エボラ出血熱 ワクチン。 コンゴのエボラついに終息へ、決め手はワクチン接種

エボラ出血熱の現在!日本の状況や基礎知識まとめ【2020最新版】

エボラ出血熱 ワクチン

エボラ出血熱の発生地 1976年- 現在 エボラ出血熱(エボラしゅっけつねつ、Ebola hemorrhagic fever ; EHF; Ebola virus disease; EVD)は、のをとする急性ウイルス性。 、、、と並ぶ、ウイルス性の一つだが、エボラ出血熱患者が必ずしも出血症状を呈するわけではない。 また、仮に救命できたとしても重篤なを残すことがあり、レベル4ウイルスの一つである。 一方、毒性や致死率があまりにも高く、遠出する機会を得る前に患者が死亡してしまうことが専らであることから世界的流行には至っていない(これが致死率が比較的低いため軽症の患者が遠出しやすくを引き起こしたやとの違いである)。 7月、はでの大流行について「」に指定した。 詳細は「」を参照 エボラウイルスは大きさが80 - 800 の細長いである。 状、U字型、型など形は決まっておらず、多種多様である。 初めてこのウイルスが発見されたのは1976年6月。 南西部(現:)のにある町 Nzara で、倉庫番を仕事にしている男性が急に39度の高熱と頭や腹部の痛みを感じて入院した後、やから激しく出血して死亡した。 その後、その男性の近くにいた2人も同様に発症して、それを発端にや医療器具を通して感染が広がった。 最終的にヌザラでの被害は、感染者数284人、死亡者数151人というものだった。 病気も エボラ出血熱と名づけられた。 他にでも感染患者が確認されており、郊外のにおいて34歳女性が感染者として病院に搬送されたとされている。 他の多くのウイルスと異なり、を攪乱するを放ち、生体の防御機構をほぼ完全にすり抜けるという特徴がある。 これが感染性の高さに繋がっている。 また、体細胞の構成要素であるを分解することで驚異的な毒性を発揮する。 系を操作してを攻撃させ破壊し、を始めとする全身のを冒して発症者を死に至らしめる。 そのため、エボラウイルスは(WHO)のリスクグループ4の病原体に指定されており、実験室・研究施設で取り扱う際のは最高度の4が要求される。 感染源 [ ] エボラウイルスのライフサイクル アフリカ中央部(スーダン、、、、)、西アフリカ((アイボリコースト、象牙海岸。 輸入1例)、、、、)、(ガボンからの輸入1例)で発症している。 またでは、感染したとが見つかっている(サルはとに輸出され、ウイルスが発見された。 自然宿主 [ ] の特定には至ってはいないが、複数種のが有力とされている。 からの感染例はあるが、ではなくと同じである。 また、現地ではサルのを食する習慣があるため、これを原因とする噂があることも報道に見える。 2005年12月1日付の英科学誌『』にて、ガボンの国際医学研究センターなどのチームの調査によると、 オオコウモリ科の、 ()、 ()等が、エボラウイルスの自然宿主とされ、現地のからの感染が研究論文で発表されている。 感染経路 [ ] 飛沫感染と空気感染の違いについては「」を参照 患者の血液、分泌物、やなどのが主な感染経路となる。 患者およびそのへの濃厚な接触は問題であり、死亡した患者の遺体への接触からも感染する。 エボラウイルスの感染力は強いものの、をせず、感染者のや血液に触れなければ感染しない。 これまでに見られた感染拡大も、死亡した患者のの際や医療器具の不足(注射器や手袋など)により、患者の血液や体液に触れたことによりもたらされたものが多く、空気感染はない。 患者のに関する措置が十分に行われていれば、感染することはない。 空気感染の有無 でのサルの商業輸入に際して顕在化し、その感染流行により特定されたサルを終末宿主とする「エボラ・レストン株」(現状ではヒトに対するはない )は、空気感染の可能性を濃厚に具現する例として知られているものの、エボラ出血熱の間における空気感染の可能性について確定的に定義付けるものとは言えない。 最小の感染単位 保健省は、体内に数個のエボラウイルスが侵入しただけでも発症するとしている。 しかし、その根拠とする文献では、エボラウイルスの感染法について明確な記述はない [ ]。 予防 [ ] この節のが望まれています。 は、予防として、流行地域への旅行をやめる。 動物や患者に直接触れない。 洞窟に入らない、としている。 傷口やにウイルスが入り込まないよう注意する必要がある。 特に、人は自分の目・口・鼻を触りがち であるため、それらに触らないよう気をつける必要がある。 また、人の触るドアノブやスイッチ、ハンドルなどはウイルスが付着しやすいため、汚れを落としてする必要がある。 やはエボラ出血熱の症状にないが 、別の要因によって咳やくしゃみが起これば、感染する可能性があり、長期間の1メートル以内の近接で感染リスクは中程度とされている。 そのため、人ごみをできるだけ避け、具合の悪そうな人への1メートル以内への接近はなるべく控えることが望ましい。 また、直接的接触(握手など)や屋内での長時間接触も感染リスクは低いとはいえ、なくはない ので、できるだけ避けることが望ましい。 眼鏡やマスク(以上が望ましい)、手袋なども予防に使われているが、ウイルスの付着している表面には触らないよう注意が必要となる。 のHSPA5 GRP78 がエボラウイルスの感染に使われると特定されており 、HSPA5阻害剤の(などに含まれるの一つ)はエボラ感染予防に効果がある可能性がある。 既に緑茶の飲用は、インフルエンザ対策として効果があるとされている。 ただし、鼻からの感染は予防できない。 感染者の嘔吐物、血、肉、唾液、粘液、排泄物、、、、などから感染するため 、見ず知らずのそれらに気をつける必要がある。 また、ウイルスは大抵、湿った地中で生き延びるため、地面に触れないよう注意し、地面に触れたところは消毒する必要がある。 病院や患者宅のトイレの便座に気をつける必要がある。 米国市は、初期症状の似ると区別しやすいよう、インフルエンザのを受けておくことを推奨している。 アメリカの医療従事者については2014年10月20日時点、(CDC)によって、が一切出ないようにすることが推奨されている。 液体防護性のや、首回りを隠すサージカルフード、フルフェイスシールド、防塵マスク、二重手袋、液体防護性の足カバーの組み合わせが推奨されている。 においては、感染者との接触があるなど感染の可能性がある場合は、を過ぎるまで公共交通機関での移動やレストラン、食料品店、映画館などの人の集まる場所への外出を控え 、検温を朝夕二回してに報告し 、熱や症状の出た場合は地域の医療機関を受診するのではなく、最寄りのに連絡して指示を仰ぐ必要があるとされている。 アメリカの一部のやなどでは潜伏期間中も措置が行われている。 犬はエボラ出血熱を発症しないものの、エボラウイルスに感染する可能性を否定できないため、患者のペットの犬は、が行われている。 感染者当たりの平均感染率を一人未満に抑えなければ、流行は終息できない。 新たな感染者を素早く見つけるために、感染者から接触者を聞き出す接触者追跡調査(コンタクトトレーシング)が行われている。 CDCは、見逃された一人の接触者が大流行 を引き起しうるとして、警告している。 ワクチン [ ] 2009年、実験動物に対しては教授()のは、エボラ出血熱ウイルスのをに接種したところ、一定の効果を確認したことを米専門誌『ジャーナル・オブ・バイロロジー』電子版で発表した。 この実験では、ワクチンを接種せずに感染させたマウス10匹は6日後に全て死亡したが、接種した15匹は、健康な3匹のマウスと同じように2週間以上生き続けたという。 河岡は今後、で実験し、早期実用化を目指したいとしている。 、ギニアで大規模なワクチンのが行われ、、世界保健機関は試験中のエボラ出血熱ワクチンについて有効性が確認されたことを発表した。 にコンゴ民主共和国の内陸部にあるでエボラ出血熱が流行した際には、大規模なワクチン接種が実施された。 2月、同国保健省は終息の目途が立っていない段階ではあるものの、ワクチン接種の効果で死者数の増加を防げていると評価している。 、ほぼ抑え込んだ為にWHOは終息宣言を行う予定であったが、新たな感染者1名が出た為に延期された。 2010年代、は、エボラ出血熱の世界的なも視野に入れてワクチン開発を行ってきた。 しかしながら臨床試験の最終段階の時点で流行が広がっていたのは、最貧国の一つであるの一地域であり、開発資金の回収が見込めないとしてワクチン開発の継続を断念。 ワクチン候補をまでにアメリカの非営利機関に譲渡した。 消毒 [ ] には、やナトリウム顆粒が使われる。 金属製小物にはなどが適す。 も使用可能。 煮沸消毒でも、5分は必要となる。 照射12〜12. 7 K 1. 2〜1. 検査 [ ] 設備が整った施設がなくても、ウイルスの有無を確認できる検査キットが日本のにより開発されており、アフリカの感染発生地に(JICA)を通じて提供されている。 バイオセイフティーレベル3の施設でもエボラ出血熱の疑われる患者の血液を検査できる。 日本ではウイルス第一部第一室に検体を送ることでを使ったエボラ出血熱の検査が可能だが、エボラウイルスの変異の確認、治療薬の効果の確認、患者の退院可能かの確認は不可能となっている。 なお、発症していても、陽性の結果が出るまでに、3日程度かかる場合がある。 第一種感染症指定医療機関には、微生物学的検査が可能な検査室の設置が義務付けられているが、エボラウイルスの検査については不明。 エボラ出血熱に対応する海外病院の病棟にあるオンサイトラボラトリでは、エボラの血液サンプルを扱えるところがある。 アメリカでは現在、バイオファイア・ディフェンス社の設備を導入した300以上の医療機関でエボラウイルスの検知が可能となっている。 危篤状態を終えて、血液からウイルスが検出されなくなっても、のケースでは、尿や汗からウイルスが検出され続けており、その後、尿から検出されなくなっても汗からのウイルスの検出が続いている。 症状 [ ] エボラウイルスを取り扱う研究者。 に対応したを着用している。 潜伏期間は通常7日程度(最短2日、最長3週間以上 )。 WHOおよびの発表によると、潜伏期間中は感染力はなく、発病後に感染力が発現する。 発病は突発的で、全身倦怠感、、、などを生じ、、、、などの症状が継続する。 多くの患者はや(DIC)によるが原因で死亡する。 致死率が高いのはザイール株 とされる。 症状としてエボラ出血熱に特徴的なものはなく 、鑑別が必要な疾患としては、、、、などの他の、、、、、、、、などがある。 また、出血熱の名の由来である症状は一部の患者にしか見られない。 ちなみに、ウイルス性出血熱の中で最も出血症状が顕著なのはエボラ出血熱ではなくと言われている。 治療 [ ] 2019年段階でエボラウイルスに対するの有効性は見い出されつつあるものの(ワクチンの項で前述)、エボラ出血熱感染症に対して有効な医薬品などは確立されていない。 しかし、複数の医薬品のが行われている。 エボラ出血熱に感染した後に回復した元患者にはがあり、元患者の血液やの投与が有効な治療法とされている。 またに対するや、及びビタミン剤の投与、 DIC に対する等の投与が行われている。 1995年にで感染が起きた際には、回復した元患者の血液を8人の患者にし、そのうちの7人が回復をしている。 また2014年には感染した米国人医師らに血清の投与や輸血などが行われている。 2014年9月、WHOは「回復した患者の血液や血清を有効な治療方法」と認定し、「早急に試すように」との勧告を出した。 2010年5月29日、米国のウイルス学者トーマス・ガイスバートをはじめとした研究チームが、エボラウイルスの中でヒトに対する病原性が最も強いザイール型のエボラウイルスに感染させた中国のの治療に成功したと『』誌上で発表した。 人工的に生成した低分子干渉RNA を基に作られた薬剤を、副作用が出ないよう脂肪分子で包み、感染した細胞に直接届けることで、ウイルスの自己複製を促進するLタンパクを阻害する仕組み。 実験に使用したサルは9匹のうち7匹は6日間にわたって同じ量の薬剤の投与を受け、7匹中3匹は1日おき、4匹は毎日薬剤を摂取した。 それぞれのグループで1匹ずつはとして薬剤を投与されなかった。 薬剤を投与されたサルを分析した結果、エボラウイルスに感染して10日後、1日おきに投与されたサルの血中のウイルス濃度は非常に低かった。 また、毎日投与されたグループからはウイルスがまったく検知されなかった。 このsiRNA剤は特定の型のエボラウイルスに合わせて短時間で人工的に生成することが可能なため、新しい型のエボラウイルスが現れたとしても、すぐに対応できるという。 2014年8月6日、西アフリカで大流行しているエボラ出血熱の医療チームで感染した米国人2人に対して投与された実験用の抗体治療剤「」の効果があったことから、この未承認薬のエボラ出血熱患者への投与承認を求める申請がWHOになされた。 薬の効果・副作用より、供給が不足する中で「誰に投与すべきか」という倫理上の問題があったが、WHO特別委員会で暫定的に承認された。 なお、前述の米国人医師への使用で効果があったという報道については、投与と効果の因果関係がはっきりと示されておらず、仮に効果があったとしても、副作用を含めた安全性についてはまだ確証が得られていない。 米国では他にも、TekmiraとBiocryst Pharmaceuticalsの2社が政府の援助を得て新薬を開発中である。 傘下企業のが開発した治療薬「」はウイルスのの阻害薬で、疫病のマウスモデルにおいてエボラウイルスを排除する効果が確認されている。 富士フイルムの米国での提携相手であるメディベクターがエボラ出血熱感染者の治療に使えるよう申請する意向で、(FDA)と協議している。 承認されれば、エボラ出血熱の感染者治療で米当局が承認する初の医薬品の一つとなる見通し。 2014年10月21日、政府はファビピラビルの臨床試験をギニアで開始すると発表した。 不妊症及び乳癌の治療に用いられる遮断薬(と)は、感染したでエボラウイルスの進行を抑制する。 経口で利用可能であり、人的利用の歴史のあるこれらの薬は、単体で使うにせよ、他の抗ウイルス薬と合わせて使うにせよ、遠い地理的位置においてエボラウイルス感染を治療するのための候補であろう。 2014年の研究で、 内において、心臓不整脈の治療に使われる遮断薬であるがエボラウイルスの細胞への侵入を防ぐことが見つかった。 WHOのキーニー事務局長補は2014年8月12日の記者会見で、2種類のワクチンが臨床試験直前の段階にあると述べた。 カナダ保健省は約1500回分の未承認のワクチンを保有する。 そのうち1000回分程度を供給する用意があると述べた。 製ワクチン「VSV-EBOV」は2015年4月に第III相臨床試験を開始し、同年7月末には高度な有効性と安全性が確認されている• (通常はの治療に使用される抗ウイルス薬)は、2014年9月にの医師によって併用療法の一部として使用され、内輸液およびエボラにより損なわれた内臓のと戦うためのも同時に導入し、15人のエボラ感染患者のうち、13人の治療に成功したと報告された。 西洋のウイルス学者は、しかしながら、治療を受けた患者の数や因子の数が現在少ないため、結果に対し警告を表明している。 (NIH)の研究者は、予備的 試験管内試験において抗エボラ活性を示すことができなかったと述べているが、しかし、彼らは異なる条件の下でそれをテストし続けており、有効性のためのわずかな証拠でも見つかれば、それの試用を前進させるだろう。 抗薬の一つであるにエボラ出血熱の死亡率を下げる効果がある可能性がある。 (NIH)傘下のによると、「REGN-EB3」「mAb114」は、臨床試験で投与された患者の死亡率を低下させた。 流行 [ ] 1976年から2019年3月時点に至るまで、30回を超えるアウトブレイクが報告されている。 6月27日にヌザラの町の綿工場で倉庫番の男性が発症し、家族、医者に伝播した。 1979年にはヤンピオで5家族34名が発症し、22名が死亡した。 コンゴ民主共和国(旧ザイール) 1976 [ ] 1976年6月のスーダンでの発生から2カ月後、(旧)北部のヤンブク教会病院で大規模な大発生が起こった。 ヤンブク教会学校の教師で44歳の男性がの疑いで注射を受け、その同じで他の注射を受けた9人全員が感染し、全員死亡した。 原因の一つは、、、等の医療器具の不足であった。 米国の、、のチームが入り、終焉した。 病院のスタッフ17名中11名が死亡し、病院は閉鎖された。 コートジボワール 1994 [ ] 1994年コートジボワール。 チンパンジーの解剖に携わっていたスイス人女性が感染したことが発端だった。 ただし、チンパンジーはヒトと同様終末宿主であり、自然界の宿主ではない。 ザイール 1995 [ ] 1976年の大流行から18年後の1995年4月、中央部の総合病院で発生、244名の死亡者中100名以上は医療関係者であった。 この際も医療器具の不足が感染拡大の最大の理由であった。 米国、WHO、ベルギーのチームが入り、6月20日に終焉した。 このときに分離されたウイルスの遺伝子配列は、19年前のコンゴ・ヤンブクでの流行時に分離されたウイルスとほぼ同じであった。 ガボン 1996 [ ] 1996年10月、ガボンで森で死亡していたチンパンジーに子供たちが接触し、感染したことが発端だった。 ウガンダ 2000-2001 [ ] 2000年10月、スーダンとの国境に接するグルで始まり、南のマシンデイ(27例)や遠く離れたムバララ(5名)でも発生した。 死者の清拭や、葬儀の際の血液や体液との接触が感染拡大の原因である。 感染425例、死亡数225名• ガボン・コンゴ共和国 2001-2002 [ ] 2001年12月、ガボンとコンゴ共和国の国境で流行発生。 ガボン:感染65例、死亡数53名• コンゴ:感染32 名、死亡数20名)• ウガンダ 2011-2012 [ ] 2011年から2012年にかけてで流行し32人が感染し22人の死亡が報告された。 西アフリカパンデミック 2014 [ ] 詳細は「」を参照 2014年2月にで発生し、隣国のおよびにおいて、エボラ・ザイール が流行し、複数国にまたがるとなった。 世界保健機関 WHO の2015年10月18日の発表によると、感染疑い例も含め28,512名が感染し、11,313名が死亡したとしている。 WHOは2014年8月8日にを宣言。 患者の発生は2016年まで続き、2016年3月29日にPHEICが解除された。 患者(疑い例を含み)合計28,616例、致命率40%でそれまでの最大の流行となった。 8月1日DRC保健省は第10回目のEVDアウトブレイクを宣言した。 再流行は、東部のや隣接州で多数報告されていて、211人の症例が報告され、うち135人が10月14日までに死亡、対応支援に当たっていた米疾病対策センター の専門家チームは、安全上の懸念を理由に、最悪の被害が出ている地域から退避した。 世界保健機構の緊急対応チームは、北キブ州の都市(ベニ)に展開していたが、11月17日に現地と部隊との間で衝突があり、撤収を余儀なくされている。 次項に示す赤道州のアウトブレイクとは、流行の原因となるエボラウイルスの遺伝子塩基配列の違いから関連はないとされている。 発生地域は、国連のが以前から介入している紛争地帯でもある。 2019年:再流行 [ ] 2019年2月から3月にかけて、北キヴ州ブテンボに開設されていたエボラ治療センターが武装勢力からの3度の襲撃を受け、3月9日には警察官1人が死亡、医療従事者1人が負傷。 現地警察は、襲撃を掛けてきた武装集団をと断定している。 現地を訪問した世界保健機関の事務局長は報道陣に対し、一時は進展を見せていたエボラ対策が暴力によって後退しているとの声明を出している。 2019年3月12日現在、北キブ州およびイトゥリ州における20のヘルスゾーンから、疑い例を含め927例(死亡584例、致命率63%)EVD患者が報告。 流行地域はウガンダと南スーダンと国境を接している。 ウガンダでは2019年3月1日現在で計4,400人以上を対象に、Ebola-rV5V ワクチンを接種した。 2019年7月にWHOは「」に指定。 生態への影響 [ ] 2002年4月、 WHO は、北部に生息するの死体からウイルスを発見した。 エボラ出血熱の流行地帯に暮らす人々は、やなどの野生生物を食用とする習慣があり、また実際に発症した人の中には、発症する直前に森林で野生動物の死体に触れたと証言した者もいることから、ゴリラやチンパンジーも感染ルートの一つとなった可能性がある。 翌年、隣国のでエボラ出血熱が発生した際には、人間への感染と同時にゴリラにも多数の感染例が報告され、2002年から2005年の間に約5,500匹ものゴリラが死亡したと報告した。 2007年9月12日に発表されたIUCNでは、エボラ出血熱による激減およびのため、ニシローランドゴリラは最も絶滅危険度の高い Critically Endangered(絶滅寸前)に分類されている。 にいたっては100年前には約200万匹いたと推定されるが、商業目的で密猟やにされたり、エボラ出血熱が流行したりしで、現在は約20万匹と推定され、「絶滅のおそれのある種の」に、絶滅危惧IB類として分類されている。 なお、ヒト以外のゴリラやチンパンジー等のが人への感染源になっているが、ウイルスの保有ではなく、人間と同様に偶発的に終末宿主になったと考えられている。 では2007年から2008年にかけて、北部の養豚場など数箇所でブタが相次いで死亡した。 アメリカの研究機関が調べたところ、レストン株のエボラウイルスに感染していることが確認された。 へのエボラウイルス感染が確認されたのは世界で初めてである。 その後、1989年、1990年、1992年、1996年にフィリピンからエボラ・レストンに感染したサルが輸出されていたことが明らかになった。 日本の対応 [ ] 法律 [ ] 現行のでは「」(「一種病原体等」)に指定されている。 旧(1999年に廃止)では「法定伝染病」に指定されていた。 第2条でエボラ出血熱を「検疫感染症」としている。 第15条第4項で「本人」は、隔離を解くことを求めることができる。 第16条の2第1項で「本人」は、隔離が30日を越える場合には大臣に審査請求ができる。 第19条第1項は、第一種の感染症にかかつた者については、「治癒するまで」出席停止としている。 受け入れ病院 [ ] エボラ出血熱は一類感染症であるため、特定感染症指定医療機関及び第一種感染症指定医療機関でのみ受け入れ可能となっている。 2018年5月1日時点、前者はが指定した4医療機関10床、後者は全国の都道府県にあって知事が指定した54医療機関101床がある。 「」を参照 第一種感染症指定医療機関の要件は、「」により定められていて、入院で使われた例は過去一例のみである [ ]。 病原体 [ ] はにより特定一種病原体(国民の生命及び健康に「極めて重大な」影響を与えるおそれがある病原体)に指定されており、所持、輸入、譲渡し及び譲受けは一部の例外を除いて禁じられる。 運搬には都道府県公安委員会への届出が必要である。 所持者には帳簿を備える記帳義務が課せられる。 米国ではとして利用される可能性が高い病原体として、エボラウイルスを最も危険度、優先度の高いカテゴリーAに分類している。 なお、カテゴリーAにはエボラウイルスの他、、(およびの病原体)、、、、、も指定されている。 遺体の葬送 [ ] 埋葬の際は、を着用し、直接遺体を触れない。 感染者が死亡した場合、遺骸はすることが望ましい。 日本では感染症予防法により、十分な消毒を行い特別の許可が得られた場合を除き、遺体は火葬することが義務付けられている、火葬の習慣のなかった国や地域では、火葬が拒絶される事がある。 エボラ出血熱を題材として扱った作品 [ ]• 『アウトブレイクー感染』 早川書房より1988年3月 ロビン・クック著作、林 克己翻訳• 『ウイルス感染爆発』(著:「エボラ感染爆発」取材班、) 1995年に(現:)で起こったエボラ出血熱(エボラ・ザイール)の流行について扱っている。 、2014年08月15日改訂• 国立感染症研究所 2014年8月8日• 24年3月• 2014年3月の暫定版。 国際感染症センター 国際感染症対策室• 日本語訳(旧版): FORTH 2014年3月• 英国危険病原体諮問委員会 ACDP 2012年7月版の翻訳。 国立国際医療研究センター 国際感染症センター 国際感染症対策室• 山口県環境保健センター 平成16年1月30日 WHO、ICAOなど国際機関 [ ]• WHO, Updated 8 August 2014:WHOのFAQ• :WHOアフリカ事務局によるエボラの集計(症例定義に重要)• WHO statement, 12 August 2014:未承認薬をエボラの治療に使うことによって生じる倫理的問題を検討した委員会報告書の要約(使用を承認した)• WHO, April 21, 2014• Aviation Medicine, Public health and aviation, ICAO, July, 2009:(国連機関)による航空業界に対する勧告• 14 August 2014:エボラは空気感染ではないとの立場から、飛行機旅行によってエボラに感染するリスクは低いとした緊急声明。 CDC [ ]• :CDCのエボラ出血熱情報のまとめページ• Updated: August 7, 2014:CDCによるエボラの症例定義(2014年8月7日改訂)(感染地域はギニア、リベリア、シエラレオネ、ラゴス)• :2014年流行の特集ページ(8月中旬に新設)• :航空業界へのガイドライン• :一般旅行者に対するアドバイス• August 10, 2014:医療関係従業員に対する勧告• August 7, 2014:エボラ患者の観察と移動• August 6, 2014:疑い患者から採取した試料の輸送方法• August 6, 2014:病院でのエボラ患者の安全な取り扱い方のFAQ• October 20, 2014 その他 [ ]• Harrison's Principles of Internal Medicine, 18e:『』(アメリカの標準的教科書、日本語訳あり)のエボラの章。 CDC特殊病原体部長だったC. ピータースが執筆。 2010 Aug. :カナダ公衆衛生庁によるエボラウイルスの解説。 飛沫感染を疑わせる事実があると明記。 New England Journalof Medicine, April 16, 2014, DOI: 10. Journal of Infectious Disease. 1999;179 Suppl 1 :ix-xvi, C. Peters and J. LeDuc:エボラについての1999年の基本論文(全文)• International Journal of Experimental Pathology Vol. 76, 227-236, 1995:アカゲザルにエボラ・ザイール株のエアロゾルを暴露させたら、ごく微量でも感染したという1975年の実験報告(全文)• The Lancet, Volume 346, Issue 8991, Pages 1669 - 1671, 30 December 1995:アカゲザルにエボラウイルスを「接種」したところ、3m離れた所においた対照実験用のサルにも感染したという1995年の実験結果(要旨のみ。 全文は有料)。 エボラが飛沫感染するという可能性の根拠。 Nature Scientific Reports 2, Article number: 811 doi:10. 豚からカニクイザル(霊長類)に直接の接触無しにエボラ・ザイール株が感染した。 飛沫感染と、種の壁を越えることを示している。 (全文無料) 脚注 [ ] [] 注釈 [ ]• 2014年の流行では平均11. 決して21日を超えれば安全というわけではない。 そのため、実務ではウイルスが検出できなくなるまで隔離する。 2014年8月にへエボラを持ち込んだ系アメリカ人のPSは、妹からエボラ感染されたとされるが、妹の隔離からPSの発症まで3週間以上あるため、潜伏期間が3週間以上ある可能性がある。 この療法には疑問点が生じ、2014年10月初旬WHOは勧告を出す。 実験用薬剤という性質上、生産供給量は限られており、2008年8月初旬の出荷で在庫は切れたとされる。 『』, Aug 12, 2014 シエラレオネの指導的医師に投与が検討されたが、MSFとWHOの合同医療チームは投与しないと決めた。 その2日後に当該の人物は死亡した。 6条2項1号エボラウイルス属ザイールウイルス• が西アフリカ諸国との毎週70便の定期航空便を全便停止するとの報道を受け発表され、ケニア航空は運航停止を取りやめた。 あくまで「航空機内での感染可能性は低い。 」と言っているだけで、潜伏期感染者の移動に対する対策は、各国が警戒態勢を強化することによって対応するように求めている。 出典 [ ]• トクする日本語. (NHK) 2014年11月19日. 2014年11月22日閲覧。 Diane Bennett; David Brown 1997年. 2009年2月24日時点のよりアーカイブ。 2014年6月19日閲覧。 Media centre Fact sheets. 2014年4月. 2014年6月19日閲覧。 動物からうつる感染症 3 エボラ出血熱. 厚生労働省 2010年7月. 2012年9月3日時点のよりアーカイブ。 2014年6月19日閲覧。 National Geographic: October 2007• 日本獣医学会• 厚生労働省 2016-01-04作成 第5版. 厚生労働省ホームページ. 厚生労働省. 2016年4月4日閲覧。 『別冊 からだと病気』p. - 感染症情報センター• 『ホット・ゾーン』• IBTimes 2014年10月17日• 『』2014年10月29日• Science Direct 2014年7月• あなたの健康百科 2011年10月19日• (2014年10月25日)• 『Soils and Human Health』 P. 45 Eric C. Brevik, Lynn C. 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(2014年8月16日)• FORTH() 2012年8月. 2020年2月24日閲覧。 『日経サイエンス』2009年11月号 2009年11月. 2014年8月9日閲覧。 e-Gov. 2019年12月25日閲覧。 e-Gov. 2019年12月25日閲覧。 厚生労働省• DE 2014年10月15日• LEADERSHIP(2014年9月13日) 関連項目 [ ]• (エボラウイルスは最も厳重な管理が必要なレベル4に分類されている)• (最近エボラ出血熱の流行をみたコンゴ共和国の町)• - 発症した場合のがほぼ100%の非常に危険なウイルス感染症。 ただし接種で発症を予防できるのと、人から人へ伝染する可能性がほとんどないことからではエボラ出血熱より優先度が低い四類感染症に指定されている。 外部リンク [ ]• - 厚生労働省• - 厚生労働省検疫所• - マニュアル()家庭版• - 生活環境化学の部屋.

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エボラ出血熱 ワクチン

INDEX• 治療薬 開発中のCOVID-19治療薬は、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬と、重症化によって生じる「サイトカインストーム」や「急性呼吸窮迫症候群(ARDS)」を改善する薬剤に分けられます。 いずれも既存薬を転用するアプローチが先行していますが、COVID-19向けに新たな薬剤を開発する動きもあります。 このうちレムデシビルは、5月7日に日本で新型コロナウイルス感染症治療薬として承認(製品名・ベクルリー)。 米国ではFDA(食品医薬品局)が同月1日に緊急使用許可を出しました。 レムデシビル(米ギリアド) レムデシビルはもともとエボラ出血熱の治療薬として開発されていた抗ウイルス薬。 コロナウイルスを含む一本鎖RNAウイルスに抗ウイルス活性を示すことが明らかになっており、COVID-19の治療薬として最も有望視されている薬剤の1つです。 米FDA(食品医薬品局)は5月1日、レムデシビルについて、COVID-19の重症入院患者を対象に緊急時使用許可を与えました。 許可の根拠となったのは、米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)主導で中等症から重症の患者を対象に行われた臨床第3相(P3)試験と、ギリアドが行っている重症患者対象のP3試験。 日本では、FDAによる使用許可を受けて特例承認を適用する方針が示され、ギリアドが5月4日に承認申請。 同7日に開かれた厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が特例承認を了承し、厚労省は即日承認しました。 ギリアドは2本のP3試験を行っており、4月末に公表された重症患者対象の試験の主要結果(対象患者約6000人のうち397人分の解析結果)では、5日間の投与で10日間投与と同等の効果が得られる可能性が示されました。 中等症患者1600人を対象としたもう1本の試験は、6月1日に初期の結果(584人分の解析結果)が発表。 レムデシビルを5日間投与した患者は、標準治療のみの患者に比べて投与11日目に臨床症状の改善が見られた患者の割合が有意に高かった一方、10日間投与した患者と標準治療のみの患者では有意差はありませんでした。 現在使われているレムデシビルは点滴薬ですが、ギリアドは吸入剤の開発に着手しています。 P1試験に入っており、安全性が確認されれば8月にCOVID-19患者を対象とした試験を開始する予定。 成功すれば、軽症患者にも外来や自宅で投与しやすくなり、同社のダニエル・オデイCEOは「パンデミックを食い止めるのに重要な意味を持つ」とコメントしています。 ファビピラビル(富士フイルム富山化学) ファビピラビルは2014年に日本で承認された抗インフルエンザウイルス薬。 新型インフルエンザが発生した場合にしか使用できないため、市場には流通していませんが、新型インフルエンザに備えて国が備蓄しています。 ファビピラビルは、インフルエンザウイルスの遺伝子複製酵素であるRNAポリメラーゼを阻害することでウイルスの増殖を抑制する薬剤。 COVID-19を引き起こす新型コロナウイルスもインフルエンザウイルスと同じRNAウイルスであることから、効果を示す可能性があると期待されています。 ただし、動物実験で催奇形性が確認されているため、妊婦や妊娠している可能性がある人には使うことができず、妊娠する可能性がある場合は男女ともに避妊を確実に行う必要があります。 日本では、富士フイルム富山化学が3月にCOVID-19を対象にP3試験を開始。 臨床試験登録サイトに掲載されている情報によると、対象は重篤でない肺炎を発症したCOVID-19患者約100人で、肺炎の標準治療にファビピラビルを追加した場合の効果を検証しています。 米国でも4月からP2試験が進行中です。 藤田医科大は5月26日、COVID-19患者にファビピラビルを投与した観察研究の中間報告(同月15日現在)を日本感染症学会のホームページで公開しました。 観察研究には同日時点で全国407医療機関から2158人の患者が登録。 中間報告では「軽症患者に投与された場合にはほとんどが回復している一方、重症患者では治療経過が思わしくないことも多いことが読み取れる」としていますが、比較試験ではなく、COVID-19は軽症のまま自然に治ることも多いことから、「慎重に結果を解釈することが必要だ」としています。 シクレソニド(帝人ファーマ) シクレソニドは、日本では2007年に気管支喘息治療薬として承認された吸入ステロイド薬。 国立感染症研究所による実験で強いウイルス活性を持つことが示され、実際に患者に投与したところ肺炎が改善した症例も報告されています。 国内では、無症候または軽症のCOVID-19患者を対象に、対症療法と肺炎の発症または増悪の割合を比較する多施設共同の臨床試験が国立国際医療研究センターを中心に行われています。 その他 タンパク分解酵素阻害薬ナファモスタットや同カモスタットは、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の細胞内への侵入を阻止する可能性があるとされ、日本では東京大付属病院などでファビピラビルとナファモスタットの併用療法を検討する臨床研究が進行中です。 ナファモスタットをめぐっては、先発医薬品「フサン」の製造販売元である日医工に、第一三共、東京大、理化学研究所を加えた4者が、共同で吸入製剤の開発に着手。 7月から非臨床試験を始め、来年3月までの臨床試験開始を目指しています。 カモスタットの先発医薬品「フオイパン」を製造販売する小野薬品も、6月5日からCOVID-19を対象とした臨床試験を開始しました。 腸管糞線虫症と疥癬の治療薬として承認されている駆虫薬イベルメクチン(MSDの「ストロメクトール」)もウイルスの増殖を阻害する可能性があるとされており、日本では北里大病院が医師主導治験の実施を検討しています。 同じく治療薬候補として注目された抗マラリア薬のクロロキンとヒドロキシクロロキンも、治療効果が乏しいとして米FDAが緊急使用許可を取り消し、WHO(世界保健機関)も臨床試験を中止すると発表しました。 重症患者に対する治療薬 COVID-19が重症化すると、サイトカインストームと呼ばれる過剰な免疫反応に重篤な臓器障害を起こしたり、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)という重度の呼吸不全を起こしたりすることが知られています。 こうした重症患者に対する治療薬としては、サイトカインの一種であるIL-6(インターロイキン-6)の働きを抑える抗体医薬や、サイトカインによる刺激を伝えるJAK(ヤヌスキナーゼ)を阻害する薬剤が候補に挙げられています。 抗IL-6受容体抗体 スイス・ロシュは4月から、中外製薬が創製した抗IL-6受容体抗体トシリズマブ(製品名「アクテムラ」)のP3試験を米国、カナダ、欧州などで開始。 レムデシビルとの併用療法をP3試験も実施中です。 国内では中外がP3試験を行っており、年内の承認申請を目指しています。 JAK阻害薬 JAK阻害薬では、関節リウマチ治療薬バリシチニブ(米イーライリリーの「オルミエント」)が米NIAID主導のアダプティブデザイン試験の一部としてレムデシビルとの併用療法に関する臨床試験を開始。 日本でも、国立国際医療研究センターでレムデシビルとの併用療法を評価する臨床研究が行われています。 6月15日は、リリー主導の単剤療法のP3試験が始まりました。 JAK阻害薬ではこのほか、トファシチニブ(米ファイザーの「ゼルヤンツ」)も欧州で医師主導臨床試験が行われているほか、スイス・ノバルティスも骨髄線維症などの適応で承認されているルキソリチニブ(製品名「ジャカビ」)のP3試験を準備していることを明らかにしています。 日本新薬は、骨髄線維症を対象に開発中のJAK阻害薬NS-018をCOVID-19による重症肺炎やARDSの治療薬に転用することを検討。 同社は、肺動脈性肺高血圧症治療薬セレキシパグ(製品名「ウプトラビ」)をCOVI-D19で生じる血栓症の治療薬として開発することも検討しています。 その他 エーザイは、かつて重症敗血症を対象に開発していたものの、P3試験で主要評価項目を達成できずに開発を中止したTLR4拮抗薬エリトランの国際共同治験を6月に開始する予定。 サイトカイン産生の最上流に位置するTLR4(Toll様受容体4)の活性化を阻害することで、サイトカインストームの抑制を狙います。 イーライリリーは、がんなどを対象に開発中の抗アンジオポエチン2(Ang2)抗体LY3127804について、ARDSを発症するリスクの高いCOVID-19入院患者を対象とするP2試験を開始。 Ang2はARDSを呈する患者で増加することがわかっており、試験ではAng2を阻害することでARDSの発症や人工呼吸器の使用を減らせるかどうかを検証しています。 英アストラゼネカは海外で白血病治療薬として承認されているBTK(ブルトン型キナーゼ)阻害薬アカラブルチニブの臨床試験を実施中。 このほかにも、糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬ダパグリフロジン(製品名「フォシーガ」)について、米セントルーク・ミッドアメリカ・ハートインスティチュートと臓器不全などの重度の合併症を発症する危険性のある患者を対象としたP3試験を行っています。 米メディシノバは、多発性硬化症などで開発中のイブジラスト(日本では杏林製薬が脳血管障害・気管支喘息改善薬「ケタス」として販売)について、米イェール大と共同でCOVID-19によるARDSを対象とした臨床試験を始めました。 米アサシスとヘリオスは体性幹細胞によるCOVID-19由来ARDS治療の臨床試験を日米で行っています。 ロート製薬は、肝硬変を対象に開発を進めている他家間葉系幹細胞「ADR-001」について、8月から国内で臨床試験を行う予定です。 新規薬剤の開発 既存薬を転用するアプローチで治療薬の開発が進む一方で、新規の薬剤を開発しようとする動きも広がっています。 武田薬品工業は、米CSLベーリングなど血漿分画製剤を手掛ける海外の製薬企業9社と提携し、原因ウイルスSARS-CoV-2に対する高度免疫グロブリン製剤の開発を進めています。 10社は、原料となる血漿の採取から臨床試験の企画・実施、製造まで幅広く協力し、ノーブランドの抗SARS-CoV-2高度免疫グロブリン製剤を共同で開発・供給する計画。 今夏にも、NIAIDと協力して成人患者を対象としたグローバル試験を始める予定です。 イーライリリーは6月1日から、カナダのアブセレラと共同開発しているSARS-CoV-2に対する抗体医薬「LY-CoV555」のP1試験を米国で開始しました。 LY-CoV555はCOVID-19の回復者の血液から同定された抗体で、試験結果は6月中に明らかになる見通し。 リリーは中国・上海のジュンシー・バイオサイエンシズとも抗体医薬の開発で提携しており、こちらも6月8日からP1試験が始まりました(開発コードは「JS016」)。 リリーはLY-CoV555とJS016の併用(カクテル)も検討しています。 リジェネロンも6月11日から、2つの中和抗体を混合したカクテル抗体「REGI-COV2」の臨床試験を開始。 米ビル・バイオテクノロジーは2つの抗ウイルス抗体(VIR-7831とVIR-7832)の開発で英グラクソ・スミスクライン(GSK)と提携し、今夏にP2試験を始める予定です。 米アッヴィは、米ハーバーバイオメドやオランダ・ユトレヒト大などと抗体医薬の開発で提携しています。 ビルは米アルナイラム・ファーマシューティカルズと共同でSARS-CoV-2を標的とするsiRNA核酸医薬も開発しており、開発候補として吸入型のsiRNA「VIR-2703(ALN-COV)」を特定。 今年の末をメドに臨床試験を始める見込みです。 今年5月、国産初の核酸医薬となるデュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬「ビルテプソ」(ビルトラルセン)を発売した日本新薬も、新型コロナウイルスに対する核酸医薬の開発を検討。 バイオベンチャーのボナックもCOVID-19向け核酸医薬の研究を進めています。 米メルクは米リッジバック・バイオセラピューティクスと提携し、同社が開発した抗ウイルス薬「EIDD-2801」のP1試験を米国と英国で実施中。 ファイザーはSARS-CoV-2に対する抗ウイルス活性を示すプロテアーゼ阻害薬候補を特定しており、今年7~9月期にも臨床試験を始める予定です。 塩野義製薬も北海道大との共同研究でCOVID-19に対する抗ウイルス薬の候補を特定。 今年度中の臨床試験開始を目指して研究を進めています。 オンコリスバイオファーマは鹿児島大と契約を結び、同大が見出した抗ウイルス薬の開発に着手。 カネカは国立感染症研究所と共同で治療用抗体を開発しており、製薬会社と組んで21年度中に臨床試験を始めたいとしています。 ワクチン 感染を予防するワクチンの開発も進んでいます。 このほかに125のワクチンが前臨床の段階にあります。 モデルナのmRNA-1237もP2試験が始まっており、7月にはP3試験を始める予定です。 一方、感染の拡大が落ち着いてきたことで、ワクチンの有効性を検証するのは難しくなっています。 ワクチン開発には欧米の大手製薬企業も続々と名乗りを上げています。 米メルクは5月26日、オーストリアのテミスを買収し、COVID-19ワクチンの開発に乗り出すと発表しました。 買収で獲得するのは、麻疹ウイルスベクターを使ったワクチンで、今年後半に臨床試験を開始する予定。 メルクは非営利国際組織「国際エイズワクチン推進機構」(IAVI)とも協業し、IAVIが開発中のCOVID-19ワクチンの実用化を共同で進めます。 こちらのワクチンも今年後半に臨床試験に入る予定です。 米ジョンソン・エンド・ジョンソンは、開発中のワクチン「Ad26. サノフィとグラクソ・スミスクラインは、共同開発中のワクチンについて今年後半にP1試験を開始し、来年後半に開発を完了させることを目指しています。 両社のワクチンは、サノフィの組み換えDNA技術に基づくSタンパク質抗原とGSKのアジュバントを組み合わせたもの。 サノフィは米トランスレート・バイオともmRNAワクチンの開発で提携しており、GSKも抗ウイルス抗の開発で提携するビル・バイオテクノロジーズとワクチン開発でも協力しています。 臨床試験登録サイトに掲載された情報によると、対象は20~65歳の健康成人で、目標症例数は30例。 アジュバントを含む同ワクチンを2週間間隔で2回、筋肉内注射し、安全性と免疫原性を評価します。 塩野義製薬は、グループ会社のUMNファーマで組換えタンパクワクチンの開発を進めており、年内の臨床試験開始に向けて厚生労働省などと協議を進めています。 KMバイオロジクスも不活化ワクチンの開発に着手しており、年度内の非臨床試験終了が目標。 アイロムグループのIDファーマはセンダイウイルスベクターを使ったワクチンを開発中で、9月にも臨床試験を開始する考えです。 第一三共は、mRNAワクチンの臨床試験を来年3月ごろに始めることを目指しています。 田辺三菱製薬もワクチン開発に乗り出しています。 カナダ子会社のメディカゴが植物由来ウイルス様粒子を使ったCOVID-19向けワクチンを開発中。 非臨床試験の中間結果で良好な結果が得られたことを明らかにしており、8月までに臨床試験を開始するために規制当局と協議しています。 順調に進めば、臨床試験は来年11月に終了する予定です。

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【エボラ出血熱】アンジェスの治療薬に期待!エボラウイルスは近くにいる。

エボラ出血熱 ワクチン

INDEX• 治療薬 開発中のCOVID-19治療薬は、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬と、重症化によって生じる「サイトカインストーム」や「急性呼吸窮迫症候群(ARDS)」を改善する薬剤に分けられます。 いずれも既存薬を転用するアプローチが先行していますが、COVID-19向けに新たな薬剤を開発する動きもあります。 このうちレムデシビルは、5月7日に日本で新型コロナウイルス感染症治療薬として承認(製品名・ベクルリー)。 米国ではFDA(食品医薬品局)が同月1日に緊急使用許可を出しました。 レムデシビル(米ギリアド) レムデシビルはもともとエボラ出血熱の治療薬として開発されていた抗ウイルス薬。 コロナウイルスを含む一本鎖RNAウイルスに抗ウイルス活性を示すことが明らかになっており、COVID-19の治療薬として最も有望視されている薬剤の1つです。 米FDA(食品医薬品局)は5月1日、レムデシビルについて、COVID-19の重症入院患者を対象に緊急時使用許可を与えました。 許可の根拠となったのは、米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)主導で中等症から重症の患者を対象に行われた臨床第3相(P3)試験と、ギリアドが行っている重症患者対象のP3試験。 日本では、FDAによる使用許可を受けて特例承認を適用する方針が示され、ギリアドが5月4日に承認申請。 同7日に開かれた厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が特例承認を了承し、厚労省は即日承認しました。 ギリアドは2本のP3試験を行っており、4月末に公表された重症患者対象の試験の主要結果(対象患者約6000人のうち397人分の解析結果)では、5日間の投与で10日間投与と同等の効果が得られる可能性が示されました。 中等症患者1600人を対象としたもう1本の試験は、6月1日に初期の結果(584人分の解析結果)が発表。 レムデシビルを5日間投与した患者は、標準治療のみの患者に比べて投与11日目に臨床症状の改善が見られた患者の割合が有意に高かった一方、10日間投与した患者と標準治療のみの患者では有意差はありませんでした。 現在使われているレムデシビルは点滴薬ですが、ギリアドは吸入剤の開発に着手しています。 P1試験に入っており、安全性が確認されれば8月にCOVID-19患者を対象とした試験を開始する予定。 成功すれば、軽症患者にも外来や自宅で投与しやすくなり、同社のダニエル・オデイCEOは「パンデミックを食い止めるのに重要な意味を持つ」とコメントしています。 ファビピラビル(富士フイルム富山化学) ファビピラビルは2014年に日本で承認された抗インフルエンザウイルス薬。 新型インフルエンザが発生した場合にしか使用できないため、市場には流通していませんが、新型インフルエンザに備えて国が備蓄しています。 ファビピラビルは、インフルエンザウイルスの遺伝子複製酵素であるRNAポリメラーゼを阻害することでウイルスの増殖を抑制する薬剤。 COVID-19を引き起こす新型コロナウイルスもインフルエンザウイルスと同じRNAウイルスであることから、効果を示す可能性があると期待されています。 ただし、動物実験で催奇形性が確認されているため、妊婦や妊娠している可能性がある人には使うことができず、妊娠する可能性がある場合は男女ともに避妊を確実に行う必要があります。 日本では、富士フイルム富山化学が3月にCOVID-19を対象にP3試験を開始。 臨床試験登録サイトに掲載されている情報によると、対象は重篤でない肺炎を発症したCOVID-19患者約100人で、肺炎の標準治療にファビピラビルを追加した場合の効果を検証しています。 米国でも4月からP2試験が進行中です。 藤田医科大は5月26日、COVID-19患者にファビピラビルを投与した観察研究の中間報告(同月15日現在)を日本感染症学会のホームページで公開しました。 観察研究には同日時点で全国407医療機関から2158人の患者が登録。 中間報告では「軽症患者に投与された場合にはほとんどが回復している一方、重症患者では治療経過が思わしくないことも多いことが読み取れる」としていますが、比較試験ではなく、COVID-19は軽症のまま自然に治ることも多いことから、「慎重に結果を解釈することが必要だ」としています。 シクレソニド(帝人ファーマ) シクレソニドは、日本では2007年に気管支喘息治療薬として承認された吸入ステロイド薬。 国立感染症研究所による実験で強いウイルス活性を持つことが示され、実際に患者に投与したところ肺炎が改善した症例も報告されています。 国内では、無症候または軽症のCOVID-19患者を対象に、対症療法と肺炎の発症または増悪の割合を比較する多施設共同の臨床試験が国立国際医療研究センターを中心に行われています。 その他 タンパク分解酵素阻害薬ナファモスタットや同カモスタットは、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の細胞内への侵入を阻止する可能性があるとされ、日本では東京大付属病院などでファビピラビルとナファモスタットの併用療法を検討する臨床研究が進行中です。 ナファモスタットをめぐっては、先発医薬品「フサン」の製造販売元である日医工に、第一三共、東京大、理化学研究所を加えた4者が、共同で吸入製剤の開発に着手。 7月から非臨床試験を始め、来年3月までの臨床試験開始を目指しています。 カモスタットの先発医薬品「フオイパン」を製造販売する小野薬品も、6月5日からCOVID-19を対象とした臨床試験を開始しました。 腸管糞線虫症と疥癬の治療薬として承認されている駆虫薬イベルメクチン(MSDの「ストロメクトール」)もウイルスの増殖を阻害する可能性があるとされており、日本では北里大病院が医師主導治験の実施を検討しています。 同じく治療薬候補として注目された抗マラリア薬のクロロキンとヒドロキシクロロキンも、治療効果が乏しいとして米FDAが緊急使用許可を取り消し、WHO(世界保健機関)も臨床試験を中止すると発表しました。 重症患者に対する治療薬 COVID-19が重症化すると、サイトカインストームと呼ばれる過剰な免疫反応に重篤な臓器障害を起こしたり、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)という重度の呼吸不全を起こしたりすることが知られています。 こうした重症患者に対する治療薬としては、サイトカインの一種であるIL-6(インターロイキン-6)の働きを抑える抗体医薬や、サイトカインによる刺激を伝えるJAK(ヤヌスキナーゼ)を阻害する薬剤が候補に挙げられています。 抗IL-6受容体抗体 スイス・ロシュは4月から、中外製薬が創製した抗IL-6受容体抗体トシリズマブ(製品名「アクテムラ」)のP3試験を米国、カナダ、欧州などで開始。 レムデシビルとの併用療法をP3試験も実施中です。 国内では中外がP3試験を行っており、年内の承認申請を目指しています。 JAK阻害薬 JAK阻害薬では、関節リウマチ治療薬バリシチニブ(米イーライリリーの「オルミエント」)が米NIAID主導のアダプティブデザイン試験の一部としてレムデシビルとの併用療法に関する臨床試験を開始。 日本でも、国立国際医療研究センターでレムデシビルとの併用療法を評価する臨床研究が行われています。 6月15日は、リリー主導の単剤療法のP3試験が始まりました。 JAK阻害薬ではこのほか、トファシチニブ(米ファイザーの「ゼルヤンツ」)も欧州で医師主導臨床試験が行われているほか、スイス・ノバルティスも骨髄線維症などの適応で承認されているルキソリチニブ(製品名「ジャカビ」)のP3試験を準備していることを明らかにしています。 日本新薬は、骨髄線維症を対象に開発中のJAK阻害薬NS-018をCOVID-19による重症肺炎やARDSの治療薬に転用することを検討。 同社は、肺動脈性肺高血圧症治療薬セレキシパグ(製品名「ウプトラビ」)をCOVI-D19で生じる血栓症の治療薬として開発することも検討しています。 その他 エーザイは、かつて重症敗血症を対象に開発していたものの、P3試験で主要評価項目を達成できずに開発を中止したTLR4拮抗薬エリトランの国際共同治験を6月に開始する予定。 サイトカイン産生の最上流に位置するTLR4(Toll様受容体4)の活性化を阻害することで、サイトカインストームの抑制を狙います。 イーライリリーは、がんなどを対象に開発中の抗アンジオポエチン2(Ang2)抗体LY3127804について、ARDSを発症するリスクの高いCOVID-19入院患者を対象とするP2試験を開始。 Ang2はARDSを呈する患者で増加することがわかっており、試験ではAng2を阻害することでARDSの発症や人工呼吸器の使用を減らせるかどうかを検証しています。 英アストラゼネカは海外で白血病治療薬として承認されているBTK(ブルトン型キナーゼ)阻害薬アカラブルチニブの臨床試験を実施中。 このほかにも、糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬ダパグリフロジン(製品名「フォシーガ」)について、米セントルーク・ミッドアメリカ・ハートインスティチュートと臓器不全などの重度の合併症を発症する危険性のある患者を対象としたP3試験を行っています。 米メディシノバは、多発性硬化症などで開発中のイブジラスト(日本では杏林製薬が脳血管障害・気管支喘息改善薬「ケタス」として販売)について、米イェール大と共同でCOVID-19によるARDSを対象とした臨床試験を始めました。 米アサシスとヘリオスは体性幹細胞によるCOVID-19由来ARDS治療の臨床試験を日米で行っています。 ロート製薬は、肝硬変を対象に開発を進めている他家間葉系幹細胞「ADR-001」について、8月から国内で臨床試験を行う予定です。 新規薬剤の開発 既存薬を転用するアプローチで治療薬の開発が進む一方で、新規の薬剤を開発しようとする動きも広がっています。 武田薬品工業は、米CSLベーリングなど血漿分画製剤を手掛ける海外の製薬企業9社と提携し、原因ウイルスSARS-CoV-2に対する高度免疫グロブリン製剤の開発を進めています。 10社は、原料となる血漿の採取から臨床試験の企画・実施、製造まで幅広く協力し、ノーブランドの抗SARS-CoV-2高度免疫グロブリン製剤を共同で開発・供給する計画。 今夏にも、NIAIDと協力して成人患者を対象としたグローバル試験を始める予定です。 イーライリリーは6月1日から、カナダのアブセレラと共同開発しているSARS-CoV-2に対する抗体医薬「LY-CoV555」のP1試験を米国で開始しました。 LY-CoV555はCOVID-19の回復者の血液から同定された抗体で、試験結果は6月中に明らかになる見通し。 リリーは中国・上海のジュンシー・バイオサイエンシズとも抗体医薬の開発で提携しており、こちらも6月8日からP1試験が始まりました(開発コードは「JS016」)。 リリーはLY-CoV555とJS016の併用(カクテル)も検討しています。 リジェネロンも6月11日から、2つの中和抗体を混合したカクテル抗体「REGI-COV2」の臨床試験を開始。 米ビル・バイオテクノロジーは2つの抗ウイルス抗体(VIR-7831とVIR-7832)の開発で英グラクソ・スミスクライン(GSK)と提携し、今夏にP2試験を始める予定です。 米アッヴィは、米ハーバーバイオメドやオランダ・ユトレヒト大などと抗体医薬の開発で提携しています。 ビルは米アルナイラム・ファーマシューティカルズと共同でSARS-CoV-2を標的とするsiRNA核酸医薬も開発しており、開発候補として吸入型のsiRNA「VIR-2703(ALN-COV)」を特定。 今年の末をメドに臨床試験を始める見込みです。 今年5月、国産初の核酸医薬となるデュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬「ビルテプソ」(ビルトラルセン)を発売した日本新薬も、新型コロナウイルスに対する核酸医薬の開発を検討。 バイオベンチャーのボナックもCOVID-19向け核酸医薬の研究を進めています。 米メルクは米リッジバック・バイオセラピューティクスと提携し、同社が開発した抗ウイルス薬「EIDD-2801」のP1試験を米国と英国で実施中。 ファイザーはSARS-CoV-2に対する抗ウイルス活性を示すプロテアーゼ阻害薬候補を特定しており、今年7~9月期にも臨床試験を始める予定です。 塩野義製薬も北海道大との共同研究でCOVID-19に対する抗ウイルス薬の候補を特定。 今年度中の臨床試験開始を目指して研究を進めています。 オンコリスバイオファーマは鹿児島大と契約を結び、同大が見出した抗ウイルス薬の開発に着手。 カネカは国立感染症研究所と共同で治療用抗体を開発しており、製薬会社と組んで21年度中に臨床試験を始めたいとしています。 ワクチン 感染を予防するワクチンの開発も進んでいます。 このほかに125のワクチンが前臨床の段階にあります。 モデルナのmRNA-1237もP2試験が始まっており、7月にはP3試験を始める予定です。 一方、感染の拡大が落ち着いてきたことで、ワクチンの有効性を検証するのは難しくなっています。 ワクチン開発には欧米の大手製薬企業も続々と名乗りを上げています。 米メルクは5月26日、オーストリアのテミスを買収し、COVID-19ワクチンの開発に乗り出すと発表しました。 買収で獲得するのは、麻疹ウイルスベクターを使ったワクチンで、今年後半に臨床試験を開始する予定。 メルクは非営利国際組織「国際エイズワクチン推進機構」(IAVI)とも協業し、IAVIが開発中のCOVID-19ワクチンの実用化を共同で進めます。 こちらのワクチンも今年後半に臨床試験に入る予定です。 米ジョンソン・エンド・ジョンソンは、開発中のワクチン「Ad26. サノフィとグラクソ・スミスクラインは、共同開発中のワクチンについて今年後半にP1試験を開始し、来年後半に開発を完了させることを目指しています。 両社のワクチンは、サノフィの組み換えDNA技術に基づくSタンパク質抗原とGSKのアジュバントを組み合わせたもの。 サノフィは米トランスレート・バイオともmRNAワクチンの開発で提携しており、GSKも抗ウイルス抗の開発で提携するビル・バイオテクノロジーズとワクチン開発でも協力しています。 臨床試験登録サイトに掲載された情報によると、対象は20~65歳の健康成人で、目標症例数は30例。 アジュバントを含む同ワクチンを2週間間隔で2回、筋肉内注射し、安全性と免疫原性を評価します。 塩野義製薬は、グループ会社のUMNファーマで組換えタンパクワクチンの開発を進めており、年内の臨床試験開始に向けて厚生労働省などと協議を進めています。 KMバイオロジクスも不活化ワクチンの開発に着手しており、年度内の非臨床試験終了が目標。 アイロムグループのIDファーマはセンダイウイルスベクターを使ったワクチンを開発中で、9月にも臨床試験を開始する考えです。 第一三共は、mRNAワクチンの臨床試験を来年3月ごろに始めることを目指しています。 田辺三菱製薬もワクチン開発に乗り出しています。 カナダ子会社のメディカゴが植物由来ウイルス様粒子を使ったCOVID-19向けワクチンを開発中。 非臨床試験の中間結果で良好な結果が得られたことを明らかにしており、8月までに臨床試験を開始するために規制当局と協議しています。 順調に進めば、臨床試験は来年11月に終了する予定です。

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