シンフォニーマーケティング。 シンフォニーマーケティング 株式会社の採用/求人

シンフォニーマーケティング株式会社 庭山氏独占インタビューVol.2

シンフォニーマーケティング

みなさん、こんにちは。 第1回では庭山氏が感じた日本のBtoBマーケティングについての話が印象的でした。 第2回ではインサイドセールスの設計や運用方法についてお話をうかがいます。 シンフォニーマーケティング株式会社 代表取締役 庭山 一郎氏 1990年9月シンフォニーマーケティング設立 マーケティングのコンサルティング、インターネット事業など数多くのマーケティングプロジェクトを手がける。 1997年よりBtoBにフォーカスした日本初のマーケティング事業を開始。 製造業、IT、建設業、サービス業、流通業など各産業の大手企業を中心に国内・海外向けのマーケティングサービスを提供している。 海外のマーケティングオートメーションベンダーやBtoBマーケティングエージェンシーとの交流も深く、長年にわたって世界最先端のマーケティングを日本に紹介している。 以前より日本企業にはデマンドセンターが必要と提唱されていますが、それぞれの工程で気を付けるべき点と成果を上げる為のポイントは何でしょうか? 今の日本企業の最もダメなところが、部分最適です。 部分最適は絶対に成果が出ません。 それぞれ個別の目標設定をするのは良いですが、全体設計との整合性を持たせないという点がダメなのです。 デマンドセンターのそれぞれの目標管理はどのようにすべきでしょうか? 簡単にお話すると、後工程で必要な数を加味して逆算で考えることが必要です。 全体設計の中で数値の整合性が取れていなければ全く意味がありませんので、そこは注意が必要です。 目標は新規契約数、売上、トライアル、デモ予約、資料請求などと企業ごとに違いますが後工程で必要な数から逆算すれば簡単に設計ができます。 数字の整合性が取れていない場合は、全体設計を見直すべきです。 アポ率の設定によっては、最後のの金額と合わなくなってきます。 そしてコールリストが膨大に必要になり、新しく獲得したリードにコールドコール(cold call)をする為、獲得した瞬間からリストが枯れていきます。 弊社では焼畑と呼んでいます。 コールドコールは基本的には枯れていくので焼畑ということを認識していただきたいです。 私はインサイドセールスの設計を誤ると害を及ぼすこともあると考えています。 マーケティングのファネルをイメージしてください。 マーケターは、良いナーチャリングをして良いリードを出したいと考えています。 営業は良質なに臨みたいと考えています。 そこに考え方の乖離はありません。 ところが、マーケターと営業の間にインサイドセールス部隊を構築すると少し考え方が変わります。 例えるなら、製造業で高い機械を購入したとします。 購入後、その機械が稼働していないのは勿体ないという考えや不安に駆られます。 その為、利益が出ないような仕事も受け、結局のところ二束三文の儲けにしかならない。 利益が出るならまだ良いですが、下手をすると赤字になってしまう。 本来ならば、儲からない仕事を受けるよりは機械を止めておいた方が良いのです。 しかし、経営者の心理は「高いお金を払って機械を買ったのだから、稼働しないのは勿体ないし不安だ。 稼働させよう!」となるのです。 インサイドセールスも同様です。 インサイドセールス部隊はリストが無ければ、やることがありません。 10人のチームに対して、十分なリストが無ければ全員がフル稼働することはありません。 仕事が無ければ給料が下がる、部署移動になるかもしれないという不安から、コールドコールを始めてしまいます。 コールドコールからのリードは質が良いとは言えません。 中にはそこからに繋がることもありますが、数%程度でしょう。 マーケターは「そんなリストに荷電するなよ。 せっかく集めたリードを枯らすな」と言い、営業は「そんな無理やり取ったアポになんか訪問したくない」と思い、結果的に誰も幸せにならないのです。 こうした矛盾をしっかりと考えたうえで設計・運用することが非常に大切です。 これも例え話になりますが、営業が訪問できる件数が月に50件だと仮定します。 それ以上のアポを取得しても営業が訪問できないので、本来であれば50件以上は不要です。 50件以上のアポを取得しなければ達成できない目標であれば、全体設計がおかしいということです。 インサイドセールス部隊が50件のアポを取得するのなら、必要な、リード数、コール数を逆算し、必要な人員だけを用意することが重要です まだマーケティングにそれほど注力されていない企業がこれから施策を始める際、まずはMAやインサイドセールスの導入を部分的にするのと、まとめて導入するのではどちらがよろしいでしょうか? これには2つお話をさせていただきます。 1つ目は、設計です。 更地の土地を所有していてお金もある方から、ビルを建ててくれと依頼されました。 しかし設計図なしではビルは建てられません。 そもそもビルと言っても何に使うのか、マンション、オフィスビル、商業施設、用途によっても全く違います。 最初の全体設計が何よりも大切なのです。 2つ目は、ツールです。 これまで、日本国内で累計4000のツールが売れていると言われています。 あくまでも累計ですが、その中できちんと稼働しているツールは5%程度しかありません。 ツールがすべて自動化してくれるというお客様が明らかな勘違いを、売り手が正さずに販売してしまうことも原因の1つです。 これは絶対に良くないと思います。 営業は「ツールの操作は簡単です」と説明します。 「ツールを使って効果的なマーケティングを実践するのは経験や知識などが必要で難しい」とは決して言いません。 お客様は、これを同義だと勘違いしたまま購入してしまうのです。 中にはツールを利用するとマーケティングができるようになると思っている方も少なからずいます。 知識が無い方が買ってしまうのがダメなのではなく、きちんとマーケティングの設計をしたうえで購入しなければならないという話です。 1つ目は設計の話、2つ目はツールの話でしたが、部分的に導入するもまとめて導入するも、マーケティングの基本設計が重要です。 設計があれば、それに基づき必要なことから始めたら良いと思います。 結果的に、部分的に始める企業もあるでしょうし、まとめて導入する企業もあるでしょう。 結局は企業のマーケティング戦略次第になるのではないでしょうか。 SaleTechの中でも、直近ではインサイドセールスに興味を持つ企業が多いかと思いますが、庭山さんが考えられるインサイドセールスを成功させる為のポイントはどこだと思いますか?複数あれば全て教えていただけますでしょうか。 インサイドセールス部隊だけを作るのはおすすめしません。 後は先程お話している通り、マーケティング全体設計の中でインサイドセールスのを決めること、必ず後工程で必要な数から逆算すること、マーケティング・インサイドセールス・の全体最適を考えたうえでの設計と運用です。 インサイドセールス部隊は自社内で持つべきかアウトソースすべきか、どちらを推奨されますか? 私は社内で持つことを推奨します。 インサイドセールスは基本的には(Account Development Representative)或いは(Business Development Representative)に進化させるべきだと思います。 これらをで進化させられないのが、内製化をお奨めする理由です。 ただ、繁忙期などはコール数がオーバーフローしてしまうこともあるでしょうから、そうした場合はアウトソースを検討するというロードバランスはするべきだと思います。 コア部隊に関しては内製化の方が良いと思います。 おそらく、日本企業がマーケティング部門で内製化しやすいのはデータマネジメントやではなくインサイドセールス部隊だと思います。 やはりBtoB企業のインサイドセールス部隊はある程度、自社の製品・サービス知識がある方が望ましいと考えます。 ただし、がしっかりとできているということが前提条件です。 おそらく優秀な営業を配置した方が良いという考えは、リストの質が悪いからではないでしょうか。 弊社のインサイドセールス部隊は比較的高いアポ率です。 確かに優秀な人材ではありますが、特別なことをしている訳ではなく、がしっかりされているリストに荷電をしているのでアポ率が高いということなのです。 1年間くらいアウトソースでやリストの精査を行ってもらいそのスキームを内製化し、更にブラッシュアップするというやり方は良いと思います。 マーケティングとインサイドセールス、インサイドセールスとフィールドセールスの連携がうまくいかない企業があると言われますが、何故そのようなことが起きるのでしょうか?また、解決策はどのようなことがありますか? 全体設計した上で役割分担をしっかりとすることです。 部分最適の場合、努力すればするほど達成しようとしている目標が他の部門の迷惑になる可能性も高くなります。 従って、全力を尽くす前に先ずは全体設計することが重要です。 弊社では長年お取引させていただいている企業様でも、月ごとに「今月は何件コールしましょうか?」という確認を取るようにしています。 理由は営業が稼働できる時間を確認する為です。 営業が稼働できないにも関わらずアポを取得しても、何の意味もありません。 お客様から「話を聞きたい」と言われているにも関わらず、「訪問できません」となれば企業としてのイメージダウンにも繋がりかねません。 その為、決まった契約件数があっても、営業の稼働状況次第では減らすなどの対応をしています。 一度、全体最適をしたからと言って、営業の状況を確認しないままリード獲得し続けたり、アポ取得を続けたりすると連携がうまくいかなくなることが多いからです。 リード獲得〜までの全体設計をした上で、状況に応じて再度全体設計をすると部門間で軋轢が生じることもなく、企業の売上にも貢献できるのではないでしょうか。 ただし、弊社とお取引がある企業の経営層はご理解いただいています。 経営層の方は営業が社内にいると不安になるものですが、生産能力を超えるは企業にとってもマイナスになり兼ねません。 予算達成した営業に特別休暇を与えることを提案してもなかなか受け入れてもらえず、では目標達成した社員は社内で勉強をさせるなどするのはどうかと言うと、それも難色を示される方が多い。 このような環境下では、米国のような優秀なマーケターはなかなか育たないのです。 マーケティングをしている方も意識を変えることは勿論ですが、私は本格的にマーケティングに取り組もうとしている会社の事業責任者や経営層こそ意識を変えなければならないと考えています。 シンフォニーマーケティングについて 事業内容 ・マーケティング戦略の立案 ・顧客・見込み客データ管理サービス ・Webマーケティングに関するサービス ・マーケティングオートメーション導入・運用支援サービス ・の構築・運用支援サービス 参照URL:.

次の

シンフォニーマーケティング株式会社 庭山氏独占インタビューVol.1

シンフォニーマーケティング

プレスリリース 2016年10月31日 13時 【プレスリリース】シンフォニーマーケティング、田島ルーフィングとマーケティングサポート契約を締結• 報道関係者各位本日、BtoB企業向けにマーケティングを支援するシンフォニーマーケティングは、建築防水材・床材メーカーの田島ルーフィング株式会社と、マーケティング基本設計、プラットフォーム整備などを包括して支援するマーケティングサポート契約を締結したことを発表します。 symphony-marketing. html 報道関係者各位 2016年10月31日 シンフォニーマーケティング株式会社 シンフォニーマーケティング、田島ルーフィングとマーケティングサポート契約を締結 BtoB企業向けにマーケティングを支援するシンフォニーマーケティング株式会社(東京都中央区、代表取締役 庭山一郎、以下シンフォニーマーケティング)は、建築防水材・床材メーカーの田島ルーフィング株式会社(東京都千代田区:代表取締役社長 田島国雄、以下田島ルーフィング)と、マーケティング基本設計、プラットフォーム整備などを包括して支援するマーケティングサポート契約を締結しました。 また、マーティングオートメーションツールのマルチベンダーとして、各種マーケティングオートメーションの導入から運用までを手掛ける。 従業員50名。 jp メディア関係者の方はこちら• 東北地方• 関東地方• 中部地方• 近畿地方• 中国地方• 四国地方• 九州地方• 北海道• 青森県• 岩手県• 宮城県• 秋田県• 山形県• 福島県• 茨城県• 栃木県• 群馬県• 埼玉県• 千葉県• 東京都• 神奈川県• 新潟県• 富山県• 石川県• 福井県• 山梨県• 長野県• 岐阜県• 静岡県• 愛知県• 三重県• 滋賀県• 京都府• 大阪府• 兵庫県• 奈良県• 和歌山県• 鳥取県• 島根県• 岡山県• 広島県• 山口県• 徳島県• 香川県• 愛媛県• 高知県• 福岡県• 佐賀県• 長崎県• 熊本県• 大分県• 宮崎県• 鹿児島県• 沖縄県• その他.

次の

シンフォニーマーケティング

シンフォニーマーケティング

展示会に出展していない企業の方と話していると、その理由をこう説明してくれます。 「ウチはニッチな仕事なので新規取引ってほとんど無いのですよ。 既存顧客には営業や代理店がしっかり付いていますから、展示会には出ません」 でも、この考え方だと既存顧客を守れないかも知れません。 ABM という言葉をご存じでしょうか?マーケティングの先進国である米国で2012 年頃から普及し、今では大きなムーブメントになっているマーケティングの概念で、別の言い方をすれば、「営業視点で再設計されたマーケティング」と言うこともできます。 このABM は既存顧客からの売り上げを最大化するという特徴を持っています。 ターゲット企業の中でメールや電話、対面などでコンタクトできる人間をコンタクトポイントと呼びます。 存在は知っていても会ったことがない、メールアドレスを知らない、という人はコンタクトポイントではありません。 情報を送ることが出来る、つまりコミュニケーション可能な人間だけをこう呼びます。 既存顧客を「点」ではなく「面」で守るにはこのコンタクトポイントの数が重要な要素になります。 「既存顧客は担当営業や代理店がしっかりフォローしています」もよく聞く説明ですが、毎週顧客企業を訪問している営業でも、訪問するのは同じ部署で会うのは同じ人、というケースが圧倒的です。 つまりグリップしているように見えても「点」でしか繋がっていないのです。 この問題に対する答えは、その顧客企業内のコンタクトポイントを増やすことで、営業個人の「点」でも、部署としての「線」でもなく、企業全体の「面」で関係を再構築することです。 これが、既存顧客からの売り上げの最大化を目指す最適な方法であり、ABM なのです。 顧客企業内の営業が訪問していない事業所や部署でのコンタクトポイントを増やすために、私は展示会を積極的に活用することを提案しています。 工業用ロボットの設計者が集まる展示会、IoT の研究開発部門の人が集まる展示会、物流企業の情報システム部門の人が集まる展示会、そうした顧客内の他部署のコンタクトポイントを増やすために、展示会は非常に重要な意味を持つと考えています。 個人に依存した「点と点」の関係より、複数の部署に対して、多くの製品やサービスによって「面」で繋がる方が顧客を守れるのは言うまでもありません。 今回は展示会後のお礼メールについて書こうと思います。 展示会に出展する企業が当たり前のように行っていることを「見直してください」と提案することがあります。 例えば当社のクライアントはほとんどアンケートをとりません。 理由は簡単で人はアンケートが嫌いだからです。 展示会場でアンケート用紙を見せただけでさっと逃げられる経験をした人は多いと思います。 嫌いなものをとろうとするから数が少なくなります。 もしアンケートをとらなければ名刺は20 倍も30 倍も収集できたはずです。 しかも、そんなに苦労して収集したアンケートを営業や販売代理店は大して重視しません。 彼らは気分で左右されるアンケート項目よりも、名刺に記載してある「どんな企業なのか?」「どんな部署なのか?」「どのクラスの役職なのか?」という情報の方が重要なのを知っているのです。 さらに私は当社のクライアントに、展示会後の「お礼メールを出すのを止めましょう」と提案しています。 私は、長年にわたって顧客データとそこに飛び交う情報のトラフィックを見てきました。 大規模な展示会が開催されたおよそ1 週間後から10 日後に、この「お礼メール配信ラッシュ」が始まります。 出展企業が来場者に一斉にお礼メールの配信を始めるのです。 多い時は2 週間で数百万通のお礼メールが配信されます。 それはまるでサンゴ礁の産卵のようです。 そして、これが大量の「配信拒否」を生み出すのです。 多くの出展企業が来場者に対して一斉にお礼メールの配信を始めた結果、来場者のメールアドレスに山のようなお礼メールが届くことになり、うんざりした人はどんどん配信拒否をします。 今の日本の法律では「配信拒否」をされた人にはもうメールを送ることは出来ません。 セミナー案内も新製品情報も、サポート情報すら送れないので、捨てるしかなくなってしまいます。 そんなリスクを抱えたお礼メールですが、実は必要性もメリットもほとんどありません。 私は「せっかくブースに立ち寄ってあげたのに、なんて礼儀知らずな会社だ!」と怒っている人を見たことがありません。 多くの企業では「お礼メール」は「展示会出展の一区切り」という程度の意味しかありませんが、そんな軽い気持ちで不用意に配信した結果、実は数百万円の損失を招いているかもしれません。 私の会社は、クライアント企業のデータマネジメントと分析を生業としています。 お預かりしたクライアントの顧客データを精緻に分析すると、出展する展示会によって収集するリードの質が異なることに気がつきます。 しかも、規模が大きな展示会でクライアントもそれなりに大きなブースで出展した時の方が良くないのです。 さらに調べてみるとどうも原因は同時開催でした。 主催者は同時開催の総来場者数をアナウンスしますから、出展する側は自社のターゲットがそんなに集まるのなら、と予算を組んで大きなブースで出展します。 しかし、この数字は「同じ主催者によって同時に開催される複数の展示会の合計」ですから、全来場者に占める自社ターゲットの含有率は、同時開催の展示会の数が増える程どんどん低下していきます。 たとえ売り物が違っても「ターゲットは一致する」というケースはもちろんあります。 機能性樹脂と半導体デバイスは、電子デバイスとそのハウジングという関係になりますから、ターゲットは電子部品メーカーの設計者で一致します。 高解像度の顕微鏡と試薬は、薬品開発やバイオテクノロジーの研究で使われますから、ターゲットは大学などの研究機関か、メーカーのラボに勤務する研究者で一致します。 このようにターゲットが一致するならまだ良いのですが、まったく一致しない同時開催で参加者を集めても、出展社も来場者も誰もうれしくない展示会になってしまいます。 これは私の予想なのですが、イベントを主催するサイドの人たちは、出展社が展示会で収集したデータを分析するスキルが急激に向上していることを知らないのではないかと考えています。 だから、同時開催イベントを増やし、総来場者を増やし、最終日には通路が人でごった返す様子を見て大成功、と言っているのだと思います。 もうそういう定性的な評価の時代は終わりました。 成功の定義は、「そこで集めたリードデータを精査した出展社が来年も出展しようと意思決定する」以外には無いはずです。 現実はその逆に、データを精査した結果、もうその展示会への出展はやめる、という結論に至るケースが少なくありません。 私は、リードデータの収集という目的では、日本の展示会はとても有効だと考えて、クライアント企業に対して展示会に積極的に出展するようにアドバイスしてきましたが、それでも近年の同時開催には大いに疑問を感じています。 私はクライアントに、「展示会のブースの説明要員として営業パーソンを立たせるのは最小限度にしましょう」と提案します。 今日はその理由を書いてみましょう。 欧米でも「セールスはハンターだ」という言葉があります。 鉄砲を担いで山野を駆け回る猟師のイメージです。 猟師やハンターは比喩ですが、意味するところは動く獲物にしか反応しないということであり、動く獲物とは「6か月以内に注文をくれそう」「お金の匂いがぷんぷんする」「現在使っている製品や、取引しているベンダーに不満を持っている」という案件のことです。 こうした条件に合致した案件には営業はアグレッシブに行動してくれます。 しかし、そうしたハンターから見れば展示会で収集する名刺やアンケートは「種」なのです。 理屈では「これを大事に育てれば、いつか実がなる」とは理解しているのですが、どう扱って良いかも分からないし、本質的に興味がありません。 ですから営業同士でおしゃべりがはじまります。 かつて同じ部署で働いた経験があるとか、共通の上司がいるとかの話で盛り上がり、ロゴの入ったポロシャツを着ているのも忘れて話し込んでしまいます。 これはとても見苦しいものです。 営業がハンターなら、マーケティングはファーマー(農民)と呼ばれます。 荒れ地を耕して畝をつくり、その土地や気候に合った種を蒔き、何年もかけて水や肥料をやり、雑草を抜き、害虫を駆除しながら辛抱強く育てることが出来ます。 ハンターとファーマーの違いは知能指数や運動神経ではなく、この「気質」なのです。 そして、展示会は、マーケティングのサプライチェーンに例えるなら「種蒔き」です。 しかも畑の作物のように同じ時期に蒔けば同じように育って秋に一斉に収穫できる作物ではありません。 ほとんどの種は芽を出しませんし、出しても野鳥や山の動物(競合)に食べられてしまいます。 だから収穫したい量の数十倍数百倍の種を蒔かなければならないのです。 日本の展示会は、欧米のカンファレンス主体のエグゼクティブ用のものは少なく、数千人、数万人が来場します。 ですから商談をするというより、種蒔き、つまり多くのリードデータの収集に適しています。 だからこそ私は、展示会のブースには営業を立たせない方が良いと考えているのです。 前回は、展示会の選び方について書きましたので、今回は出展した展示会の効果測定の仕方を書こうと思います。 マーケティングプロセスの中で、展示会をリードジェネレーション(見込み客を集めるプロセス)と位置づけると、展示会の効果を測る一つの指標として、CPL(Cost Per Lead: 見込み客個人情報獲得単価)があります。 これは、展示会で獲得する名刺やアンケート情報一枚当たりの獲得単価で、営業案件を創出する仕組み(デマンドセンター)を工場に例えるなら、原材料の仕入れコストに該当します。 社員の人件費を除くすべての出展関係費用を、獲得した個人情報の数で割ったもので、リードジェネレーションを測る指標(KPI:KeyPerformance Indicator)として使います。 実は、BtoB マーケティングでのCPL は驚くほど高いものです。 1000 万円の総費用で出展し、800 枚の名刺を集めたとしたらCPL は12,500 円です。 この計算式を見ていただければCPL を下げる方法は出展コストを下げるか、収集データ数を増やすかしかありません。 このCPL にも初級・中級・上級があります。 上記のように展示会の総コストを収集個人情報数で単純に割る方法が初級編です。 集めた個人情報の中から、競合や営業対象外を除いた数で割るのが中級です。 先ほどの例であれば、800 人の名刺から競合・営業対象外100 人を引くと、獲得個人情報数は700 人となり、CPL は、約14,300 円です。 さらに、その700 人をデータベースに登録して既に自社が保有していた個人情報を差し引いた「純増数」が400 人とすると、CPL は25,000 円、と計算できるのが上級です。 つまり上級とは、見込み客(リード)情報を管理するデータベースを持ち、その中の企業と個人のデータが厳密に名寄せされ、企業と個人がきちんと紐付いた状態になっていることが前提なのです。 このCPL は、デマンドセンターを「案件を創出する工場」に例えると「原材料の仕入れ単価」になりますので、ここが高いと後工程でのマーケティングROI(Return On Investment)がとても悪くなってしまいます。 もちろんターゲットの個人情報を収集する方法は展示会以外にも沢山ありますが、同じ評価指標(CPL)で測定して、最もパフォーマンスの良いもので収集するべきだと私は考えています。 BtoB マーケティングではリードジェネレーションが最もお金が掛かりますので、ここをしっかり予算管理することが重要なのです。 前回までは、展示会で収集する名刺は「ゴミ」なのか?を<競合><営業対象外>の視点から書きましたので、今回は、よい展示会をどう選ぶのかについて書こうと思います。 私はお客様との打合せの中で、「なぜこの展示会に出展しているのですか?」と質問をします。 「競合も出展しているから」 「ずいぶん前からこの展示会に出ているので理由はわからない」 「主催団体の理事にウチの役員がなっているので・・・」と実に様々な答えが返ってきます。 気持ちは判りますが、私はどの答えも0点だと考えています。 私の許容する答えは 「当社の製品・サービスのターゲット が来場するからです」 これだけです。 もちろん展示会出展にはいろいろな意味があるでしょう。 業界内でのPR も、お付き合いも、販売代理店に対するアピールなども大切ではないとは言いません。 しかしマーケティングという視点で見ればターゲットが集まっている展示会以外は出展する意味は無く、逆にターゲットが集まる展示会なら予算を掻き集めてでも出展すべきなのです。 そして、自社のターゲットが集まる展示会かどうかを間違えずに選定するためには、まずターゲットを明確に定義しなければなりません。 どんな業種なのか?どんな規模(社員数・売上げ・拠点数など)なのか?その中のどんな部署なのか?どの部署の中のどのクラスの役職なのか?などを明確にしなければ出展する展示会を選ぶことは出来ないのです。 日本はBtoB の展示会がとても充実している国で、特に製造業やIT などの分野では非常に専門性の高い展示会が毎週のように開催されています。 しかしその中から自社のターゲットのデータを収集することが出来る展示会を探し出すのは簡単ではありません。 主催者の示す展示会概要や前年の来場者分析も正確性に問題があります。 役職別の円グラフをご覧になって、「こんなに役員クラスがいたっけ?」とブースでの感覚との違いに違和感を覚えた方もいるかと思います。 実は出展企業の役員もカウントされていることが多いのです。 また近年同時開催で規模を拡大する展示会が多く、その同時開催が同じターゲットなら良いのですが、まったく畑違いなら総来場者数すら参考には出来ません。 展示会を正しく選ぶためには、まず何よりも先に集めるべきターゲットを明確に定義し、そのターゲットのデータを名刺1枚あたりいくらで集めるのか、を決める必要があります。 次回はそうした展示会の【定量的効果測定】について説明しましょう。 庭山 一郎 シンフォニーマーケティング株式会社 BtoBマーケター庭山一郎から見た展示会エトセトラ 【第3回】展示会で収集する名刺は「ゴミ」なのか? 実は展示会で収集したデータの中 に営業対象外が多いとすれば、そも そも展示会の選定を間違った可能性 が高いのです。 日本の BtoB の展示会は一般に考えられているより、はるかにスクリーニングが効いています。 多くの展示会は、招待チケットを持たない人が入場しようと思えば 5000 円程度を払わなければなりませ んが、私は入場口でチケットを購入している人をほとんど見たことがありません。 つまり来場者の大半はい ずれかの出展企業からチケットを贈られた企業の人なのです。 これが最初のスクリーニングです。 もちろん本人がその展示会に行き たいと思わなければ来場していませんし、平日に開催される展示会です から上司の許可が無ければ行くことはできません。 さらに広い展示会場 の中で自社のブースの周辺を歩いて いたということは、その周辺の出展 企業やカテゴリーに興味がある人なのです。 つまり展示会場で自社ブースの周 辺にいる人から競合を排除すれば、それは将来案件化する可能性を持つ リード情報だと私は考えています。 ところが、実際に展示会収集データを分析してみると、見事に見込み客がいない、というケースがあります。 この事実から「展示会」全体を否定され、出展予算を削られる企業もあるのですが、これは展示会が悪いのではなく展示会の選定を間違えただけの話です。 自分の意思でラーメン屋に入っておきながら「うどんが置いてない」と文句を言っているようなものなのです。 そんな企業の展示会の選定は、大抵とてもイージーです。 「毎年この展示会に出展してい るので…」「同業者も出ているので」「主催者の営業が熱心だったので」「うちの役員が主催団体の理事になったので」などで、まるでお話になりません。 自社製品やサービスのターゲットを明確に「市場・企業・部署・個人」で定義し、その個人が最も集まる展示会をピックアップして比較検討する、というプロセスを経ていないのです。 BtoB マーケティングのプロセスの中でも最も大きなコストが掛かるのがリードジェネレーション、つまり見込み客の収集活動です。 ですから展示会の選定や予算配分、それぞれの展示会でのリード収集目標やそ の具体的な方法を徹底的に詰めなけ ればなりません。 それをしないで出展するから収集データが役に立たないのです。 庭山 一郎 シンフォニーマーケティング株式会社 第1回は、日米の展示会の違いを説明しながら、日本の展示会で重要なのはリードの量であると書きましたので、今回は展示会で収集するリードの質に関して書こうと思います。 企業内には必ず「アンチ展示会」がいるものです。 「展示会でゴミデータばかり集めてどうするんだ?」という論陣を張る人です。 この「ゴミ」とは競合や営業対象外のことです。 つまり、展示会で収集できる名刺の多くは【競合】か【営業対象外】ということなのですが、これはかなり偏った考え方なのです。 それを2回に分けてそれぞれ説明しましょう。 【競合】 まず展示会に出展すれば競合データは必ず混入します。 展示会主催者は来場者の利便性を考えて同じような業種を集めてレイアウトするのが普通ですから、多くの場合自社ブースの周辺は競合ばかり、ということになります。 その競合から見たら同業者が一同に会して最新の製品やサービスを展示していますから、当然それらを見て周ります。 製品を見て質問し、ブース内セミナーに参加し、デモを見て、パンフレットの代わりに名刺を置いていきます。 さらに説明要員に質問して名刺交換をしますから、展示会に出展すればある数量の競合名刺は混入するのです。 まさか自社ブースに入ってきた人に「あなたはさっきまで向かいのブースにいた人ですよね、今すぐに出て行ってください」などとは言えません。 出展する以上来場者は選べませんし、そもそも展示会は情報収集にはもってこいの場ですから、出展していない競合やその代理店も、これから参入する未来の競合も来場しています。 問題なのは、それらの競合名刺が目に付く程全体の収集データが少ないということなのです。 3日間の開催期間で300 枚の名刺を集めたとします。 その中の100 枚が競合企業のものだったら確かにがっかりして「もう展示会はこりごりだ」となるでしょう。 でも、もしその展示会で4000 枚の名刺を収集していたら100 枚の競合名刺は気になるでしょうか?私なら競合の100 枚の名刺にさっさと「競合フラグ」を立てて、残りの3900枚の名刺に対するマーケティングプランを考えます。 私の経験では総来場者が30000 人の展示会で、会場内の競合の数はせいぜい1500 ~ 2000 人です。 これは名刺をデータベース化する時に「名寄せ・営業対象外排除(マージ&パージ)」というプロセスをきちんと実行すれば良いだけの話です。 営業対象外を嫌って展示会の出展をやめてしまえば、数年後にはセミナー集客や新規案件に困ることになりますし、展示会をうまく活用した競合の後塵を拝することになるのです。 次回は【営業対象外】について説明しましょう。 BtoBマーケター庭山一郎から見た展示会エトセトラ 【第1回】量と質どちらが大事? 日米の展示会の違い 皆さん、こんにちは。 シンフォニーマーケティング株式会社の庭山一郎です。 私は、日本のBtoB企業のマーケティングに25年以上携わって参りました。 その経験から、日本のBtoBマーケティングにおけるイベントの役割や考え方について、書いてみようと思います。 第1回のテーマは、日本の展示会と海外、特に欧米で開催される展示会の違いについてです。 商談をするのか、リードとして名刺を獲得するのか?重要なのはどちらなのでしょうか? このテーマを整理するためには日米の展示会の違いを理解する必要があるのです。 「良い、悪い」、「正しい、間違っている」ではなく、「違う」のです。 日本と米国や欧州の展示会は雰囲気も出展企業のブース運営も大きく異なります。 そのため、外資系企業の本社マーケティングの人が来日して日本の展示会を見ると「こんな職位の低い人ばかりの展示会なら出る意味は無いから来年度はもう予算をつけない」と言う人がいます。 そんな時は日本と米国の違いを理解してその違いや日本市場の特徴をきちんと説明できないと本当に予算が獲れなくなり、リードジェネレーションの重要なチャネルを失うことになってしまいます。 濃い商談の欧米展示会 まず、欧米の展示会ですが、参加した経験が有る方は判ると思いますが、大都市から離れた場所、例えばフロリダ州のオーランドやネバダ州のラスベガス、テネシー州のナッシュビルなどに在る巨大なコンベンション施設で開催されることがほとんどです。 来場者の多くは、遠方から飛行機でやって来て、多くの場合併設のホテルに宿泊し、2日~3日以上をかけて会場をじっくりと回ります。 その目的は「濃い商談」なのです。 ですから来場者には企業経営者などのエグゼクティブが多く、ブースやコンベンション施設内に設けられた多くの商談コーナーや部屋で商談をします。 ときに開会期間中に大型商談が成立することさえあります。 ですから集めた名刺の数などより、質つまり商談の数が大切と言えます。 情報収集中心の日本 一方、日本の展示会は、東京ビッグサイトや幕張メッセ、横浜パシフィコなど、大半が首都圏内で開催されています。 来場者のほとんどは、片道30分~1時間程度の距離から足を運びます。 展示会場の滞留時間は平均で4~5時間と言われており、その時間内に25から多い人で40社近くのブースを見て回ります。 さらに来場者の役職をみると、役員などのエグゼクティブクラスは出展企業を除くと少数で、課長や課長代理、係長などのリーダークラス以下が最も多くなります。 つまり、日本の展示会は、来場者が広く浅く製品やトレンドなどの情報を収集することが目的なのです。 来場者と話していると判りますが、1ヶ月前に展示会に行く日時を明確に決めている人は少なく、決めているのは「その展示会に行く」ということだけです。 何日目に行くかも時間も決めていませんから商談予約を求められてもハードルが高く、さらに時間を予約してもその時間に目的のブースに着けるかどうかは当日の混み具合にも左右されます。 ですからせっかくブース内にコストを掛けて商談コーナーを設置しても、活用されないことが多いのです。 さらに、日本企業での意思決定プロセスは、米国などのトップダウンと異なり、下から上に稟議を上げるボトムアップです。 日本企業で稟議書を起案する人は課長クラスが多く、稟議書を上げる時には商談は価格、納期、サポートなどの細部まで既に決まっています。 ですから日本では営業ターゲットは稟議書を起案する課長クラスであり、展示会に来場して広く浅く情報収集する人なのです。 このように日本と欧米では、展示会に来場する人たちの目的が大きく異なります。

次の