル産が使われているかどうか、という事を確認するのも余程こだわりを持った生産者と繋がらない限りは難しいですが、畜産品自体を避けることは結果としてブラジル産の飼料を使った商品を避けることに繋がる可能性が高いです。 また、 畜産品を避けることは地球や環境を守ることにも繋がります。 何と、畜産品 肉・卵・乳など動物性食品の全て も一切摂取しないベジタリアン(ビーガン)に一年間に 必要な土地の面積は、畜産品を日常的に摂取している人の 18分の1とも言います。 野菜を生産してそのまま口にするのと比べると、 生産された野菜や植物などから出来た餌 また水や電気など …を 大量に動物が日々消費して作られた畜産物は大変 エネルギーコストがかかっているので、 肉食や畜産品(乳製品・卵など)は決してエコでは無いのです。 (肉食が引き起こしている環境破壊や、菜食のエコさについては以前記事を書いているのでもしご興味あればをご覧ください。 ) 日本では、まだまだベジタリアンというと変わった者扱いされがちですが、欧米の方では少しずつ 菜食=環境に優しい(エコ)といった認識が広まりつつあり、 公的機関が主体で菜食を呼び掛けたり、公的施設の食事に積極的に取り入れる…といったケースも出て来ています。 完全に肉を止めることは難しくても、量を減らす…日によって今日は止めてみる、牛乳をやめて植物性のミルクに変えてみる…… 決して方法は一つではありません。 (実は筆者自身ももう10年以上、肉や畜産品を食べない生活を送っていますがそれなりに 健康に暮らしています。 ) 私達が 飽くなき欲望を抱き続ける限り、何処かにしわ寄せは表れ、 そして今日も アマゾンは破壊されていってしまいます。 (熱帯雨林は実は、 破壊されても再生が早いのでは無いか…とも言われています。 ですが、 熱帯雨林の破壊が進むと森から生まれる作用の一つである 降雨量が減少してしまい、気候や環境に影響を及ぼすとも言われているのです。 ) 逆に言うと、 私達消費者が安さや欲に駆られて行動し続ける限り、今日も地球の何処かで破壊は続いていってしまいます。 緑豊かな環境をこれからも残していくために、私達に何が出来るのか ---500年以上前から続いてきた来たアマゾンの破壊の歴史。 悲しみと破壊の連鎖をこれ以上拡げない為に、私達 一人一人の勇気ある選択が必要なのではないでしょうか? この記事を読んだ人にオススメの商品.

次の

写真で見る、火災で荒廃したアマゾンの現実

アマゾン 火災

今年に入り、ブラジル・アマゾンの熱帯雨林で森林火災が相次ぎ、記録的なペースで焼失していることが世界的な問題になっている。 森が燃えた煙は大西洋上まで広がってきた。 昨年の同時期と比べて85%増加したという報告も出された(ブラジル国立宇宙研究所)。 その原因として、木材収奪や農園開発のための伐採から焼畑、自然発火でさまざまな指摘がなされている。 なかにはジャイル・ポルソナロ・ブラジル新大統領が森林に火をつけることを奨励したという声まで出てきた。 アマゾンだけではない森林火災の増加 もちろん重大事だ。 アマゾンの熱帯雨林は、約549万km2に及び、地球上でもっとも生物多様性が高いエリアの一つである。 また先住民も約100万人は暮らしている。 煙による健康や農業への影響も深刻だろう。 彼らに甚大な被害が出かねない。 ただ正確でない情報も出回っているようだ。 ネットに飛び交う火災の写真・動画の中には、アマゾンでもなければ今年のものでもないものも多いようだし、火災はブラジルだけでなくベネズエラやボリビアなど周辺国でも発生しているほか、シベリアなどまったく別の地域でも森林火災は増大している。 酸素を出さず二酸化炭素も吸収しない 情報が錯綜しているので、あまり推測の上に推測を重ねることを論じたくない。 ただ一つ気になるのは、「アマゾンは地球の肺」「森林は酸素供給場であり、二酸化炭素の吸収源」といった指摘だ。 森林の大切さを訴えるためによく使われる言説だが、これは科学的にはおかしい。 なぜなら成熟した森林は、酸素を供給しないし、二酸化炭素も排出しないからだ。 いや、酸素は供給しているが、二酸化炭素も排出するというべきか。 簡単に説明すると、森林の大部分を占める植物は、たしかに二酸化炭素を吸収して光合成を行うが、同時に呼吸もして二酸化炭素を排出しているからだ。 植物単体として見ると光合成の方が大きいこともある(その分、植物は生長する)が、森林全体としてみるとそうはいかない。 なぜなら森林には動物も棲んでいるから……ではない。 たしかに森林にいるサルやシカやネズミ、あるいは昆虫も呼吸して二酸化炭素を出すが、全体としては微々たるものだろう。 もっとも大きいのは菌類だ。 いわゆるキノコやカビなどは、枯れた植物などを分解するが、その過程で呼吸して二酸化炭素を排出する。 地上に落ちた落葉や倒木なども熱帯ではあっと言う間に分解されるが、それは菌類の力だ。 目に見えない菌糸が森林の土壌や樹木中に伸ばされており、菌が排出する二酸化炭素量は光合成で吸収する分に匹敵する。 つまり二酸化炭素の増減はプラスマイナスゼロ。 だから森林を全体で見ると、酸素も二酸化炭素も出さない・吸収しないのだ。 酸素を供給し二酸化炭素を吸収する森は、成長している森だ。 面積を増やす、あるいは植物が太りバイオマスを増加させている森だけである。 アマゾンは森林としては数千万年前に成立しており、面積を増やすどころか減少気味で、バイオマスも上限まで蓄積している。 一部の二次林を除いて、二酸化炭素を吸収していないだろう。 そのため今回の森林火災の頻発は地球温暖化に影響ない、と楽観視するつもりはない。 地中に埋もれていた有機物を燃やして二酸化炭素を増加させているかもしれないし、何より生物多様性の危機だ。 そこには有用な遺伝子資源も多くあるだろうから、人間にとっても損失だろう。 また森で暮らす先住民のことを考えると心配でならない。 焼け跡に人は手を出すな 今後、人間が取れる手としては、まず鎮火を望みたいが、これはなかなか難儀である。 雨期を待つしかないかもしれない。 ただ森林火災というのは表面上の草木だけが燃える場合が多く、意外と燃え残りが多いし、植物も生き残る。 そしてすぐ次世代の植物が生えてくる。 大木の枝葉が焼け失われることで地表に光が射し込みやすくなることも影響するのだろう。 だから、焼けた土地に手を付けないことが肝心だ。 熱帯地域は基本的に植物の生育が良好なのだから、おそらく次々と草木が生えてくる。 植林を考える必要もあまりない。 人が選んだ植物を植えても、必ずしも育つとは限らず、また本来そこに生えていなかった種類を移植することで生態系を乱しかねない。 ただし、間違っても「焼け跡を農園に」とか考えないことだ。 (もっとも、それを目的に火をつけた可能性も強いのだが。 ) 自然の回復力に期待したい。 なお、以前にも森林火災について執筆しているから、参考にされたい。

次の

アングル:アマゾン火災、なぜブラジルと世界の「危機」なのか

アマゾン 火災

ブラジルのアマゾン地帯で森林火災が多発しており、今年の件数は前年同期比で83%増となっている(写真:Ueslei Marcelino/ロイター) 【2019年8月25日13時45分】初出時に誤訳がありましたので、当該部分とサブタイトルを訂正します。 世界から注目が集まっているブラジルのアマゾンで多発している火災によって、これまでにない規模の熱帯雨林が焼失している。 今年に入ってからだけでも8月20日までに7万4155件の火災が発生し、その数は前年同期比で83%も増加。 しかも、人工衛星が確認したところ、8月15日からわずか1週間で、9507カ所で火災が発生しているというのだ。 これに対して、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は22日、「われわれの家が燃えている。 文字どおり。 地球上の酸素の2割を生み出す『肺』、アマゾンが燃えている。 これは国際的危機だ」とツイッターで警告。 「G7のメンバーの皆さん、ぜひこの緊急事態についてすぐに話し合いましょう」と、24日に開幕する日米欧の先進国首脳会議(G7サミット)で議論する考えを示した。 気候変動に影響を及ぼす可能性 アマゾンはブラジルやペルー、コロンビアなど7カ国にまたがり、その面積550万平方㎞と、日本の国土の約14倍に上る。 そのうち6割がブラジルに属している。 アマゾン協力条約機構(OTCA)によると、アマゾンは地球上の酸素の2割を生み出しているほか、アマゾン地帯には、3万品種の異なった植物や2500種類の魚類、1500種類の鳥類、500種類の哺乳類などが生息。 さらに、この20年で新たに2200種類の植物や脊椎動物が発見されているという。 イギリスのガーディアン紙の取材に答えたサンパウロ大学高度研究院のシニア・リサーチャー、カルロス・ノブレ氏は、このまま森林火災が続き「臨界点」を越えた場合、通常は湿地帯であるアマゾンが、サバンナのようになり、原住民や野生動植物の生存を脅かすだけでなく、気候変動にも影響を及ぼしかねないとしている。 同氏によると、アマゾンでの森林破壊は昨年比2~3割のペースで増えており、10年ぶりに1万平方㎞を越える見通しだ。 コロンビアのエル・ティエンポ紙によると、ドイツやノルウェーは、生態系存続にとって非常に重要なアマゾンの大部分を占めるブラジルでの火災は、ブラジル政府による管理不足にあるとみて、数年前から資金援助を実施。 が、今年1月にブラジルでボルソナロ政権が発足してから状況が悪化していることもあり、警告を発する意味で最近資金援助の中断を決めた。

次の