宮本から君へ ドラマ 感想。 ★新作映画『宮本から君へ』ネタバレなしの感想。ぶっちぎりで2019年ベスト

「宮本から君へ」新井英樹の感想!ドラマ化・映画化もされた名作が無料で読める!|メガネ丼

宮本から君へ ドラマ 感想

私は劇場で泣くことはめったにないのだが、せき止めていたものが宮本の熱量にぶっ壊された。 そのくらい衝撃的で、猛烈に熱い映画だった。 3年前の2016年は、とにかく邦画の勢いが凄い年だった。 大泉洋主演の『アイ・アム・ア・ヒーロー』やエヴァの庵野秀明監督による実写映画『シン・ゴジラ』、アニメを含めると『君の名は。 』『聲の形』『GANTZ:O』と、映画ファンにとっては御馳走のようなラインナップだ。 そんな傑作が蔓延るなかで強烈な印象を残したのが『』だ。 笑い、恐怖、悲哀、あらゆる感情を振り子のように揺さぶる内容で、観終わったあとは観客に深い影を落とす。 こんな映画を見たら一生忘れられるわけがない。 翌年は正直、洋画邦画含めてハズレ年といった感じで、映画そのものから距離を置いてしまった。 そして迎えた2019年はまさに邦画の当たり年だ。 特に9月10月はすごい。 『』『』と傑作が続いてからの『宮本から君へ』。 しばらくはこれを超える映画は出てこないだろう。 見ている時間はずっと幸せだった。 文具メーカー「マルキタ」で営業として働く宮本浩。 彼は笑顔が作れず、お世辞も言えない。 金もなければ仕事もできないが、人一倍正義感は強くて情熱だけは誰にも負けない不器用な男だ。 そんな宮本は会社の先輩・神保の仕事仲間である大人な女性・中野靖子と恋に落ちていた。 ある日、宮本は営業先の真淵部長と大野部長に気に入られて彼らのラグビーチームに入り、マネージャーとして参加する靖子も連れて彼らの飲み会に行く。 気合いを入れて日本酒の一升瓶を飲み干し、泥酔してしまった宮本を送るために真淵は息子の拓馬を呼びつける。 そこに現れたのはラグビーで鍛え抜かれた巨漢の怪物だった。 その後、2人に人生最大の試練が訪れ……。 正直、ドラマ版を観なくても問題ない。 ドラマ版に出てくるキャラクターがストーリーに大きく関わらないし、あくまで新キャラとのやり取りがメインとなっている。 とはいえ、宮本のキャラクターを知っておいた方がより楽しめるので、時間があればドラマ版から観るといい。 1話24分しかないので、すぐに全部見られるだろう。 簡単にドラマ版についてネタバレありでレビューをしたい。 宮本は稚拙で不器用で、でも熱さだけは誰にも負けない。 とくに彼が後半の仕事編で見せる執着心には心動かされた。 あなたはバカにされる宮本ほど熱くなったことはあるだろうか、情熱を持って何かを取り込んだことがあるだろうか。 結果的にドラマ版の宮本は何も手に入らない。 情熱だけで人生、何とかできるわけがない。 大人になってからは特にだ。 が、彼のほとばしるエネルギーに突き動かされ、最初は冷たい目で見ていたみんなが彼を手助けをするようになる。 人の感情を動かす人間は素晴らしい。 人を元気にさせる人間って素晴らしい。 物凄く価値があると思う。 最後、あの甲田美沙子とかいうクソ女を突き返すことで成長を見せてくれたのは良かった。 序盤は甲田美沙子に振り回されっぱなしだったが、後半の仕事編でのニチヨンとのコンペで自分に対して誠実に生きることの清々しさを学んだのだろう。 何の成果を得られずに終わるという不完全燃焼っぽい終わり方ではあるが、宮本は成果よりも大事な成長を得られたので、私は満足した。 ドラマの後半に出てくる中野靖子に扮した蒼井優もすごく良かった。 まるで『ペンギン・ハイウェイ』のお姉さんそのものだ。 ペンギン・ハイウェイは突如ペンギンが街に発生し、好奇心旺盛な少年がその謎を探り、お姉さんが彼の手助けをするといった内容。 少年をまるで聖母のような暖かいまなざしで支えるお姉さんのキャラクターが魅力的なアニメ映画で、声を蒼井優が担当している。 中野靖子を演じるのも彼女で、アホで無能で情熱しかない子供っぽい宮本を大人の目線で叱る。 暴力的なところはあるけれど、ペンギン・ハイウェイのお姉さんが帰ってきたような錯覚に陥って嬉しかった。 何より印象的だったのが松ケン扮する宮本の会社の先輩・神保だ。 ニヤケ顔で取引先のおっさんの母親の体まで心配する人情派。 そんな彼は「仕事に私情を持ち込みたくない」なんて冷徹なことを言いつつ、誰よりも真摯に仕事と向き合っている。 宮本はそんな彼が大好きで尊敬しているのだ。 松ケンのキャリア史上最高の演技の1つ。 あんな魅力的な彼を観たことがない。 ここからは映画について。 オープニングから混乱させられる。 ドラマ版の後半にちょろっと出てきた中野靖子と宮本の距離感がやけに近くて仲睦ましい。 どうやら二人は付き合っているようだ。 なぜか宮本の腕はギブスで巻かれてて、前歯もない。 観客の頭に?が満たされる。 宮本は靖子を連れて自分の実家に連れていき、両親の前で結婚を宣言する。 しかも彼女の腹の中には子供がいる。 結婚するのに靖子は宮本のことを「宮本」と名字で呼ぶのがなんかいい。 バカでガキな宮本に対して、精神的に成熟している靖子っぽさがあってしっくりくる。 しばらく見ていると場面が切り替わり、歯が生えている宮本が靖子の独り暮らしの家に招かれる。 靖子は宮本のことを「宮本くん」と呼ぶ。 どうやらまだ付き合いたてのよう。 本編は、こんな感じで過去と現在を交互に映す形で進んでいく。 二人がご飯を食べているところに元カレが乱入してきたりと、穏やかではない展開がありつつも、まあ平和だ。 その後も幸せそうな日常が淡々と描かれる中、突如として二人に悲劇が起きる。 思った以上にショッキングなため、内容は控えたい。 公式サイトのあらすじにも書かれていないので直接見て確かめてもらいたい。 なぜこのエピソードがドラマではなく映画で描かれたのかは納得である。 映画でなければ耐えられない内容だからだ。 果たして二人は、この強大な試練にどう立ち向かうのか。 ドラマ版にも言えることだが、映画版もとにかく魅力的なキャラクターであふれている。 特に敵役の男がたまらない。 宮本が参加することになったラグビーチームに所属している真淵部長の息子の拓馬だ。 体型が宮本の2~3倍くらいある巨漢男でまさに化け物。 見た目や喋り方から悪役然とした感じがたまらないし、何より良かったのが彼の内面が一切描かれないこと。 よって観客は彼に感情移入することなく、宮本と靖子をひたすら応援する形となる。 この映画は宮本がこの拓馬と戦うといった、私のようなアホでもわかる内容だ。 だが、相手は見るからに強い。 観客は「こんなやつにどうやって勝つんだ」と心配することになる。 さらにもうひとつのストーリーと平行しており、それが靖子との関係性だ。 彼女も事件の当事者であり、このことがきっかけで宮本と靖子の関係が壊れてしまう。 宮本と靖子は再び繋がることができるのか。 本作の見所といったら言うまでもない、宮本のバカさ加減だ。 肝心な時でも彼は言動は変わらないので、そういった時ほど彼の不器用さが浮き彫りとなって滑稽で笑える。 あまりに単細胞すぎてワンピースのルフィに見えてきたくらい。 クソ弱いルフィだ。 テーマは「親」だ。 繊細なテーマだが、ここは宮本。 力ずくのみでこのテーマを描いちゃうから面白い。 倫理とか常識とかそんなの関係ない。 すべてを情熱のみでぶっ壊す。 それが最高に気持ちいい。 プロポーズのシーンとか死ぬほど笑える。 劇場では後ろにいた女性客がゲラゲラ笑っていて、何だかいい雰囲気に包まれていた。 最後の戦いなんかもほんとブサイクすぎて笑える。 なんだよあれ、むちゃくちゃじゃねーか。 それなのにラストシーンはアホほど泣ける。 笑って泣けるってエンターテイメントからしたら、ただの最強じゃんかよ。 一個だけ不満があって、序盤で靖子の家に元カレ・裕二が乱入してくる際に、何やかんやあって飼っている金魚が水から飛び出てバタバタしているシーンがある。 ここは宮本と靖子には救って欲しかった。 彼らはそういった温かい人間性を持っているので。 序盤はずっとこのシーンが引っかかってしまった。 ただ、このシーンでさらっと放つ裕二のひと言が、彼の多面性を描いているので注目してもらいたい。 とはいえ、元気をもらえるいい映画だ。 余計なことをごちゃごちゃ考えて悩みがちな人は見るべき。 一発でもやもやした気持ちが晴れるだろう。 私の中のバイブルになってしまいそう。 意外と私が観た回は一人で来ている女性が何人もいたのが印象的。 連続ドラマの映画化だから、女性ファンも多いのだろう。 しかしこの内容が女性の支持を受けるっていうのも面白い話だ。 なぜなら間違いなく現実に宮本がいたとしたら女性受けしない。 どんな現実的な問題も、情熱のみで解決するのだから。 ある意味現実逃避である。 でもフィクションならではの、彼みたいにエネルギーを与えてくれる存在は厳しい現実に生きる我々には価値がある。 正直、同時期に上映しているジョーカーよりこっちのが世間の話題をかっさらってもらいたいもの。 歯抜けの仮面を付けた情熱人間が世間に蔓延したらやっかいだが。 でもジョーカーに比べると、この映画が我々に与えてくれる影響は健全だし、何より元気になる。 我々だって宮本のようになるべきときがある。 3年前のヒメアノ~ルの衝撃が凄くて、私はずっとこれに匹敵する映画を探していた。 ようやく見つかって嬉しい。 宮本越えを見せてくれる映画はまた3年くらい年を跨ぎそう。 長い旅になりそうだ、宮本。 発明好きのラクシュミは、妻ガヤトリが生理処理の際、汚れた布を使っていることを知る。 彼女の体を心配して薬局で生理用ナプキンを購入するも、高額だったため、彼女に返品するように言われる。 村の医師に相談し、「不衛生な布を使用するせいで不妊や死に至ることもある」と聞いたラクシュミは、彼女を守るため、ナプキンを自作するようになる。 しかしインドでは生理=ケガレといった認識があり、「これ以上自分の生理には関わらないでほしい」とガヤトリに警告される。 それでもラクシュミは開発を強行するのだが……。

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映画『宮本から君へ』感想(ネタバレ)…この映画で日本男児信仰は潰せるか : シネマンドレイク:映画感想&レビュー

宮本から君へ ドラマ 感想

皆様、いつもこんな馬鹿なレビューを読んで頂きありがとうございます。 さてまた全然関係ない話しから始めます。 私だけではないでしょうが在宅の時間が大幅に増えた今日この頃で御座います。 TVを付けると大抵新型コロナウイルスのニュースです。 洋画だったら吹き替えがあるやつ。 さて映画を観ながらは私は必ずお酒を飲みます。 寝落ちしてもOK.。 緊張感はゼロ。 一人飲みなのに翌日は二日酔い。 馬鹿だね〜 お銚子が空になると覗いて、お姉さんもう一本つけて。 もうこの先は読まないでも良いですよ。 大したことないですからね。 文具メーカーで働く宮本 池松壮亮 は先輩の仕事仲間の中野靖子と恋に落ちます。 しかし靖子は元彼の風間 井浦新 にストーカー行為を受けていたのでした。 なんとか風間は撃退したのですが、ある夜衝撃のある事件が起こります。 先輩 ピエール瀧 の息子拓馬が信じられない行動に出たのです。 その時、宮本の馬鹿は寝ていやがる。 大体てめえは飲み過ぎなんだよ。 いい加減にしろ! すいません。 腹が立って言葉が汚くなりました。 まず警察だろ。 フツーは。 との考えは飲み込みます。 フィクションだしね。 かくして宮本は怨敵、拓馬にタイマンを挑みます。 いやいや体格差があり過ぎだよ。 舞の海と曙の取り組みでしょうか?当時の体重差、実に101キロです。 ボクシングや柔道と違って大相撲はどんなに体重差があっても関係ありません。 しかし!しかしです。 なんと舞の海は曙に勝った事があります。 そりゃそうだ。 警察に・・・いやもっと正々堂々と卑劣になれ!例えば背後からバットで殴るとか、石を投げるとか、お金に困ってそうな貴闘力に頼むとか・・・ かくして宮本は惨敗です。 前歯も3本折られました。 しかし宮本は漢 おとこ だった。 それでも憎っくき拓馬に闘いを挑みます。 そして・・・ 拓馬役の一ノ瀬ワタルは元格闘家の上、体重を33キロ増やしました。 役作りとは言え凄いですね。 稀に見る憎まれ役。 嫌われ役。 いやはや役者だね。 役者だけど。 好き嫌いが分かれる映画でしょう。 でも熱量は有ります。 エンディングに宮本浩次の歌が流れます。 Do you remember? きみが好きな歌を まちを 空を そして 明日をいま 俺が全て引き受けよう 私の胸に刺さりました。 原作もテレビドラマも未見です。 まあ、好きな人と嫌いな人と両極に分かれるタイプの作品であると思います。 昔なら、ヤクザ映画やチンピラ、不良映画によくあるストーリーの様な感じでしたが、サラリーマンの設定というのが異色ですね。 この作品『ディストラクション・ベイビーズ』の監督だと知り、然もありなんという感じです。 自分がプロレスラーや相撲取りやヤクザなどと、もし闘わなければならない状況になった場合どのように相対するか?という想定で、男なら一度や二度は妄想したことや悪夢として夢見たことがあるように思うのですが、この監督もこの妄想癖がかなり強いタイプの様に感じられました。 私はこの物語の登場人物全員が基本的に苦手なんですが、唯一、この監督のネチネチとした弱者の強がり的なこだわりに対しては自分の中にも少し感じられて、突き放して見ることが出来ませんでした。 ネタバレ! クリックして本文を読む ・営業マンの宮本が仕事で悩んだりする話なのかなぁって思ってたらそういうシーンはほぼなくて、恋人の靖子との話で驚いたのと、宮本と靖子らキャラクターが感情が凄まじくてとても面白かった。 ・宮本が物静かそうな雰囲気だったかと思えば、手のつけられなくなるほど感情的になりとんでもねぇ奴だなと惹きつけられた。 靖子は物静かなのかと思ったら同じかそれ以上の性格で観ていてずっと感情を揺さぶられた。 ・レイプシーンからの2人の葛藤がとてつもなく苦しかった。 前に詐欺にあった人が責められるという話をテレビで観て、その話と重なった。 宮本が可哀想に見える時もあれば、靖子の言ったように情けなく見えて複雑な気持ちになった。 もしも、自分が宮本の立場になったら、どうしていただろうと、苦しくなった。 ・宮本が復讐に行くシーンがとても怖かった。 構成上、死なないのはわかっているのにどうなってしまうんだろう?とドキドキした。 外階段史上最高の格闘シーンが観られてとても良かった。 やばい時は金的を狙うようにしようと思った。 原作も未読、ドラマシリーズも見ていなかったが宮本の熱量はくたくたになるくらい感じた。 それに対峙する靖子を演じた蒼井優もここまでエネルギー使った撮影は過去無かったと後日語ってたぐらいだ。 タクマとの対決だけど婚約者がレイプされてるんだから素手の正攻法じゃなく鉄パイプや金属バットを使って半殺しにしてくれよと思ってしまった。 タクマ役一ノ瀬ワタルに対して殺したいくらいの憎悪をいだくのだから彼の芝居も秀逸だったと思う。 希代の名優の池松壮亮と蒼井優の演技を超えた感情のぶつかり合いと圧倒的熱量にくたくたになった。 世知辛い世の中だからこそクソ不器用な宮本は人の心を熱くする。 後日ラジオで蒼井優の夫の山ちゃんがこの作品を一人で映画館に観に行ってその後自分は何やってんだとスマホのゲームのアプリを消したとの話を聞いた。 DVDで観賞する際は気合入れて画面に対峙しよう! ネタバレ! クリックして本文を読む 原作は連載時、飛び飛びで読んでた。 だいたいのあらすじは知ってる。 「もっと楽に生きろよ宮本ぉ... 暑苦しいんだよ」読むたびにそう呟いてた。 新井英樹、好きな作家ではない。 ただ、物語に惹き込む力は物凄い。 さて、今頃の映画化である。 池松壮亮かぁ。 自分のイメージだと市原隼人なんだが.... まぁそれはいい。 余りの熱量にうっかり感動させられてしまったが、ちょっとまてよ、と思い出したので書いてる。 宮本が本当に直情バカだったら、靖子からレイプされたと聞いた瞬間、出刃包丁か金属バットか、とにかく身近な武器になるもの持って走り出してるはずだ。 住所知らない? 顔覚えてない? そんなの、走ってる途中に気がつくはずだ。 そしてとにかく父親の連絡先は知ってるんだから、まず父親のところに怒鳴り込むだろう。 ラグビーの練習時まで待ち、ユニフォームまで着て待ってる???? 宮本が知能犯ならそれでもいい。 ニコニコ笑いながら、タクマが後ろ向いた瞬間バットで殴るとか、ガソリンぶっかけて火を付けるとか、それとも自動車かバイクで引き倒すか.... そうでもしなけりゃ収まらない怒りだろ? 最悪の胸糞の悲劇を描きながら決着の付け方がファンタジー、そこが気に入らない。 マンション非常階段での死闘。 あんな上手い事いくわけない! 両者、あるいはどちらかが地面に落下して死亡、もしくは半身不随とか。 そして宮本が助かったとしても刑務所行き.... それがリアルだ。 そんな救いのない映画誰が観るかよ、自分だってそんなもの観たくないよ。 もちろん映画の嘘はあったったっていい。 だったら事件の発端の彼氏が酔いつぶれてる横で彼女が巨漢男にレイプされるなんて、胸糞な設定描かなきゃいい。 その矛盾が気にならない人には感動作になったかもしれない。 明らかに新井英樹「宮本から君へ」に絶大な影響を受けて描かれたと思われる花沢健吾「ボーイズ・オン・ザ・ラン」の映画化作品を、気になって昨日見直してみた。 とても納得がいった。 主人公、田西の感情、行動に嘘がない。 そしてこちらには都合のいいカタルシスがない。 だよなぁ... な、苦い苦いオチしかない。 だから感動してしまう。 自分は「ボーイズ... 」の」ほうが断然好きだ。 それだけ。 ネタバレ! クリックして本文を読む 同名コミックを同監督・同キャストでTVドラマに続いて映画化。 TVドラマのその後らしいが、全く難無く話や設定に入っていけたから驚き! 不器用だが熱血な営業マン、宮本浩の奮闘物語。 年上の恋人・靖子との愛が描かれる。 結婚も決め、靖子は妊娠もしている。 それぞれの両親に挨拶を済ませ、友人たちからも祝福。 一見薔薇色のように思えるが…、 原作は新井英樹。 あの衝撃的な愛の形を描いた『愛しのアイリーン』の原作者。 監督は真梨子哲也。 あの脳天ガツン級の衝撃バイオレンス作『ディストラクション・ベイビーズ』の監督。 このタッグで生易しい作品になる訳が無い! 靖子の自宅に招かれ一緒に夕食を取っている所へ、靖子の元カレが乱入。 靖子に暴力を振るう元カレに宮本は、「この女は俺が守る!」と宣言。 ここから、宮本と靖子の試練に次ぐ試練、究極の愛が始まる…。 その元カレと交際宣言を切っ掛けに二人は結ばれる。 貪るように身体を絡め合う。 人前でもキス。 純粋で真っ直ぐ。 それ故、喧嘩も壮絶。 二人とも感情が激しい事に加え、もはや喧嘩ではなく、口論…いや、罵り合い。 それでも深く愛を育む。 そんな時、事件が起きる…。 取り引き先との飲み会で酔い潰れた宮本。 靖子と自宅に送り届けたのは、取り引き先の息子でラグビー選手の拓馬。 好青年かと思いきや、酔い潰れて爆睡している宮本の隣で、突然靖子に襲い掛かる。 靖子は必死に宮本に助けを求めるが、宮本は全く気付かず起きず…。 翌朝起きた宮本は、様子がおかしい靖子から事情を聞き出す。 ショックを受ける宮本。 イイ奴だと思った拓馬が憎い。 宮本以上に憎悪を燃やしたのは靖子。 拓馬も憎いが、宮本の事も憎い。 私の事を守ると言ったあの言葉は何だったのか…? ただの大言壮語だったのか…? こんなダメ男だったとは…。 宮本に口から溢れ出す罵詈雑言を浴びせ掛け、絶縁を言い渡す。 男としての面子を潰された宮本は拓馬に復讐を誓うのだが…、 相手は現役ラグビー選手で体もデカく屈強。 ボコボコに返り討ち。 しかし、それでも諦めない宮本。 靖子の為に、俺自身の為に、絶対に負けられない勝負に再び挑む…! この勝負シーンが、見てて痛々しいほどのバイオレンス。 顔中膨れ上がり、血だらけ、歯も欠け、血ゲロも吐く。 一瞬の隙を付き、宮本も遂に遂に逆襲。 相手のアソコを握り潰す。 宮本の苦しいうめき声、相手の絶叫悲鳴。 アパートの外に面した高所階段での勝負故、ヒヤヒヤハラハラ…。 何度も手に汗握った。 何と言っても本作は、主演二人の大熱演…いや、超熱演! 元々原作の熱烈ファンだったという池松壮亮。 それに応える全身全霊の体現! 食べたご飯を撒き散らし、ボコボコに敗れ、無様に醜態を晒しながらも、熱く突っ走る! キネ旬他主演男優賞は納得。 蒼井優も池松以上に複雑で絶叫シーンが多い難役だったのではなかろうか。 改めて、スゲー女優だと思った。 『彼女がその名を知らない鳥たち』以上の濃密な濡れ場にも挑戦。 大胆なラブシーン、罵倒し合うほど感情をぶつける二人の熱量に、圧巻・圧倒された。 井浦新、佐藤二朗、ピエール瀧ら周りもクセ者揃い。 中でも、拓馬役の元格闘家の一ノ瀬ワタルは嫌いになってしまうほどのインパクト。 役者陣の演技も熱いが、監督の演出も熱い。 ラブシーンもバイオレンスシーンも手抜きナシ。 受け付けない人には一切受け付けない作風だが、ハマった人にはまたまた脳天ガツンと来る。 時系列はバラバラだが、宮本の骨折や靖子の髪型などでそんなに混乱する事は無い。 さらに時系列をバラバラにする事で、宮本と靖子の今と降り掛かった試練により深みを与えている。 それでいて、ラストは思わず感動…。 映像化の企画が上がったのは、2012年との事。 それから6年越しのTVドラマ化、7年越しの映画化…。 一本の作品を作るって、これほどの本気度がいる。 とてもとても『かぐや様は告らせたい』とは同じ国の作品とは思えない。 誰かを愛する事、 誰かを守る事、 不器用ながら懸命にがむしゃらに貫く事、 試練を乗り越え、勝ち取る事…。 それらって、並々ならぬ覚悟がいる。 そうやって勝ち取った宮本と靖子のラストシーンの幸せに、心底満たされた。 また、その直前の宮本の愛の絶叫告白。 何だかこれは、これからも日本映画界に挑む真梨子監督の代弁のように感じた。 お前たちの考えなんてこの際どうでもいい。 俺に任せろ!俺について来い!俺が守ってやる! 宮本から靖子へ。 真梨子監督から日本映画界へ。 レイプされてああ『怒り』てあったな、あれみたいに陰気に転がって収束するのはつまんないなと思ったら、笑うしかない滑稽な仕掛けが挟まれて、でもコミカルに振れず、という妙なバランスで飽きさせず、観賞後は晴れ晴れとした不思議な気持ち。 こんなのあるんだね、面白かった! 『彼女がその名を〜』でもそうでしたが、蒼井優ええ中年女性演じますね。 顔芸も凄いですわ。 あと池松壮亮て強烈に可愛いんだな、てこと再認識というか、ここまでちゃんと確認したのは初めてかも。 露骨だけどやられちゃう。 色々見たけどベストアクトかも。 内容は直球勝負にやられました。 あっぱれ力技。 ディストラクション〜がダメだった人もこれはイケるかもしれない。 自分はその口でした。

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【全話あらすじ】ドラマ『宮本から君へ』見どころ|感想紹介

宮本から君へ ドラマ 感想

どーも、スルメ です。 『宮本から君へ』ドラマ版をイッキ見しちゃいましたよ~! 1話20数分とは言え、全12話をイッキ見するのはなかなか疲れましたよw 面白かったんだけど。 本来であればドラマも観てなかったし、完全にノーマークな映画だったんですが、予告が無性に頭に焼き付いていまして。 宮本が 「結婚!結婚!結婚!」って言って、蒼井優さん演じる靖子が 「やかましい!!」と叫ぶヤツね。 『宮本から君へ』というタイトルも秀逸だし、これは気になるぞと。 それから始まって先日ドラマ版を観まして、改めて映画への期待が高まることとなりました! 俺サラリーマンやったことないし、ましてや営業なんて絶対できないんだけど、なんか惹かれるんだよなぁ。 ちょっとジャンルが違うんですが、花沢健吾原作の 『ボーイズ・オン・ザ・ラン』に似ているなと。 確か映画もありましたね。 会社の先輩である神保の仕事仲間、中野靖子と恋に落ちた宮本は、靖子の自宅に招かれるが、そこに靖子の元彼である裕二がやってくる。 靖子は裕二を拒むために宮本と寝たことを伝えるが、激怒した裕二は靖子に手を挙げてしまう。 そんな裕二に、宮本は「この女は俺が守る」と言い放ったことをきっかけに、宮本と靖子は心から結ばれるが……。 監督 メガホンを取ったのは『ディストラクション・ベイビーズ』の 真利子哲也監督。 今作では脚本も兼任していますね。 ドラマ版を観る限りでは、かなり特徴的なオープニングが印象に残っているんだけど、あのシーンは写真家の佐内さん演出によるものみたい。 オープニングは挿入されるタイミングも良いよね。 大体1話の中盤くらいに差し込まれるイメージ。 キャスト 主演は『ラストサムライ』に子役として出演していた 池松壮亮さん。 あの子役がこんな成長するなんてなぁ…。 『ラストサムライ』観たのは最近だし、俺より全然年上なんだけどw それにしても宮本役めっちゃ合ってますよね。 原作読んでないからイメージ通りかはわからんけども、『セトウツミ』とか『デスノート』で見せたクール系よりもこっちのが好きかも。 ヒロインの靖子役は最近結婚を発表した 蒼井優さん。 正直お笑い芸人さんと結婚するとは思いませんでしたわ。 ドラマでも顔出し程度で出演していたんですが、映画ではメインキャストになるのかな。 彼女の「やかましい!!!」の一言でこの映画に興味を持ったと言っても過言じゃない。 映画版から新たに参加するのは 井浦新さん、 ピーエル瀧さん、 佐藤二朗さんなどなど。 ポスターにハッキリと「ピーエル瀧」の名前があった時には少しだけ嬉しくなりましたね。 日常生活を送る上であんなに大声出すこともないからね。 俺もしばらく大きな声出してないな。 とにかくまっすぐで、自分勝手で、熱血で。 こんなヤツ近くにいたら絶対友達にならないだろうな~と思う宮本だけど、どこか愛せるところがある。 自分の近くにいないタイプの人間っていうか、そもそもこんな真っすぐな人間に会ったことないよ!普通そんなに一生懸命になれないぜ!? そんなウザったいところもある宮本、を映画が終わった後もずっと応援したくなるような映画でした! ここから先は『宮本から君へ』のネタバレを含みます! まだご覧になっていない方はご注意を!! 感想 ネタバレ 池松壮亮 宮本を演じる池松壮亮は喧嘩によって折られた歯を表現するために、 本気で自分の歯を抜くつもりだったとか。 確かに前歯がないと話し方とかも全然変わってくるし、演技ではどうしても賄えない部分もあるんでしょう。 自分より強い男に手も足も出ず無様に散っていく宮本を表現するために自らの歯を捨てようとした役者魂。 本気で尊敬します。 演技のために歯を抜いた俳優と言えば『ファイトクラブ』の ブラッド・ピット、10本抜いたとの逸話も残る 三國連太郎さんなどなど。 やっぱ役者ってスゲェなぁ。 結局は共演した蒼井優さんに止められて抜かなかったみたいだけど、それでも彼の表現力はハンパじゃないよね。 それが一番出ていたのが今回の映画ではなく、 ドラマのオープニングだと思うのよ。 いきなり始まるオープニングと池松壮亮演じる宮本がアップで映るヤツ。 その時の宮本の表情とエレカシの「Easy Go」がバーンとテレビに映った時は衝撃だったね。 それまで 「何だかよく分からん主人公だな」と思っていた宮本に目が釘付けになりました。 それはもちろん音楽も演出も良かったから頭に焼き付いたんだろうけど、やっぱり池松壮亮による無言で語るオープニングは凄かった! 映画の話に戻りますと、まず蒼井優演じる靖子とのシーン。 ラスト間際にあった結婚を申し込む場面は完全に宮本でしたね。 ピエール瀧に啖呵を切るシーンもそうか。 前歯がなくて何て言ってるか分からないセリフも敢えて作ったんだな。 そこに宮本の真っすぐな気持ちが出ている気がします。 ハードな場面の方が多いのに、二カっと笑うと愛らしさが出てくるし…。 うーん、俺の言葉じゃ宮本は語れねぇ。 正直言って『デスノート』の時は微妙かなぁとか思っちゃってたんだけどね。 完全にハマるところにハマったと言いますか、原作読んでないけど池松壮亮が宮本を演じて本当に良かったなと思える演技でした! 蒼井優 そしてもう一人の主役の靖子を演じた蒼井優。 もともと演技上手い人ですからね。 たぶん同世代の人の中では一番なんじゃないだろうか。 『リリイ・シュシュのすべて』と 『花とアリス』なんかの岩井俊二監督作のイメージが強いんだな。 未だに。 さすがにもう女子高生とかは演じないんだろうけども、今でも変わらず心が擽られる笑顔をしていらっしゃるw 私の印象に残ったシーンとしましては、 やっぱり宮本とのベッドシーンかな。 不純だと言われても脳裏に焼き付いたんだからしゃーない。 「蒼井優がここまでやるんだ!」という感じと 「山ちゃんはこれ観て何か言うのだろうか」と言う謎の疑問が湧いてくる濡れ場でしたね。 詳しく書くと俺が恥ずかしくなってしまいそうなんですが、まぁエロい。 『彼女がその名を知らない鳥たち』でも阿部サダヲとの結構際どいシーンがあったけど、それ以上かもしれんね。 全裸になって色んな体制になるのに乳首だけは頑なに見せない。 そこは守るんだなぁと。 でも、これだけのベッドシーンを演じるなんて『リリイシュシュ』を観ていた時には思わんかった。 さっきの歯の話もそうなんだけど、やっぱ役者って凄いよ。 もちろんベッドシーン以外にも演技力の光る場面があって、予告編にもあったオフィスでのシーンはやっぱり最高でした!あそこは宮本じゃなくて靖子のシーンだったね。 「やかましい!!」と怒鳴ってから、 「そういうワケでオメデタなんです」と同僚に説明するまでの間、ほとんど息もできずに引き込まれました。 靖子も宮本と同じくらいの声量で叫ぶからなぁ。 これはカラオケに行きたくなるわけだ。 ドラマとはちょっと違う 本作は時系列を交差させて 「決闘後、出産するまで」の時間と、 「靖子と付き合い、決闘するまで」の二つの時間軸が交互に展開していきます。 映画始まってすぐは既に靖子との仲が出来上がっていたんですよね。 だから「実は2クール目があったんじゃ…!」と不安に陥ったんですw 確かに靖子と宮本ってビンタされたのと、二人乗りしたくらいで恋仲に発展しそうな感じはありませんでしたからね。 何で靖子の家で飲むことになったのかは今でも謎ですし。 それとですね。 映画はもちろん面白かったんですが、 ドラマとはちょっと違った印象を抱きまして。 ドラマだと前半は宮本の恋愛観を描いてましたが、後半は契約採るための営業がメインだったんですよ。 で、俺としては後半の営業部分に面白さを感じていまして。 土下座までしてでも営業を取ろうとする全力宮本が好きだったのよね。 それと彼をいつも支える松山ケンイチ演じる神保とか、柄本時生の田島とか、ほっしゃんとかとの絡みをもっと観たかったというが結構ありまして。 俺サラリーマンやったことないから、実はこういう会社内の目立たない頑張りにスポットライトを当てる映画とかドラマが結構好きで、その分宮本が務めるマルキタは理想の会社だったのよ。 それなのに映画では会社はほとんど登場せず、岡崎部長、田島、小田の関西弁組にも出番があまりなかったのか残念でならない。 いや、靖子との恋愛と拓馬との決闘もそれはそれで楽しめたんだけどさ。 やっぱり『ボーイズ・オン・ザ・ラン』感があるよね。 サラリーマン同士が女がらみで決闘とか。 先にラグビー組との出会いも少しやってくれれば、宮本の営業シーンやマルキタのメンバーも映画で観られたんじゃないかと。 あの怖そうなラグビー組に飛び込み営業したらしいっすからね。 どんなドラマがあったんだろう。 まとめ 最後にキャスト関係でもう少し。 福田監督作品ではおどける役が多い佐藤二朗は良い役だったな。 完全なアドリブでやる面白キャラも好きですが、意外と真面目な役でも様になる。 そして時折ふざける方の佐藤二朗が顔を出すのもまた一興w それと批判もあるかもしれんけど、やっぱりピエール瀧は良い俳優だわ。 あの目力はなかなか出せないと思うぜ。 まぁその目力を出したのはドーピングした結果なのかもしれないけど。 エンドロールでもしっかり最後に名前が出てきて、変なところで感動した私でした。

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